見出し画像

損失回避なんて存在するのか?

昨今は心理学や自然科学ブームだ。

哲学者(マルクスガブリエル)は自然科学は現代のアヘンであると論じている。
我々が現実として本当に存在してるのか?もしかしたらシュミレーションの中にいるのではないかという水槽脳という哲学は有名だが、
コロナによって我々は本当にシュミレーションの世界を生きている。
飛沫がどれぐらい飛ぶかなどはコンピュータで処理して計測している。
それが役立つものなら全然使うべきだ。
ただ、本当にエビデンスとして正確なのか?
科学的や科学的根拠というワードに盲目的に信じて思考停止になっていないか?

最近は自然科学や心理学に対して疑心の目を持つようになってきた。というか、なにに対しても疑いの目を持つことは大切だ。

心理学系の本を読んでると、損失回避というワードがよく出てくる、その度に本に対する私の好奇心は弱くなってしまう。

それは、身銭を切れという本のナシームニコラスタレブの主張がスッと入ってくるからだ。ある意味説得されたとも言える。
少し内容をまとめてみよう。

心理学者たちは、被験者に1回きりの実験を行って、私たちの〝強迫観念〟やら〝リスク回避〟の性向を判定する。そうして、人間は生まれつき微小な確率を〝過大評価〟しがちな合理性に欠く生き物なのだと主張する。心理学者たちはどういうわけか、被験者が個人的なテール・リスクを二度と冒さないと仮定しているのだ!

⚠︎テールリスクとは、確率は低いが、発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク。

人は合理性に欠く生き物であるという考えはは、行動経済学や社会科学では当然とされている。また、人は無数のテールリスクの上で生きていて、二度とテールリスクを冒さないと仮定するのは愚かではないだろうか?

社会科学の〝損失回避〟の概念は考察が甘い。損失回避は、現在測定されている方法では測定できない(そもそもそんなものが測定可能ならの話だが)。

いきなり、どキツイことを言う。これについてはカジノの例があって。基本的にこのような手法に出る。

儲けが出たら積極的に賭けはじめ、損失が出たら手じまいする。手法

ただ、行動経済学のリチャードセイラーはこれを否定する。以降リチャードセイラーに対する批判が続く…

私は、リスク回避なんてものは存在しないと思う。私たちが観察しているのは、単純に、エルゴード性の残滓だ。人々はひたすら金銭的な自殺を避け、テール・リスクに対して一定の対策を取ろうとしているにすぎないのだ。


リスク回避などは存在しなくて、ひたすら金銭的な自殺を避けてるに過ぎない。なるほど、そう考えると、行動経済学や心理学って本当にあてになるのか?

別に私は心理学が嫌いな訳ではない。ただ、タレブの言っていることも一理あると、思う。

哲学においては、相対主義というものがある。
まぁまぁそれぞれ意見があるのだからいいじゃないみたいな感じだ。これには心底イライラさせられる。

ことなかれ主義の人間は意見をいうと反対意見があると思って言うのを躊躇してしまう。

人がなにが正しいか考えて真理を求めようとすることは、大賛成だ。ただ、昨今の心理学に盲信しすぎる傾向はどうなんだろう。

参考文献
身銭を切れ
お金に支配されない心理学

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?