27歳まで続く日記vol.91『高級焼肉屋でインドネシアの山奥を思い浮かべ正六角形主義者の存在にたどり着く』

昨日、高級焼肉店に行った。その時、目に止まったのが、炭の形。六角形だった。今思えば、店員さんに聞けばよかった。なぜあの形なのか。ただ、聞いたところで返ってくるのは熱の伝導効率が良いからみたいな、こちらの質問の意図を汲み取ってない答えだったかもしれない。危うく「いや、それはわかってるんです。僕が知りたいのは、なぜその形だと熱が伝わりやすくなるか、なんです」とか言ってしまい面倒な客だと思われて腐りかけの肉を出されるところだった。

調べると、どうやらあの炭は『オガ炭』と呼ばれるものだということがわかった。おがくずを圧縮して固めたものらしい。真ん中に穴が空いていて、形状は四角形と六角形の2種類が存在する。wiki曰く、インドネシア産で六角形のものは「椿備長炭」という商品名で流通しているそうだ。 

ここからは自分の推測になる。

インドネシアで作られた炭は安価なものだから飛行機ではなく船で日本に輸送されるはず。険しい道を進む大型トラックの背に揺られて、インドネシアの山奥から港まで運ばれ、長い航海を経てようやく日本にたどり着く。その際、欠けたり割れてしまうと売り物にならないからなるべく頑丈でなければならない。そこで頭のいい人はハニカム構造を利用することにしたんだと思う。

正六角柱(正六角形)を隙間なく並べた構造で、一番身近にある例としてハチの巣が挙げられる。そしてこの構造は、隙間なく同じ図形を敷き詰めた構造の中でも最も衝撃吸収性に優れているという特徴がある。一方向から力を加えられても五つの方向に衝撃を分散できる。つまり、運搬時の破損を最小限に抑えるために、炭は六角形になっていたのだった。美味しさとか熱効率とか全然関係なく、運ぶのに適した形だから。

仕事で各所を転々とするため荷物を運ぶ機会が多く、その際に持ち物が壊れてしまわないように自分の所有物を全て同じサイズの正六角柱にするミニマリストみたいなタイプの人たちが今後現れるかもしれない。その時は、その人たちのことをヘキサゴンメンバーと呼ぶことにしよう。

小さい頃からお金をもらうことが好きでした