27歳まで続く日記vol.105『投資に使われている盆栽がかわいそうだ』

知り合いの盆栽屋から聞いた話によると、ここ最近盆栽専門のオークションで中国人が荒ぶっているそうだ。どうやら中国人は自国で売るために盆栽を爆買いしているらしい。ただ、大量に購入されると供給が足りなくなるので値段を上げるのが商売の基本。盆栽はあっという間に値上がりし、日本人が手を出せないほどの莫大な金額に跳ね上がるそうだ。500円のなんでもないような盆栽の周りに飾るだけの草も中国人が気に入ってしまえば3万円にまで膨れ上がるらしい。逆に中国人が買わなくなった盆栽は一気に価値が下がるとも聞いた。

中国人の気分次第で盆栽の価値は大きく変わる。賢い人はそこに目をつけるのだ。中国人が手をつけそうな盆栽や草などを先に爆買いし、さらには栽培して数をとにかく増やす。そして、それらの価値が上がりきったところで一気に売って大儲けである。

そういった具合で、今、盆栽は株のように扱われている。盆栽はこの状況をどう捉えているのだろうか。彼の気持ちになってみるとこんな言葉が思い浮かぶ。

「なんで投資に利用されなあかんねん。なんで俺は中国人の気分によって勝手に持ち上げられたり下げられたりされなあかんねん。もっと俺を見て、鑑賞しろや」 

姿が小さいことも相まって、なんだか盆栽が惨めに思えてきた。 

小さい頃からお金をもらうことが好きでした