「夜道お気をつけて」のあとに続く言葉

あまり親しくない人と楽しく食事できたその帰り際「夜道お気をつけ」の一言くらいかけてあげたかったのにかけられなかった。結局それは、相手を思いやる気持ちがなかったからなのかもしれない。だから夜道お気をつけてのあとに続く言葉をずっと考えていた。どんな理由が考えられるだろうかって。



「夜道お気をつけて、○○」 


○○を埋めなさい



「夜道お気をつけて、満月は人を惑わすので…」 


中世ヨーロッパの古い言い伝えに月の光は人を狂わすというものがある。



「夜道お気をつけて、ひよみちお兄さん…」 


ひろみちお兄さんみたいに消えないでよ



 

「夜道お気をつけて、僕らにも殴る権利はあるので」 


誰が味方と言った?



「夜道お気をつけて、あの夏に連れていかれるので」 


それぞれの嫌な夏を思い出してください、それは僕にとって、あの、じめじめとした、セミのうるさい1日だし、あなたにとっては…



 

「夜道お気をつけて、本当はこれすらも言わないからね?」 


特別感出しちゃお



「夜道お気をつけて、お前って気を付けられない人間じゃん?」



距離感のギャップ



「夜道お気をつけて、全然、気を付けるの諦めていいよ?」

 



信じてやりなさいよ




「夜道お気をつけて、この道には戦後回収されなかった不発弾が埋まっていて、私もその不発弾の1つなんです」 



「夜道お気をつけて、こっからはシリアスパートだし」 


当事者は物語を俯瞰で見るな



「夜道お気をつけて芸人よみち」

 

ギターではなく、チェロを弾いている



「夜道お気をつけて、この先の、不思議な職員室でお待ちしています…」 


ここで話せよ



 

「夜道お気をつけて、さもなければ、見せ合うことになります」



そんなことしたら通りすがりの野犬が発情してしまう!



「夜道お気をつけて、私たち妖怪も気を付けますんで」 


それ早く言ってよ~



「夜道お気をつけて、バレバレですよ?目が見えてないフリ」 


その時一瞬だけ、眼球がピクッと動く 


「夜道お気をつけて、もしかして、あなた冷え症なんですか?そうですか…冷え症ですか…」 


冷え症で得することってないもんな



「夜道お気をつけて、この先で闇農家が闇を栽培しています」

 

いざいかん、光農家を探す冒険に



 

「夜道お気をつけて、そうそう、実は私、案内人ではありません」 


お前、誰やねーん! 


「夜道お気をつけて、じゃあ、店員さん呼んできますね」 


お前、誰やねーん……?

小さい頃からお金をもらうことが好きでした