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卵子凍結に関して

ドイツ留学中、医師である私は34歳で卵子凍結をしました。今年に入って卵子凍結に注目が集まり迷っている女性の背中を押す風潮となっているのはありがたいことです。
私が凍結をした4年前は日本では社会的適応は認められておらず、卵子凍結をすることになぜか後ろめたさを感じ、誰かに相談したり経験者の話を聞くということはできませんでした。いずれは出産育児を経験したいものの日本には帰れずまだまだ伴侶にもなかなか出逢えていないという環境からヨーロッパで卵子凍結を決意しました。
仕事の合間をぬって血液検査や超音波検査に出向き、夜勤明けの日に採卵手術に行ったのを覚えています。34歳と比較的若かったため卵子の数もまずまずだったのですが念のためもう一サイクルしてみてはどうかと勧められました。さすがに仕事の環境上同じことをもう一月はなかなかしんどかったので私は一クールのみで終了しました。

出産を目的とした卵子凍結というのが第一目的ではあるものの、卵子凍結をしたことにより、◯歳までに子どもをうまなければいけないといった焦りの波から解放された気分になりました。実際使用するかもしれないとして凍結したものの、実のところは精神安定剤としての役割が今のところは大きいものです。

女性の社会進出をおしすすめるという大義名分がありつつも少子化社会には対抗しなければならないという矛盾の今、産みたい・育てたいという女性の思いを後押しできる社会になってくれればと思います。

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