見出し画像

メジコン三部薬の最後は咳を鎮めて呼吸を楽にする薬:コンタック咳止めWの解説


マイコプラズマ肺炎についてわかっていること

マイコプラズマ肺炎の感染が拡大していると、ニュースで報道される機会が増えています。マイコプラズマ肺炎の症状の一つに「激しい咳」があり、気になったので調べていました。

1.潜伏期間は2週間程度
マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマという細菌の一種が感染する「呼吸器感染症」で、重症化すると肺炎を引き起こします。

潜伏期間は2週間程度。潜伏期間とは感染から発症するまでの期間で、マイコプラズマの場合は感染しても2週間は症状が出ないので、感染している自覚がありません。それゆえいつものように学校へ行き仕事へ行き、外でご飯を食べるなど多くの人と接するので感染が広がりやすい病気です。

2.マイコプラズマは他の感染症と見分けがつかない
マイコプラズマの初期症状は「発熱」と「咳」です。発熱は40度近くになることもあります。しかし、これらの症状は他の感染症と大差はなく、見分けがつきにくいものです。

感染症には他にも風邪や新型コロナ、インフルエンザなどがありますが初期症状は次のとおりで、かぜ薬の外箱に書かれてあるものがほとんどです。

・発熱
・咳や痰
・のどの痛み
・鼻水やくしゃみ

これらはすべて出ることもあれば、一部のみ出ることもあります。感染症の各症状をもう少し詳しく見ていきます。

・風邪の発熱で40度は超えないが、それ以外の感染症は40度を超えることがある
・新型コロナはウイルス株にもよるが、のどが痛くて唾液さえ飲み込めないことがある
・インフルエンザは関節や筋肉が痛くなることがある
・マイコプラズマは熱が下がっても、咳が続くことが多い

3.各感染症の治療薬はそれぞれ違う
マイコプラズマは細菌による感染症なので抗菌薬が使われますが、新型コロナやインフルエンザはウイルス感染なので抗ウイルス薬が使われます。これらの治療薬を処方するためには医師の診断が必要で、医師は診断を確定するために検査を行い診断の根拠にします。

現在は新型コロナとインフルエンザの検査は同時にできるようになりましたが、マイコプラズマはそれとは別の「抗原検査」を用いているようです。

4.マイコプラズマの患者の8割は14歳以下
マイコプラズマは大人も感染しますが、患者の8割は14歳以下の子どもが多いようです。子どもが感染するということは、一緒に生活している大人も感染しやすくなるので、うがいや手洗いなどの「感染予防」は欠かせません。

5.マイコプラズマの咳は痰がからまない乾いた咳
風邪やインフルエンザ、新型コロナなど「ウイルス感染」の咳は痰のからんだ、ゴホンゴホンと湿った咳が多いですが、マイコプラズマの咳は痰のからまない、コンコンと乾いた咳が多いようです。

痰のからまない乾いた咳は「メジコン」で咳を鎮められますが、マイコプラズマの原因が細菌感染なので薬が効いている間は咳が鎮まっても、効果が切れればまた咳が出てきます。

マイコプラズマの咳は熱が下がっても1ヶ月ほど続く場合があるようです。長引く咳は呼吸器内科を受診して咳の原因を突き止めましょう。


ゼーゼー音がして呼吸が苦しい喘鳴

マイコプラズマは40度近い熱と咳が出て苦しいですが、熱が下がってからが本番です。熱が下がっても咳は鎮まらず、むしろ激しくなることがあります。

激しい咳はゼーゼーと音がする喘鳴が伴う場合があります

風邪をひいて咳が出ることはありますが、喘鳴はありません。

喘鳴はのどから下の気管、気管支の炎症が原因です


ウイルスなどの感染症は身体への侵入を防ぐために炎症が起きて咳や痰によって異物を排出しますが、咳が長引くと炎症の範囲がのどの下まで広がっていきます。のどの下の気管や気管支に炎症が起こると身体は次のように反応します。

・炎症によって気管や気管支が腫れて粘液や痰が増える
・少しの刺激に過敏になり、のどの筋肉が収縮する


炎症によって腫れた気管や気管支は気道を狭くして、また少しの刺激でのどの筋肉が収縮することで空気が通りにくくなり、喘鳴が出たり呼吸が苦しくなります

喘鳴が出たら病院受診が必須になります。喘息の診断がされれば、「吸入ステロイド」が処方されてのどの炎症を抑えます。

市販薬では病院を受診できないときの一時的な措置として、咳で呼吸が苦しいときに気管支を拡げて呼吸を楽にする薬が用意されています。


コンタック咳止めWの成分その他詳細情報



新コンタック せき止めダブル 2072円(参考価格)
成分
15歳以上1日服用量2カプセル中、
・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物60mg:咳中枢を抑えて咳を鎮めます
・ジプロフィリン200mg:収縮した気管支を拡張して咳を鎮め痰を出しやすくします

用法用量
次の1回量を水またはお湯と一緒にかまずに服用してください
・15歳以上1回1カプセル1日2回(朝夕)


効能
せき、たん


してはいけないこと
・本剤を服用している間は、次の医薬品を使用しないでください:他の鎮咳去痰薬、かぜ薬、鎮静薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬(鼻炎内服薬、乗り物酔い薬、アレルギー用薬など)
・服用後に眠気があらわれることがあるので乗り物または機械類の運転操作はしないでください

相談すること
・次の人は服用前に医師や薬剤師にご相談ください:高熱がある人、甲状腺機能障害やてんかんの診断を受けた人
・服用後に眠気の持続または増強がみられた場合は服用を中止して医師や薬剤師にご相談ください
・6回程度服用しても症状がよくならない場合は服用を中止して医師や薬剤師にご相談ください

コンタック咳止めWの特徴

1.咳止めなのに濫用等のおそれのある医薬品の成分が入っていない
私は濫用等のおそれのある医薬品を買ったことがないので詳細はわかりませんが、伝聞では空箱をレジに持っていくと「アラート」が鳴り、店員からいろいろ確認をされるそうです。濫用等のおそれのある医薬品とは次の成分が配合されているものです。

・エフェドリン
・コデイン
・ジヒドロコデイン
・ブロモバレリル尿素
・プソイドエフェドリン
・メチルエフェドリン


この中で咳止めに使われる成分は「コデイン」「ジヒドロコデイン」「メチルエフェドリン」ですが、コンタック咳止めWにはいずれの成分も入っていません。ただしメジコンの成分である「デキストロメトルファン」は濫用等のおそれのある医薬品の成分に指定されていませんが、店舗によっては確認されることがあるようです。

めんどくさいと思う気持ちは客だけでなく店員も同様です。ドラッグストアでは薬剤師がレジ打ちをするほど人が少なく、店員はやることが山積しているのに、仕事が増える作業など本当はやりたくはありません。迅速に会計をすませるために、是非協力してあげてください。

2.コンタック咳止めWはメジコンより速く長く効く
メジコンは錠剤で血中濃度が最高値に達するまで2時間程度だといわれています。つまり個人差はありますが、メジコンを服用して効果が現れるのは早くても1時間以上かかる計算です。

コンタック咳止めWは錠剤ではなく顆粒を入れたカプセル剤で、顆粒も徐放性と速効性の2つのタイプに加工して速く長く効くことを実現しているのは用法用量をみてもわかります。

・メジコン:1回2錠1日3回
・コンタック:1回1カプセル1日2回

3.咳は急には止められない
咳は身体に侵入した異物を排出するための生体防御反応です。生体防御反応は自分の意思とは関係なく起こるので、咳を数回は我慢できても毎回は我慢できないし、我慢するものでもありません。咳は出るたびに体力を消耗したり集中力が散漫になり日常生活に支障をきたします。

また、副交感神経が優位な夜に咳は出やすくなるので、眠れなかったり途中で目が覚めたりと十分な睡眠がとれず、身体の回復が遅れます。

咳が出る原因は何なのか


通常、風邪による咳ならば1週間程度で収まります。しかし、長引く咳の原因を突き止めるには病院での検査が必要になります。

市販薬を使ってみて、治りが悪ければ病院を受診して咳の原因を突き止めて、健康な身体を取り戻しましょう。

いいなと思ったら応援しよう!