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青野季吉ペンの碑 風景印と記念碑

 新潟県佐渡市にある沢根さわね郵便局の風景印には青野季吉ペンの碑が描かれています。青野季吉は佐渡出身の評論家です。

青野季吉あおの すえきち(1890-1961)

 青野季吉は佐渡中学から早稲田大学に進学し、1922年(大正11年)評論『心霊の滅亡』により評論活動をはじめ、プロレタリア文学運動の代表的理論家でした。

 1938年(昭和13年)左翼系文化人を一斉検挙した「人民戦線事件」の後に転向、戦後は日本ペンクラブの再建に参加し、1950年(昭和25年)に副会長に就任、1951年(昭和26年)には日本文芸家協会会長にも就任しました。

 1810年(文化7年)に儒学者の矢島主計やじまかずえ(1775-1832)によって建てられた私塾である「励風館れいふうかん」の横に、「ペンの碑」が1960年(昭和35年)に建てられ、愛用の万年筆が納められています。

 1979年に芥川賞を受賞した青野聰 あおの そう は青野季吉の子です。

記念碑の地図

 励風館は「城ケ丘じょうがおか公園」の中にあります。この励風館も風景印に描かれています。


碑文

青野季吉ペンの碑

少年の日 わたしはこの美しい入江の岸辺に ぼんやり立つていた 何を待つともなしに
昭和三十五年春 青野季吉

沢根郵便局

 風景印は郵便窓口で郵便物を差し出す時に押してもらえる赤茶色の絵入りの消印です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらうことができます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらって差し出さずに持ち帰る(記念押印)こともできます。

 風景印は1981年(昭和56年)8月8日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。


励風館と青野季吉ペンの碑

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