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【耳読note】『スモールワールズ』一穂ミチ

特に決めているわけではないが、自身で選んでいる本は、kindle unlimitedからは自己啓発ものが多く、Audibleからは小説が多い。

今回のAudibleからの耳読も短編集の小説を選んだ。

これまた決めているわけではないけれど、Audibleからは本屋さんで働く人が投票する「本屋大賞」の本が多い。

(あらすじ)
2022年本屋大賞受賞作品
6つの物語の短編集

1.「ネオンテトラ」
冷めた夫婦生活をしている女性がある男子中学生との出会いからの物語。

2.「魔王の帰還」
身体も声も大きい怖いお姉ちゃんが帰ってきた。
お姉ちゃんが帰ってきたのは…の物語。

3.「ピクニック」
赤ちゃんの母親の母(おばあちゃん)が子守中に赤ちゃんが死んだ。
おばあちゃんが幼児虐待で訴えられた物語。

4.「花うた」
被害者の遺族と加害者との文通の物語。

5.「愛を適量」
別れた妻との娘が突然あらわれ2人で過ごす父娘の生活の物語。

6.「式日」
後輩の父親の葬儀から、後輩との関係をめぐる物語。

(感想・ネタバレ)
一穂ミチさんの作品は、これまた本屋大賞2023年3位を受賞した『光のとこにいてね』を以前に耳読した。

『光のとこにいてね』は二人の女性が主人公。育った生活環境は違うけど、唯一母親が毒親であることが共通している。幼少期から知り合い、大人の女性として互いに惹かれあっていく物語。読み終わって何か清々しさを感じ、二人の未来も感じた作品だった。

これが、一穂ミチさんの作品との出会い。

今回の『スモールワールズ』も、それぞれの話は短編なので短いのだが、それぞれの物語に、えっと思わせる展開があり聴き入った。

特にスキだったのは、『ピクニック』
母親のお母さんが幼児虐待で訴えられるなんてありえない…。
これはもうサスペンスだ。
話の結末まで目が離せない…。いや、耳が離せない。

それと『花うた』
最愛の兄を殺され加害者を許せるわけがない。
被害者の遺族にも加害者にも心の葛藤と動揺がある。
こころの動きが伝わってくる。
そして最後の締めくくりに何か心の落ち着きを感じた。

一穂ミチさんの作品を他にも読んでみたいと思う。

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