人を助けて仕事を作る

京都の大学で社会福祉を学ぶ大学3年生が、ゼミの先生から僕の2冊目の単著『人を助けて仕事を作る 社会起業家の教科書』を勧められて読んだら人生が変わったらしく、ネットで公式サイトを見つけてメールをくれた。

『人を助けて仕事を作る』は東日本大震災をきっかけに書いた本だった。自然災害は、その副産物として、多くの非営利組織や社会事業を生み出す。その組織や事業が少しでもよりよくあるように、当時の自分には力不足であることを承知で、約10年間のNPO運営(ボランティア団体だった時代から社会起業後まで)で得た気付きや思考の遍歴をまとめた。

毎週末、金曜日の夕方から日曜日の夕方まで仮眠を挟んで文字通りフラフラになりながら書き続けた本だったけれど、内容はやっぱり力不足だったと思う。それでも社会福祉を志すゼミ生に紹介してくれる先生がいたり、それで人生が変わったとメールをくれる読者に出会えることは、かけがえのない人生の喜びの1つだと言って差し支えないと思う。

メールの主とは、少し先だけれど、夏休みに東京で会うことになった。僕自身も遠くまで人に会いに行ったことが人生に何度かあって、1つ1つが忘れられない人生のターニングポイントになっている。今度は迎える側だ。この夏、僕は未来の社会起業家と何かを分かち合えるだろうか。僕にとっての「あの人たち」のように。

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