「だれが本を読者に届けるのか」-『Go to Togo』の発刊まで② / のろしがあがるまで vol.1

ひとり出版社・烽火書房の発刊する書籍が、読者の皆さんに届くまで。その記録を残していきます。

しばらくは、烽火書房の初の本格的な出版になる中須俊治 著『Go to Togo』について書いていきます!

京都に根差した書店那珂郡大垣書店さん本店へ、『Go to Togo』の出版イベントの打ち合わせため伺いました。

本屋さんにはいつも通っているぼくですが「出版社として」、大きな本屋さんに伺うのは初めてでした。

イベントについてお話していくなかで、あることを知りました。それは、つくる人、売る人、買う人、それぞれの表情が見えないまま売られている本がいかに多いかということでした。

日本ではものすごい数の新刊書が発売されます。出版社はつぎつぎに新しい本をつくりますし、本屋さんではそれをつぎつぎに売っていきます。賞味期限があるかのようの、新刊書の消費は早いようです。

そのせいで、つくる側も売る側も、発刊のペースについていけなくなります。出版社は、どんな人が売ってくれているのかどんな気持ちで売っているのかを把握できず、書店は、どんな人が作っているのかどんな気持ちで作っているのかを知ることができません。

これはとても寂しいことだなと思いました。ぼくは小さな出版社でしかないので、直接本屋さんに想いを伝えたいし、なんだったら読者ひとりひとりと話をしながら本を読んでもらいたいと強く感じました。

「これだけたくさんの素晴らしい本がここにはある。だけれど、埋もれてしまう。だから売り場の書店員の売りたいという熱が、その本を読者に届ける」というようなことをおっしゃっていたのが、頭に残っています。売りたい、と思ってもらえる本にしないといけないですね。