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タバコやめられたらいいな

オヴェ~。深夜3時、真っ暗な台所で僕は排水溝と見つめ合っていた。頭は働かず、何も考えられい。口を開いてよだれを垂らしながらアホ面で次の嘔吐が来るのを待った。酒とタバコの過剰摂取。なんてしょうもない理由なんだろう。真夜中の静寂は僕を笑ってくれなかった。あの静かで暗い15分は、誰かにつまらない映画を見させられている時のように、すごく長くて、腹立たしかった。後悔と自分への怒りが募るばかりで、それをどうにか自分と切り離したくて、喫煙所に行きピースとキャメルを置いてきぼりにした。


「タバコやめたー」と10月の終わりに呟いた。でも、わかっていた。タバコを捨ててもタバコを吸いたくなる夜は、絶対に来ると。酒を飲み過ぎた夜にはふらっとコンビニに立ち入って、どうせまたあの番号を呼んでしまうんだと。


新しくバイトを始めた。真面目な人が多かった。退勤後、タバコを買いそうになった。ヤンキーの気持ちがわかった気がした、皆既月食の次の次の日。次の夜勤明け、耐えられなかった。またタバコを買ってしまった。


 


ピースのライト。いつもスーパライトだったのに少し強めのを買ってしまった。吸って、あることに気づいた。タバコって深呼吸するためにあるんだ。全部の感情をリセットするためにタバコって吸うんだ。それから夜勤明けのタバコは習慣化した。



早朝の公園で見つけた空のペットボトルと水鉄砲



夜勤明けとか関係なく夜にも吸うようになった。着々と依存症への道を進んでいる。ある夜、流れるタバコの煙を見て「風向きがわかるからいいな」と呟いていた。自分のことが気持ち悪いなあと思って笑った。


あっという間に1箱なくなった。次の箱はまだ買っていない。タバコ臭いと言われたから。どうして、ファブリーズはしていたはずなのに。適当に誤魔化したが、タバコを吸ってることはバレたくない。なんとかタバコをやめられたらいいけど、これ書いてたら、また吸いたくなってきた。タバコの野郎め、いったいどんなトリックを。

小さい頃からお金をもらうことが好きでした