失われて行く清流
この掲載内容は主観ですのでご承知おきください。
先日、地元の河川の中流域に遊びに行った時のこと、川の様相を見て、目が点👀になった。
この本線のA川は、昔から上流域での山崩れが多く、下流域の河原は小石で平坦になっていた。河床が上がり、災害(洪水)が懸念されると、パワーシャベルで掻き出してダンプカーでどこかへ持って行く、そんなことが繰り返されていた。この小石いっぱいで平な河原は自分が幼少期の頃からで、でもいろんな種類の石も見つかったりして楽しんだ覚えもある。上流に行くに従い、小石が減り岩が見えてきて、下流とは様相が変わってくる。そんな様子を見て育ったから、小学校や中学校の理科や地理の勉強で、川の上流から下流への変化の話は大好きだった。
一方、支流のW川は、A川と接続する所がすでに中流の様相を見せていて、小さい石の間には、下から突き出ている大きな岩の頭が、あちこちに見え隠れしていた。
場所によっては淵が出来て、夏には水浴びをして遊べた。今と違いわんぱく坊主が多い時代、川の上流に向かって泳ぎ上る強者小僧が大勢いた。
水は澄んでいて、水中で目を開けることはなかったが、オイカワや鮎が泳いでいるのがよく見えた。そう、この川は鮎の友釣りでも結構人気があったと記憶している。長い釣竿を担いでいる人たちを大勢見かけた覚えがある。
このW川は、多少の雨ではほとんど濁らず、台風で一時濁ったとしても、ほんの数日で、元に戻る川だった。(A川は一度濁ると手に負えない)上流に上ってけば、程なく川幅が狭くなり、より一層水は澄み、渓谷になるところまではあまり行く機会はなかったがとにかく水が綺麗だった印象があった。そんなW川は、自分の自慢する場所の一つだったかもしれない。
昨年の夏、台風が過ぎてそんなに日が経たない頃に、W川の近くを通りかかり、まっ茶色の水を見てとても驚いた。川幅いっぱいに茶色の水がゴーゴーと流れている。こんなW川を見たのは初めてだった。「台風過ぎたばかりはすごいなあ」ってあまり深く考えずにその時は思った。恐ろしいとさえ思えた。でも、どこかで「数日すれば、また綺麗になる」と想像していた。
ところがつい先日、水流の少ない時のW川を見たら、水は茶色のまま、河原には小石や砂利が多くて、中流どころか下流域の様相。先に書いた本線のA川と同じでまっ平ら、これでは魚は育たないし鮎も来ないだろう、餌となる苔が付く石がないのだから。。
悲しい気持ちになった。誰が何がこんなにも川を変えてしまうのか。それが人間が生きて行く上で良い事なのだろうか。って思ってた矢先、W川の上流で土砂崩れのニュース。昔は、蛍がたくさんいる沢だったけど全滅みたい。もう泣けてきそう💦
きっともう、昔のようには戻れないだろう。ザーザーしていた水の流れはサラサラに変わり、ドブンと飛び込めた淵は、ピチャピチャと水遊びの場にかわった。
誰のせいでもないのだろうけれど。50年後には、もっと酷い状況になっているんだろう。
自然からの警告の声、あの茶色の水の音を、無視してはいけないと思うのだが。
うちの子供世代の若い人は、もっと環境変化に敏感になって、声を上げて欲しい。
他人任せではダメだと思うけど、どうして良いのやら。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?