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#23 「魔改造はなぜ成功するのか」×「スポーツ指導」

今回は、倉野信次氏の著書「魔改造はなぜ成功するのか」から、スポーツ指導について考えてみたいと思います。


倉野氏は、プロ野球選手(投手)を経験され、現在はソフトバンクホークスファーム投手統括コーチを務められています。

ソフトバンクホークスの千賀選手などをコーチングされたことで手腕を高く評価されている方です。

と言っても、私も少年野球しか経験はありません。苦笑
ですので、野球の技術的な話は抜きにして、一般的なジュニア選手の指導について考えてみたいと思います。

選手が育つ環境を与えること


倉野氏は、ソフトバンクホークスの3軍立ち上げから関わられておられます。

3軍のコーチとして目指されたことは、「選手が育つ環境を与えること」だったそうです。

これは練習メニューだけでなく、雰囲気作りやアプローチ方法なども含めた全人的な関わりと言えます。

私自身、スポーツ選手に関わることが多いでが、どうしても部分的にしか関与できていないことが多いです。
この言葉を聞いて、本人の気持ちやその場にあった声かけなど、もっと考えるべき点は多いと反省しました。

ジュニア選手には、そんな深いことを考えなくても良い、という意見もあるかもしれませんが、選手も指導者の「心遣い」は必ず感じ取ると思います。


また「努力することが当然」という雰囲気作りも重要であると述べられています。

どれだけ能力が高くても、努力を積み重ねることが出来なければ、結果を維持することはできません。これはスポーツだけとは限りませんが。。



どんな年代でも、真摯に向き合うことの大切さが重要であると痛感しました。



試合に出続ける体力をつける


3軍では人数も少ない上にダブルヘッダー(1日に2試合)など、試合環境が恵まれていません。
だからこそ、ひとり欠けても困ります。

ですので、怪我をせず試合に出続ける体力や回復方法の確立などが重要になってきます。


倉野氏自身も大学入学時に極度の体力不足だったそうですが、「練習のため」の体力づくりをしっかりと行ったことで、その後ドラフト指名を獲得できたと述べられています。

これはジュニア選手にも当てはまるのではないでしょうか。

十分練習についていくことの出来ない選手を、そのまま練習に入れ続けると、きっと怪我をするでしょう。また気持ちも折れてしまう事も考えられます。

そうならないために、まず、しっかり体力をつけることが必要です。

これは昔のような根性練習を推奨しているのではなく、しっかり選手の力量を見極め、過負荷にならないように体力づくりを行う必要と言うことです。


その一方で、科学的な視点を持ちながらも、すべて効率的に行うのではなく、時には「量」が必要であるとも述べられています。

「量」をこなす中で、より効率的な動きや経済的な思考過程を生み出すことが出来ることなどのメリットも大きいのだと考えられます。


何はともあれ、いま一度、選手が十分に練習についていくことが出来るか見てはどうでしょうか。



ちなみに、個人的には、学習に関しても同様の考え方を持っています。

学ぶためには、まず「学習を続ける体力」が必要だと思います。
その確立のうえで、様々な学習方法を試していけば良いのではないでしょうか。



選手の育成の方向性を一本化する


倉野氏は、1軍から3軍までの指導内容の統一を任されたそうです(ちなみに、その指示は工藤公康監督から!)。

これもジュニア指導でありがちですが、各コーチによって言うことがバラバラと言うことがありますよね。
何なら、全く逆の指示を出されたことがある!という方もおられるのではないでしょうか。苦笑

どのコーチからでも指導内容がブレないということは、選手自身も自信を持ってプレーできると思います。

この点に関しては、指導者側がしっかりと連携をとることで解決できると思います!



また、努力の質を高めることにも言及されています。

同じ練習をするにしても、取り組み方によって大きく差が出ます。

出来るだけ効率的に上達するためには、目的意識を持つことが大事だと述べられています。

また「反省ノート」などを用い、しっかり自分自身の言葉で振り返りを行うことが重要であるとも述べられています。


どうしても、ただ単に前回と同じ練習になったり、無目的な練習となったりしないよう注意が必要ですね。


今回、ジュニア選手の指導に当たり、一冊の本から考えてみました。

正直、自分自身も参考になる話が多かったです。

何か皆さまの参考になれば幸いです!

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