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詩吟における「ピンホールマーケティング」とは?

こんにちは、heyheyです。今日は「詩吟におけるピンホールマーケティング」というテーマでお話します。


1. ピンホールマーケティングとは

ピンホールマーケティングとは何かをざっくり言うと、大手企業や資本力のある強者が行う大規模なマーケティングに対して、弱者が取るべき戦略です。大手が相手にしないような小さな市場を対象に、そこを突き刺すように売り込んでいく方法です。

・・・万人受けよりも、限られたマーケットに特化し、そこで評価される。しかもその地域だからこそできる作戦をとるべきなのです。そのような針の穴のようなマーケットに最適化し、競争優位を築く方法を私は「ピンホールマーケティング」と呼んでいます。

引用:木下斉「年に数回しか使わない「多目的ホール」が地方に増える根本原因」PRESIDENT Online

この戦略の特徴は、自分の個性(属人性)を活かすことです。大手企業が個性を排除してシステム化を進める中、ピンホールマーケティングでは逆に個性を特化させていき、自分だから聞いてもらえる相手、分野、業界などをターゲットに営業します。

2. 詩吟業界への適用

詩吟業界にピンホールマーケティングを適用しようとした場合、まず「大手が相手にしている市場は何か?」から考えました。

正直な話、こちら側が「ピンホール」を必要とするほど、既存の大手団体が市場を網羅しているとは感じていません。

そのため、この話は「既存団体が扱っているマーケットと、私個人が対象とするマーケットをどのように棲み分けするか」という考え方に置き換えました。

①既存団体のマーケット:リアルな詩吟教室で学びたい人

既存の大手団体が対象としてるマーケットは「リアルな詩吟教室で学びたい」という人たちです。いわゆる昔ながらのスタイルです。

詩吟教室で生徒を集め、その教室を団体でまとめ、その団体を組織でまとめているという形です。

コロナ禍で少しだけオンライン教室をするところが増えましたが、詩吟教室を運営するのは高齢の方が多いので、ほとんど進んでいないのが実情だと思っています。

②個人が狙うべきマーケット:気軽に学びたい人、オンラインで学びたい人

上記に対して、私のような個人が狙うべきマーケットは「気軽に詩吟を学びたい人、オンラインで場所の制約なく学びたい人」です。

正直な話、「教室で学ぶ」というのは、めちゃくちゃハードルが高いと思っています。

自分で近くの詩吟教室を調べて、そこに電話をかけて(メール対応している教室は少ない)、予約をして、足を運んで、説明を(主に口頭で)聞いて、参加する。

まだよく知らない「詩吟」に対して、ここまで行動できる人はなかなかいません。むしろその手前で「・・・そこまでする必要あるなら、とりあえず保留にしよっかな」と考える人の方が何倍もいるはずです。

ですので、(幸いにもまだあまり手が付いていない)そのような人達に対してアプローチするのが良いと僕は考えています。

3. 属人性の重要性

しかし、「オンラインで詩吟教室をやればいい」という単純な話ではありません。オンラインだからこそ、属人性がめちゃくちゃ重要になってきます。

「詩吟をなんとなく学びたい」と思っている人が見ているのは、必ずしも指導者の技量だけではありません。むしろ、以下のような点も同じくらい重要視されているハズです:

  1. 安心感・信頼感

  2. 説明のわかりやすさ

  3. 費用、お手軽さ

  4. 成長を(早々に)感じられるか

オンラインでは悪く言えば有象無象が跋扈するため、だからこそこれらの点で自分の強みを活かすことが、ピンホールマーケティングの鍵となります。

4. 私の場合の戦略

①安心感・信頼感、説明のわかりやすさ

私の場合、YouTubeで500回以上の配信を行ってきました。これは、詩吟の学び方や練習方法を500回以上言語化してきたということで、「わかりやすさ」の信頼につながります。この実績は、チャンネル登録者数(執筆時点で約2300人)にも反映されています。

②費用、お手軽さ

また、YouTubeですから、いつでもどこでも無料で学べるため、詩吟を学びたい人の最初の一歩としては十分優秀です。

さらにしっかり学びたい方は、YouTubeのメンバーシップ制度を使った「YouTube詩吟教室」を月額990円で運営しているので、そこで学ぶことができます。

YouTube詩吟教室の案内画像

リアルな詩吟教室の相場は3000~7000円/月なので、十分に安いかと思います。また、音声データのやりとりなので、時間に縛られません。アドバイスした内容は動画に視覚的に整理してストックされるので、他のメンバーもあとから見返すことができます。

このメンバーシップ限定の動画は、執筆時点で95本まで増えました😊

③成長を(早々に)感じられるか

もちろん「対面式じゃないとよく分からない、成長が遅い気がする」という方もいるでしょう。そこは私の弱点でもあります。

とはいえ「わかりやすさ」を重視しているので、他のリアルな詩吟教室での偉い先生による「わかりにくい説明」よりは、遠回りすることなく核心をどんどん学べるようになっています(僕自身、遠回りして苦労した経験があったので)。また、YouTubeなので、理解できなかったことは何度も見返すこともできます。

◆事業を継続できるか

また、この事業を継続できるようにするためにも、このスタイルを取っています。私自身、本業と育児と並行して詩吟活動を行っているので、すきま時間でしか動けないのです。リアルな話をすると

  • 通勤時の途中で車内で音声収録、生徒へのアドバイス収録

  • 帰宅後、娘が寝静まった後に音声をYouTubeに編集

という、スタイルで3年以上なんとか継続できています。

5. 優秀な個人吟詠家が自立できる道筋作り

さらに視点を進めると、僕は自分の活動を通して「優秀な個人吟詠家が、詩吟で自立できる道筋」を作りたいと思っています。

詩吟業界には、僕なんかより上手い人が山ほどいます。でも、そのような人達が、詩吟で自立できている話を聞いたことがありません。むしろ、優秀になるほど組織にがんじがらめになって、身動きが取れにくくなっている話ばかり耳にします。

だから、僕のような個人吟詠家の活動が一つのモデルケースとなれば、僕よりもっと優秀な人も安心して自立できるようになり、「何となく詩吟に興味ある」という既存の市場よりもっと多くの人たちに対してアプローチできるようになり、結果として詩吟業界の発展につながると思うのです。

そのためにも、僕は今後も属人性をさらに磨いて、個人吟詠家が戦えるスタイルを確立していくことが大切だと思っています。


ということで、今回はピンホールマーケティングの考え方を詩吟に適用して考えを整理してみました。

話のもととなったのは、木下斉さんのVoicyです。
9月より「ジブン株式会社ビジネススクール」が開校され、その講座内容がこのnoteの起点になっています。

詩吟をビジネスとして成長させるべく、引き続きがんばります!!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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