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奥様と執事

SE 重厚なドアをノック

執事「お呼びですか、奥さま」

奥様「おはいり」

SE 扉を開く

執事「失礼いたします」

SE 扉を閉じる

執事「どうかされましたか」

奥様「眠れないの」

執事「それでは、カフリをお入れしましょうか」

奥様「ええ、おねがい」

執事「かしこまりました」

SE カップ、ソーサー、注ぐ音

奥様「あなたがこのお屋敷に来てから、何年たったのかしら」

執事「15年です。奥様。あの頃は、まだ奥様は高校生でしたね」

奥様「そうだったわね、、、」

SE カップを置く音

執事「どうぞ」

奥様「ありがとう。ああ、おいしいわ‥…ふふ、15年も、私のわがままに突き合わされて、かわいそうにね」

執事「何なりとお申し付けください」

奥様「やりたいことがあるなら、いいのよ、いつ出て行っても」

SE カップを持つ手が震える音

執事「カップを」

奥様「あ、、、」

執事「手が冷たいですね。奥様がお眠りになるまで、側におります。だから、安心してお休みください」


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