27歳まで続く日記vol.89『DHAくらい時間が足りない』

かといってこの忙しさは充実した私生活によるものではなく単なる効率の悪さが原因である。その悲しい事実を一旦スルーして現状を伝えるなら、本当に久しぶりに自由時間ができた。そしたら人間、なにも考えずにボーッとしてしまうもので、気づいたら、部屋の中央で1時間くらい立ちっぱなしだった。風呂を出て、顔に化粧水ペンペンしたあと、ニス塗るみたいに全身を保湿剤でコーティングした。いつぶりにやったのか、全く覚えていない。忙しすぎて、冬が自分の肌から毎年水分を強奪することを完全に忘れてしまっていた。いったい盗んで何の得があるだろう。無目的な水分の窃盗、冬はクレプトマニアの季節か。そうそう、窃盗で思い出した。この前初めて東京駅の近くにある長い通りを歩き倒した。名前は忘れたけど、これでもかと至るところに電飾をはびこらせた、きらびやかな通りだった。衛星写真で見たら一本の光の線になっていたと思う。今であれだけ光っていたらクリスマスには逆に真っ黒になってると思う。光過ぎた反動とかで。まあそんなところで2,000円を拾った。普段ならきっとネコババしていただろうけど、そういうのにうるさい人(とても正しい人)が隣にいたからその辺にいた白バイポリスに「すいません、これ落ちてましたよ」と札を渡したら(サツに札を渡した)「持ち主が見つかんなかった場合受け取れる権利があるけどどうする?」みたいなことを聞かれて、連絡先を教えるの面倒だったので「いいです」断ったら「最近は色々と厳しいからね」と言われ、名前と生年月日と電話番号を急に聞かれ、紙に全部メモされた。その時、なぜかめちゃくちゃ悪いことをした気分になった。警察に個人情報をメモされたら、いい気分にはなれない。信用されてない感じがして嫌だった。隣の人にそのことを伝えると、全く共感してもらえなかった。おそらく、いつも警察に拾得物を渡さずにネコババしているからなんだと思う。

小さい頃からお金をもらうことが好きでした