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講演会レポート あいち国際芸術祭荒川 修作+マドリン・ギンズ VR作品《問われているプロセス/天命反転の橋―2022 VR版》公開プレイベント

荒川氏、絵画作品など二次元作品では新しい視点を提供することには限りがあると言うことで、三次元作品を制作開始。パートナーのギンズ氏と「not to die」をテーマに、建築物を企画設計。通常生活では感じられない感覚、イメージを提供するべく天命反転シリーズを発表。最終的には老若男女が集う天命反転都市計画もしていたとのこと。

今回は、「天命反転の橋」という10分の1スケールの模型作品をVRに落とし込み、実際の橋を渡る感覚を味わってみようというもの。

「この橋を往復することで、人生が変わるくらい感覚が変わる」と設計した荒川氏は語っていたようだ。

VR作品なのに、体験は屋外。しかも実際に体験者が50メートル歩くというのは、かなり画期的な試みだという。

VRを手掛けたオルタナティブマシンのスタッフは「実際に体験してみた時、現実世界が偽物なのではないかと思うような不思議な感覚だった」と。

・・・VR体験の予約は残念ながらできなかったので、、デモの映像を。

一番面白かったのは、VRの映像だけでなく、どのような音を提供するかという部分。
荒川氏がどのような音楽が好きだったかを調べるところから始まり、橋の区画ごとのマテリアルによって響く音が違うことや、どのようなソフトを開発したかとか、バイノーラルについてや、実際はイヤホンやヘッドホンをするのではなく、スピーカーを設置することにし、屋外ならではの音さえも作品の一部となるように馴染むようにしたという。

また建築などの環境面の変化だけでなく、VRによって、より新しいイメージや感覚を引き出すことができる可能性についても面白かった。映像は真っ直ぐなのに実際は坂道を歩くとか、映像と実際に体感するもののギャップなどにより感覚を崩す経験ができるのではないかと。

荒川氏が生きてたら色々試すんじゃないかな、とモデレーターも語った。
なかなか興味深いお話だった。

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