マガジンのカバー画像

ベルンシュタインから考える

15
ロシアの運動生理学者・ベルンシュタインの考えをまとめています。
運営しているクリエイター

#運動の自由度

#10 ベルンシュタインから考える④『動作の起源について』その2

#10 ベルンシュタインから考える④『動作の起源について』その2

前回は、生命の誕生から原始的な知能が発達するまでの話でした。

今回は、その後の話です。

横紋筋の発達
原始的な知能の発育に続く大きな進歩として、横紋筋の出現が挙げられます!

横紋筋は、それまで古い筋細胞である平滑筋とは大きく異なる特徴を持っていました。

横紋筋は、ハエや蚊などの羽根が毎秒数百回も羽ばたくように、生命に力強い素早いエンジンを与えました。

これにより、のそのそと動くことしかで

もっとみる
#8 ベルンシュタインから考える②『運動制御について』

#8 ベルンシュタインから考える②『運動制御について』

今回は、

運動の組織化はなぜこんなにも複雑なのか?

この問いからスタートします。

ベルンシュタインは、この問いに3つの答えを挙げています。

1. 運動器

人間は極めて細かな動きをします。

特に、人間は他の動物と比べ、肘より先が有利とされます。
具体的には、前腕回内外(肘を固定したまま、手のひらを上下に向ける動作)や対立動作(親指と小指をくっつける動作)が出来るのは人間とサルだけです。

もっとみる