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#23 Save3.クリア報酬のないクエストVer.2

退院してから2週間が経った。
最初の1週間で、お試しのデイサービス3か所と宅食弁当3か所を試した結果、どちらも一番最初の方がいいということで、いよいよ手続きに入ろうという時になって、こちらの思惑をやはり外してきた義母。
私としては、最低週2日、出来れば週3日はデイサービスに出てほしいと思っていたのだけれど、義母は、お試しで行った先で聞いてきたらしく、大体の人が週2日行っているという意味のないデータもあってか、週2日がいいと言い出していた。
夫は、安全面の観点も含めて、週3日は行ってほしいと、本人曰くとても丁重に説明したようなのだが、義母からすると、息子(夫)から、週3日行けと強制されたような感触を受けたらしく、2日がいいと言った翌日には、やはり3日行くと言い出したようだった。
母子の遣り取りを見聞きしていなかったので、本当のところのニュアンスは分からないのだけれど、夫は言うことがすぐに二転三転する義母にイライラしていたが、私はすかさず、
『お義母さんが3日行くと言っているのなら、その方向で進めたい』旨を伝えた。
もちろん、安全面や義母の身体のこともあって、週3日行ってほしかったのだが、それだけではなく、やはり、懸念していた通り、帰ってきてからの2週間、見ていたけれど、日に日に動く時間は短くなっていき、私がリビングに入ってきても、少しの間気が付かないくらい、ぼぉ~っとしていたりして、この兆候は、入院前に感じた「良くない傾向」を暗示していたからだった。
朝食こそ、キッチンに準備したものを自分でダイニングテーブルまで運んで、後片付けも自分でするようになったが、昼そして夜は、テーブルにセッティングされるのを待って食べ、後片付けはしないことが多くなってきていた。帰ってきたころは、それでも、昼夜は、自分の食べたものをキッチンに持ってくるくらいはしていたのだけれど、それすらやらなくなりつつある。
身体が動く内は、とにかく、本人の意思がどうであれ、外に出る方が絶対にいい。
また、週2日を3日に増やすという方が、3日を2日に減らすより難しいのではないかとも思った。体調不良で行けないこともあるだろうから、おそらく、3日にしていて行けない日はお休みにすることは出来るはず。そういう物理的な論理観点からも、夫に週3日で進めようと提案していたのだが、義母にもその論理を披露したら、さすがにそこは納得できたのか、週3日行くということで、一応の決着はついたようだった。
ケアマネージャーさんにも、事の経緯と状況を説明すると、予想通り、お休みするのは何ら問題ないが、2日を3日に増やすとなると、手続き手順をまた1からやり直さないといけないので、簡単にはいかないとのことだったので、週3日で書類などを作って、その方向で進めましょうと言われた。
一事が万事この調子なので、夫はとにかくよく疲れている。

先日のこと。
お風呂に入りたいが、ここのところ寒くもなってきたので、シャワーじゃ寒いので湯舟に浸かりたいと言い出した。
入浴に関しては、現在、自宅の浴室内を介護仕様にするのは容易なことではないので、週2日ないし3日のデイサービスで入浴をしてもらうことを念頭に置いていた。どうしても入りたい場合は、自宅ではシャワーくらいなら浴びることが可能なので、その方向でやっていこうと、義母にもその旨は以前話はしていた。
ところが、義母は、①施設では浴槽に浸かる事が出来ている、②自分も動けるようになっている、この2点からか、自宅でも浴槽に浸かることが出来ると自己判断したようだった。
私は即座に、自宅のお風呂で浸かるのは無理だと答えていた。
理由を端的に説明した。
自宅の浴室内には、まだ手摺一つ付いていないこと。
浴槽は少し深く、跨いで入って、座って、浸かって、立って、また浴槽を跨いでという動作は、普通に歩くのでさえ、杖片手の生活な人には無理だし、私一人では義母を支えることはできない。また、なにかあった時も同様に、私一人ではどうにもできないので、物理的に無理である。
また、施設で浸かれるのは、施設の浴室は介助介護仕様の設備などが整っているからであること。
かなり端的に話したのだけれど、義母は不服そうにしつつも、「そうか、、、」と言ったけれど、きっと分かってはいないだろうなと思った。
夫にももちろん、すぐに伝えた。夫は、いつものごとく義母の言動に呆れていたが、義母には夫からももう一度、自宅の浴槽には浸かれないことを説いたようだった。
自宅での入浴に関しては、窓をきちんと閉め、シャワーは出しっぱなしで、入る前からシャワーを出しておけば、マンションの浴室なので、十分に暖かい状態でシャワーを浴びることが出来る。
そのことも説明はしたのだけれど、私の説明に、いい顔はしていなかった。
多少動けるようになったとはいえ、杖は手放せない生活をしているし、咄嗟の判断や動作は絶対的に鈍いので、どんなに不服そうにされても、自宅の浴槽で湯に浸かることだけは許可できない。
果たして、義母は、結局、一人の時間の時、お湯を出して、自分で体を拭いたと言い、だからシャワーは浴びないと言われた。
それが本当かどうかは、最早どうでもよい。
そうですか。わかりました。
という以外の感情は持たなかった。

デイケアサービスは、結局、週3日で契約した。
介護用品のレンタルも同日契約した。当初は車いすと歩行器も考えていたけれど、今のところ必要がなかったので、一旦引き取ってもらった。
宅食サービスも、デイケアに行く月水金以外の、火木土でお願いすることにした。
これで何とか回していかなかればならない。
それでも、朝夕食の支度は変わらない。
私の精神的な負担は、依然、あまり変わる印象がない―――。

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