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家電の音と聴覚

家電に付された『音』

※これは以前ブログにあげていた内容の焼き直しです。

ボタンを押したら音が出るという仕組みに、われわれは無意識に心奪われているんじゃないだろうか。ボタンを押すと音が出る、ボタンを押したという確信が持てるような気がするからではあるまいかと類推する。いや類推するも何も仕様を施した側としては当然そうなんだと思う。押したことがわかるように音が出るのだ。

昔から音の出るおもちゃは大好きであります。特にボタンがついているものが。絵柄のボタンを押したらその音が流れる本とか自販機型のおもちゃ…特に好きだったのはレジスターを模したあのおもちゃ。いまではセルフレジという画期的なおもちゃがあって、大人でもレジ遊びができてしまったりするが…いやいや。あの、ピッって鳴るのがたまらなかった…永遠にスキャンしていたい。ずっとバーコードを読み取っていたい…最近のおもちゃはますます進化している。

しかして本題とは全く関係ないのであります。本題はこちら。

『ボタン押したら音が流れるやつ、あれ、音高くね?』です。

音が高いからなんなのだという話だが、我々の身の回りには音の出るものが溢れている。そういう仕組みのものはほとんどが家電で、ほとんどが電子音ですね。テレビから流れる音は音声なので省きますが、代表的なものはリモコン、電話機の数字ボタン、家電だと電子レンジ、炊飯器、ガスリモコンなどなど…うちのは扇風機のボタンも鳴る。外に出ればICカードとか自販機とかエレベーターとかいくらでもある。
今日はそんな音の出る機械たちの『音の高さ』について、主に家電の音とそれをとらえる人間の聴覚についてであります。

高音域で鳴る家電と聴覚

ことの発端は、たまたま父が使っていた「体温計」でありました。
愛用していた体温計を失くしたとかで、新しいものを買ったようだ。最近は耳で計るものとか赤外線で計るものとかいろいろ増えましたが、父は20秒で計れるという脇に挟む古いタイプのやつを使っていました。20秒ですからまぁ一瞬です。

ピーピー、ピーピー、ピーピーって3度も鳴るんですよ。しかもなかなか大きい音で。おうおう、小さいなりにしっかり主張するやんけ大したもんやのう、とか思ってたところ。

父が動かない。
鳴ったのに、全然温度見ようとしないのです。どうした父よ。
「鳴ったやん、温度見ーひんの?」
「え?もう鳴った?」
え?はこっちのセリフだ。
聞こえてないのだ、あの大きな音が。

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