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組み合わせの可能性。【殺し屋、やってます。】レビュー

「自分では体験できないことを擬似体験させてくれる」
それが僕が本を読む理由の1つなのだが、それに当てはまる面白い本を読んでいる。

【殺し屋、やってます。】

キャッチーなタイトルで、思わず手にとってしまった。
読み進めてみると、殺害がメインの話ではなく(もちろんそういった描写もあるが)

なぜか殺害される予定の人々が、不思議な行動を取っており、その理由を解き明かすことに比重が置かれている。

・深夜の公園に、毎日水筒の中身を捨てに行く女性
・なぜか子ども用のおむつを買いに行く独身男性

など、一見すると意味不明な行動を取るのだ。その理由を推理、解明していくところが面白い。

ミステリーやサスペンスなど、謎解きが好きな人には楽しめる作品になっている。一話完結型な上、理由が気になるので、つい最後まで読んでしまう魅力がある。

★★★

この本の面白さは「殺し屋」と「謎解き」の組み合わせにある。
それぞれのテーマでは類似本はあると思うが、この2つを組み合わせたものは、僕は今まで見たことがなかった(探せば見つかるとは思うが)

組み合わせの面白さは「屍人荘の殺人」でも感じていたが、これは飽和状態のジャンルにおいては、とても魅力的な武器になる。

人についても同じではないかと思った。

1つの能力をトップクラスに持っていくのは難しい。けれど、組み合わせることによって、その人ならでは、真似できないユニークな能力になるのではないかと。

まぁ、その組み合わせる能力が、そもそもわからないのも現実ではある。が、その可能性は知っておくと今後役に立つ気がしている。



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