2020年8月29日

松陰神社駅前の裏の踏切を渡ってすぐのゴンアーブルに昼食を取りに来た。少しだけ早く着きすぎたけれど周りをうろうろしているうちに店が開いた。前菜とメイン料理にパンとコーヒーか紅茶が付くコースでパテと若鶏のコンフィを頼む。もう一軒駅近のプレ・ド・ショウインにも寄った。店主はリヨンとサッカーに縁がある人らしい。ここではカフェ・クレームを注文しバゲットサンドを食べる。

飯田橋に用事があるので都心方面へ出るのに便利な三軒茶屋に向かう。世田谷線の方が込み合っていて地下鉄の方が空いている。ここのところ移動中や食前食後には岩波文庫版のシラノを読んでいるのだが、欧明社でついにfolio から出ているシラノ・ド・ベルジュラック原語版を500円ちょっとで入手した。ついでにフランス社会党のオランド元大統領が出した『Leur Republique』というイラスト入りガイドブックを見つけたので買ってみた。日本の政治家や政党もこういう本を出してまず公民学習に貢献したらいいのにと思う。

この本についてもう少し言うと、2012年から2017年にかけてフランスの大統領を務めた社会党のフランソワ・オランド氏が今年青少年向けイラスト入り解説書シリーズGlenat jeunesseから出した『Leur Republique』は、政治家が若い世代の国民に対して、国や社会の成り立ち、原則、仕組み、ルールや大事なテーマについて伝え、自分自身や自分の所属する正当や政治的立場(オランド氏の場合は左派)の特徴や意義、強み、理念、目的、基本政策、重点項目を伝える取り組みとして優れたものだと思う。

政治家や政党にはさまざまな主義主張や沿革があるものだが、まず基本的なところまで立ち返って共有しよう、自分なりに公民教育(公民権教育)に資するような発信をしていこうという姿勢がなければ、政党や政治家への無関心、諦め、呆れ、忌避感は変わらないかもしれない。

『Leur Republique』は直訳すると『彼ら(彼女たち)の共和国』になりそうだが、日本語に移すなら『わたしたちの国』や『みんなの共和国』の方がしっくり来るだろう。

さて今年6月にフランスで行われた地方選挙では、環境派の躍進と左派(社会党)の盛り返しがあり、2017年の選挙で大勝しマクロン現大統領を輩出した新興中道政党、伝統的な右派政党、それに極右と極左はいずれも振るわなかったという。安倍後に政権交代を目指そうとしている方々も、『Leur Republique』のように社会全体の学びに貢献する立場での普及や広報を地道に続けていったらどうか。もっともリベラルや左派の価値観や旗印を掲げその意義や役割を伝えることを嫌がり、こぞって保守や中道であることをアピールしたがる人たちにはむずかしいかもしれないが。(日本の環境政党の場合はもはや環境政党と呼べるのか怪しいのが困ったものだがそれはまた別の話)

さて飯田橋駅に戻る途中で青森県のアンテナショップに寄った私はリンゴジュースを各種合計15本も買ってしまったので、以降の予定はすべて明日に持ち越しになった。帰路で喉が渇いて飲んでしまった1本を差し引いても当分ジュースを買いに行く手間は省けるだろう。

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