轟轟《テンペストリンク》:プリンセス

前回担当プレイヤーが大量実装されたため、今回は逆に担当が1人もいないという異常事態となりました。すっかりほのめが入ってくるものと思ったらキャラクターデッキに回されてしまったため、今回いじるのは担当サブテーマのみとなります。まあブレイバーの汎用カードとか出てるので他にもできることはありそうですが。

・おさらい:プリンセスとは?
多分実際にプリンセスと対戦経験のある人、自分で組んでみた人はさほど多くないと思います。note内にも記事が見当たりませんし。まずは既存のデッキのおさらいです。緑白でリーファーとエンジェルの複合テーマであり、他にない特異な点は王冠と名称を持つ専用シフト、そしてそれらを参照するカードがあることです。

メインテーマ1号
後発のメインテーマ2号

王冠自体にETBによるリソース加速効果があり、そのシフト条件も非常に緩いため3ターン目の6リソース到達が安定しています。汎用スタートリソースからフィニッシャーであるアミーラを展開し、リソースを増やしながら連続攻撃するのが主な戦略となります。防御性能も当時としては低くなく、パワーを上昇させる王冠シフトを乗せることでパワー12000以上というワンパン圏外のゼクスをPSに置きやすいという強みがあり、また王冠のパワー上昇は自分のターンではアタッカーのバフに使えるため多少高パワーなゼクスがいても突破が容易なのも特徴と言えます。

自力で殴って退いて展開までするバケモノ
全部2コストにする基軸カード
起動止めながら最大22000で殴れるフィニッシャー

昔はその展開力から今は無きサンダルフォンを大量誘発させてデッキを枯らす戦略が強力でした。サンダルフォンのBAN後も、リソース加速からフェテスという強力なフィニッシャーを使えることが大きな魅力と言えましたが、ユナイトの実装によってリソース加速自体が下火になりこのデッキもユナイトによる逆襲が看過できずにあまり強力なデッキとは言えなくなっていました。
ユナイトがあまり使用されていない現在でも、立ち位置は決して良くありません。12000程度ではグロリアにも他デッキの3色降臨にもワンパンされる世界になりました。そもそも3ターンキルを狙って当然4ターン目はほぼ決着ターンという環境で、3ターン目の初動でリソースを大きく伸ばして4ターン目に走り出すこのデッキの速度は間に合っているとは言い難いものです。新規強化はこの3ターン目初動という不利点を克服できるカードが入るかが焦点となります。

・新カード評価

王の到来

レアリティRRで登場したEXアミーラ。とうとうプリンセスにもZ/X EXが配られました。効果により3枚の王冠を乗せれば実質パワー17000、EXまで乗せれば19000。アーク+3コストを受けきる性能です。グロリア相手でも虎視眈々や夏祭りでワンパンされないサイズは頼もしいですね。8コストというステータスもミステリアによるバウンスを回避できます。それに加えて両ターンで使える2面除去効果、しかも自分のゼクスを対象にとって連続攻撃用の面空けまでできると、攻撃面防御面どちらも強力なカードです。…ここの役割はセシリアになるものと思っていたのですが、まだパニッシャーでないZ/Xカードとしての実装は先になりそうですね。

貴重なサーチカード

ヴォイドブリンガーが実装されました。純粋構築なら1ターン目からアミーラを探しに行けますし、またIGやライフから登場すれば盤面にも干渉できます。一応安定札として期待はできますが、取り立てて必須と言えるカードではなさそうです。どちらかと言えば、相手先手3ターン目に殴られた次ターンにIGから出せるプリンセスが増えたことの方が重要そうです。構造的にセカイイベントが強く使えるデッキなため、シュヴァリエから展開しそのままEXアミーラの降臨に使える3コストが減るというデメリットがあるのが気になります。
変わったところでいえば、手札に入れるのはゼクスならなんでもOKなので、今までゼクステンドライブのような防御札を手札に呼ぶ能力が低かったところを補えるかもしれません。

・新カードによる挙動の変化
以前の3ターン目までの標準挙動を挙げましょう。

1ターン目
3コストのゼクスで手札整理
2ターン目
3コストのゼクスで手札整理、プレイヤーEXをオープン
3ターン目
スタートカード、またはIGで登場したプリンセスに王冠をのせ1加速
スタートリソースでアミーラをプレイ、効果を起動し王冠を乗せ1加速
アーミラの効果を起動、リーゼを出しリーゼで攻撃
リーゼの効果を起動、リソースを2枚増やしながらシュバリエを展開しチャージ確保
シュバリエの起動効果、手札の3コストを展開
登場した3コストとアミーラ、またはスタートカードとアミーラでEXアドナキエルをプレイ
EXアドナキエル効果でアミーラを登場
アミーラの効果で王冠を2枚乗せ2加速

これでリソースを10枚まで増やしながら5面展開。とはいえやはり現代基準ではそこまで強い盤面ではありません。リソースが寝ているため原初アイコンは使えませんし、PSに置けるゼクスがEXアドナキエルだけなため干渉能力はありません。では新規を含めるとどうなるでしょう。

1ターン目
3コストのゼクスで手札整理
2ターン目
3コストのゼクスで手札整理、プレイヤーEXをオープン
3ターン目(最低限1枚のチャージを残す)
スタートカード、またはIGで登場したプリンセスに王冠をのせ1加速
スタートリソースでアミーラをプレイ、効果を起動し王冠を乗せ1加速
アミーラの効果を起動、リーゼを出しリーゼで攻撃
リーゼの効果を起動、リソースを2枚増やしながらシュバリエを展開しチャージ確保
シュバリエの起動効果、手札の3コストを展開
-----------ここから変化-----------
登場した3コストとシュバリエ、またはスタートカードとシュバリエでEXアミーラをプレイ
EXアミーラの効果で3枚の王冠を乗せリソース加速と防御に振る
スタートカードの効果を起動、EXアミーラに追加の王冠を乗せて1加速

リソースを最大8枚増やして13枚、1枚の王冠をパワー上昇に振っても12枚です。展開数こそ4面と減りますがその分プレイヤースクエアに強力なゼクスが居座ります。次のターンの勝利が目指しやすくかつ次のターンをもらえるように防御が固められるようになったといえるでしょう。

・実際のところの立ち位置
まあこれだけ強化があっても少々厳しいというのが本音です。後手になった場合は先手側4ターン目を生き延びる必要があり、リソースが残らないこのデッキで防御を構えるのはなかなか難しそうです。構築の柔軟性がそこまで高いわけではないため、テーマ外カードを取りづらいのも不利な点ですね。起動効果を止められると王冠のパンプ効果も止まるため、良く採用されている防御札と一緒に対策されてしまうのも辛いところ。まあ総じて強化はもらえどファンデッキ、といったところでしょうか。
とはいえまだまだデザイン上の強化余地が多いデッキです。特にシフトの効果は未だ相当抑えめであり、今後の新カードでいくらでもバケそうなポテンシャルを感じます。幸いカード自体は相当安いデッキ、サブデッキとしておひとついかがでしょうか。

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