ラジぽて縁結び BREW-UP 第26回放送2022.6.3

2022年7月9日 20:38

ICTを利用した街の魅力の発信と地域の活性化をミッションに活動しているNPOカワゴエ・マス・メディアさんとコミュニティFM局ナナコライブリーエフエム（周波数77.5MHz）で番組「ラジぽて縁結び」を一緒につくっています。サブタイトルはBREW-UP、毎月第一、第三金曜日の21:30からの30分番組です。埼玉・狭山出身のマルチタレントの大野ひろみさんと一緒にパーソナリティを務めます。毎回2曲を僕がセレクトし、地域をテーマにお話ししています。2021年5月に「BREW-UP」はスタートしましたので番組も1周年を迎え、2年目に入りました、ありがとうございます。

https://koedo.info/210329nanako/

https://koedo.info/aboutus/

視覚情報のない音声メディアもいいものです。特にラジオは、マスメディアなのに、one to oneなパーソナルな雰囲気があるのが不思議です。

梅の里おごせ山口農園

埼⽟県越⽣町にある梅の⾥おごせ⼭⼝農園から、代表の梅不⼆⼦こと
⼭⼝由美さんと、娘さんの⼩梅こと⼭⼝沙⼸さんをゲストにお招きしお話を伺います。⼭⼝由美さんは、大阪府⽣まれ。幼稚園勤務を経て、埼⽟県越⽣町の梅農家三代⽬と結婚し、義⽗から梅を中⼼とする営農の⼿ほどきを受け、2010 年より現職に。農林⽔産省の「農業⼥⼦プロジェクト」、⼥性農林漁業者とつながる全国ネット「ひめこらぼ」、さいたま農村⼥性アドバイザー、越⽣町梅産地を元気にする協議会などの活動を通じて、各地の⼥性梅農家との交流、情報交換の場をつくられたり、梅の魅⼒を内外に発信されるなどアクティブに活動をされています。ちなみに、山口由美さんが、梅不二子を名乗られている由縁は、ルパン三世のヒロインである峰不二子のファンであることに因んでいます。

越生（おごせ）

関東三大梅林の1つである越生梅林のある越生町。地名はときどき正しく読むのが難しいことがありますが、埼玉県の西部の山岳地帯との境界の町である越生もまさにそんな地名の一つ。語源については諸説があるようですが、平野と山地の接点にあたる越生からは、秩父方面に向かうにも、上州方面に向かうにも尾根や峠を越えなければならない立地です。その土地の性質に由来した『尾根越し（おねごし）』の『尾越し(おごし)』という言葉から変化したという説が有力視されています。民俗学者柳田國男も次のように述べています。

埼玉縣入間郡越生（オゴセ）町、群馬縣利根郡赤城根村生越（オゴセ）などの例は、寧ろ峯越ヲゴシの意味ではあるまいか。（中略）地勢も峰越の方がふさはしいやうに思はれる。

柳田國男『山の神とヲコゼ』

そういう意味でも、今日のゲストは峰を越えていく梅不二子さんであり、繋がります笑

山口農園で栽培されている農産物

梅の里おごせなので、梅のイメージがとても強い山口農園さんですが、実際には6000m2の田んぼもあって、無農薬栽培・天日干しで、お米、彩のきずなも作らています。彩のきずなは埼玉県が開発した品種で、夏の高温に強く、もっちりとした食味が特徴で、まさに暑い埼玉に適した品種。ちょうど収録日のあたりは、籾を浸漬し鳩胸にし籾ふり（お米の種まきのこと）をする準備をしているところでした。

そして梅農園では、果実が梅干しに向いているもの、梅ジュースに向いているもの等、用途に合わせて9品目、330本の梅の木を育てています。そんな不二子さんですが、結婚当初は農業をやらなくてよいとも言われていたこともあり、農業に従事するつもりもなかったそうです。しかし、結婚してそうそうに稲刈りの手伝いに駆り出されることに。旦那さんは公務員なので、不二子さんが義父から農業を継いでいくことになりました。今は農業が大好きと話す不二子さんも、当初は農業が好きではありませんでした。不慣れな作業も辛く、農作業に追われてしまい時間もとれなくなってしまい、本来じっくり臨みたかった子育てとの両立も難しくなってしまったからです。活躍されている農業界の女性達との交流や、お客様からの励ましをきっかけに、前向きに気持ちが変わられていきました。
梅の栽培の難しさは、農業は自然が相手であること。今年も4月2日に遅霜が降りて、3割ほど霜害が発生してしまいました。そして、これからは雹が怖い季節です。この点が一番大変な点です。また、最近頭を悩ませているのは、盗難であると言います。