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わな猟を見学する

 昨年とったわな猟免許。そのあとシカの解体イベントなどに参加して、猟友会の方々とつながりが少しずつできてきた。それで、わな猟を体験するために、猟友会の方(以後、先輩と表現する)にお願いして、実際にわなをしかける様子を見学させてもらえることになった。

まずは使う・持っていく道具
・くくり罠(地中に埋めて設置する。わっかの部分を動物が踏むと、ワイヤーが脚に食い込むしかけになっている。)
・手持ちサイズのショベル
・手持ちサイズのクワ
・断ち切りばさみ(園芸用のはさみ。穴を掘るとき根を切るのに使う)
・ロープ
・名札(誰がわなを仕掛けたかわかるように掲示する)
・ペンチ

行先は愛知県新城市の作手地区

 現場に着くと、まずは周囲を観察しながら山に入っていく。動物の痕跡を探すのだ。まずは足跡。動物が通っているか、来ているか確認する。狙いのシカの足跡はとりあえずは2本の爪が目印。足跡を見つけたら、最近のものかどうかを確認。足跡に落ち葉が上から落ちていたり、ひび割れたりしていたら古い可能性が高いとのこと。

 次はけもの道(動物が通っているルート)を探す。斜面の中でも少し平らになっていて土の色がほかと少し違う場所が続いているようなところ。たくさんあったので1ルートごとに説明してもらう。動物はけもの道を通るときは、ほとんど一方通行なので、進路方向を足跡や、付近の状況(枝の折れている方向など)を確認し、わなを仕掛ける方向の参考にする。けもの道に沿って歩くと、ふんをみつけることができた。
 ふんの状態をみて、いつ頃に歩いたかを確認する。古いふんはひび割れてくるそうだ。

 いつくかけもの道を見つけたら、わなを仕掛けるポイントを決める。ポイントとしては、
 ・けもの道が交差している箇所
 ・けもの道上に障害物があり、そこを避けて通っている箇所
 ・足跡やふんが新しいと思われる場所
があげられる。
 道が交差している箇所はそれだけそこを通る可能性が高い。障害物をよけて通っている箇所は、脚を踏み込む場所を予想しやすい。足跡やふんが新しい場所は、最近そこを通っている証拠となる。

 仕掛ける場所のあたりを付けたら、くくり罠を仕掛ける。
 ・埋めるための穴を掘る
 ・罠を埋めたら、落ち葉などをかけて隠す
 ・罠につながっているワイヤーを近くの木などに巻き付ける
 ・堀った土は近くに置くと、気づかれる可能性があるので、少し離れた場所に捨てる
 ・埋めた箇所の近くに障害物(枝など)を置いて、罠を踏むように誘導する
 ・すべて終えたら、いったん離れた場所から見て不自然な点がないか確認
 ・よさそうなら、罠を仕掛けた付近に名札を掲示する。

 しかける前にいろいろ考える。どこをよくとおっているのか、どの方向から来ているのか、仕掛けた罠にはまらせるためにどうするか。ダメだった場合はなぜだめだったのか。これをいろいろ考えるのがわなの醍醐味とのこと。初日は3つの罠を仕掛けて終了した。

 二日目
 昨日しかけた罠を確認に行く。
 かかっていない。おとといから降り続く雨のため、かぶせた落ち葉がおちて罠がむき出しになってしまっていた。ただ、あたりを確認すると、わなの近くにもきていない様子だった。
 本来は1週間ほど仕掛けておき、毎日かかっているか確認をするのだが、先輩も自分の作手地区から遠くに住んでいるため、残念ながら罠は回収し、今回の体験見学会は終了となった。

 今後、わな猟を行っていくうえでの考察
 罠は仕掛けたら、毎日様子を見に行く必要がある。このことからも、住んでいる近くに猟場がないことは、かなり猟をするのに不向きであることがわかる。実際に仕掛けた罠にすぐかかるケースはあまりないとのこと。今回は土日で仕掛けたが、なかなか結果を出すのは厳しいと思われる。さらに、実際に罠にかかっていると、解体まで必要となり、かなりの時間を要することが想像される。それらをクリアするには、

・住む場所を変えるか、現住地から近い猟場を探す。
・協力者(一緒に猟をする人、もしくは猟場付近に住んでいる人)を募る。
・解体する場所を探す。

 いのちと正面から向き合いたいとおもい取得したわな猟免許。
 実際に猟をおこなうにはかなりのハードルがあることを実感している。今後もやり方を模索したい。
 今回協力していただいた先輩に心から御礼申し上げます。ありがとうございました。また、何かありましたらご協力よろしくお願いします。

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