所得と生活(第1弾)

低所得層の4割、健康診断未受診 変わらぬ「健康格差」01/14 17:55
https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/amp/article/383058?__twitter_impression=true

■中間層は細っているのか?
内閣府の白書『日本経済2018-2019』を見ると、第二次安倍政権(2013年以降)では給与所得でみた中間層は拡大している。しかし、世帯の可処分所得は1998年からの2000年代(この時期も自民党政権である)の大きな落ち込みから回復していない。
勤労者の一人世帯と高齢世帯の可処分所得は第二次安倍政権になってからも減っている。
39歳以下と65歳以上の勤労者を世帯主とする二人以上の世帯では、民主党政権時代から第二次安倍政権時代にかけて可処分所得が下げ止まり、わずかに増加している。ただしこの時期の物価上昇を考慮すると、実質的な所得が増えたとは言いにくい。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2018/0125nk/n18_2_1.html

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一方、不破雷蔵氏(ジャーナブロガー、検証・解説者。ニュースサイト「ガベージニュース」管理人)が厚生労働省の『国民生活基礎調査』をもとに世帯所得の中央値と平均値の推移をグラフ化したところによると、世帯人員一人あたり、仕事に就いている人一人あたりの世帯所得中央値と平均所得は1990年代半ばから後半に比べて年間10万円から数十万円ほど低い。
[出典]世帯所得の中央値や世帯人員数の移り変わりをさぐる
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20170930-00076384/
収入を世帯人員で割った数値では急激な落ち込みではないという見方もできるが、この数十年間所得が増えないどころか減っていることは確かで、多くの家庭では経済状況が苦しいと考えられる。

■生活の実態は
厚生労働省の『国民生活基礎調査』の最新版(平成30年度版)によると、生活が苦しいと答えた人の割合は2013年以降常に6割前後を占めている。特に子どものいる世帯では、生活が苦しいと答えた人の割合は全体よりも5%ほど高い。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa18/index.html

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また、同じく『国民生活基礎調査』によると、2017年の一世帯あたりの平均所得金額は552万円(ピーク時の1994年の664万円と比べると112万円の減)だが、62.4%の世帯は平均よりも少ない所得で暮らしている。
さらに、所得の中央値(全体のちょうど真ん中にいる人の数値)は423万円で、平均値(※1)に比べて130万円近く低い。
(※1)平均値は上から下まで全部足して人数で割ったものなので、一部にとても大きい人がいると、平均値もそれに引っ張られて大きくなりやすい。

このことは、平均値は所得が高い人の影響で高めに出ているものの、多くの一般世帯の収入は低めであることを示している。このギャップが経済格差だ。

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ここまで確認してきたデータをまとめると、給与所得額の分布をみると中間層の厚さが復活しつつあるように見えるのだが、家計所得は増えていないどころかなだらかに減少していて、大半の国民にとっては生活が苦しい。この矛盾の解消がこれからの経済政策の大きなテーマの一つになるだろう。

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