陸上競技2024トラック&フィールド日本選手簡易展望【女子編】(4/26までの結果を反映)

2024年最初!のnote更新が4月下旬となってしまいました。
今年はパリ五輪の開催年。簡単に展望したいと思います。
なお、タイトルにトラック&フィールドとあるように、競歩、混成競技およびマラソンは対象に含めておりませんのでご了承ください。

女子100m

福島千里選手の日本記録、今年動くことはあるでしょうか。
鶴田玲美選手が出雲陸上で11.44(+1.8)の自己新記録をマークして好調そうに見えます。
日本選手権を制しブダペスト世界選手権代表の君嶋愛梨沙選手や、インターハイを制し出雲陸上で11.46(+1.5)の自己新記録をマークした山形愛羽選手、出雲陸上予選で11.45(+1.5)の自己新記録をマークし決勝を制した三浦愛華選手にも注目です。
兒玉芽生選手は春先順調には見えませんが、復調が盛り上がりには不可欠。
アメリカで調整中と思われる御家瀬緑選手がどう合わせてくるか。
また、中学生ながら中盤まではトップ選手に引けを取らないであろう三好美羽選手が、終盤も勢いを持続できれば面白いことになりそうです。
最後に、4×100mリレーのパリ五輪代表を得られるのかも目が離せません。

女子200m

ブダペスト世界選手権代表の鶴田玲美選手、昨年の日本選手権を制した君嶋愛梨沙選手、出雲陸上を制した青野朱李選手が注目。
兒玉芽生選手も復調なれば勿論この中に含まれます。
台風の目は、怪我の完治という条件つきで高校生の小針陽葉選手でしょうか。

女子400m

昨年の日本選手権を制した久保山晴菜選手は、本日のダイヤモンドリーグ蘇州大会の出場が決定。
格上挑戦ですが、一つでも多くの収穫がありますように。
松本奈菜子選手も久保山選手に負けず劣らずという線でしょうか。
岩田優奈選手が好調そうで、自己新記録などに期待です。

女子800m

混戦という言葉が似合うこの種目。
昨年インターハイを1年生で制した久保凛選手が、金栗記念を優勝したのは記憶に新しいところ。
久保選手にはもちろん怪我なくさらなる成長を期待ですが、塩見綾乃選手や川田朱夏選手など実業団選手の意地(あわよくば自己新記録)も見てみたいです。
昨年の日本選手権優勝の池崎愛里選手や、急成長の渡辺愛選手も見落とすわけにいきません。
西田有里選手など粒ぞろいの印象の、昨年の高校3年生の成長も頭の片隅に置きたいです。

女子1500m

田中希実選手の力が突出していることに異論は出ないでしょう。
金栗記念は2位(優勝はツラカエスタムソニ選手)、兵庫リレーカーニバルは優勝。
海外大会出場も変わらず積極的、ケニア合宿などでスピードを磨いておられます。
アクシデントとチームによる回避判断さえなければ日本選手権優勝の可能性は高く、気は早いですがパリ五輪準決勝での戦いぶりに注目したいと思います。
ブダペスト世界選手権代表の後藤夢選手も昨年の勢いを持続できれば楽しみ、卜部蘭選手も兵庫リレーカーニバルで復調の気配を感じさせました。
ルイジアナ州立大学進学予定の澤田結弥選手は、今年もそうですが長い目で期待ですね。

女子5000m

この種目も田中希実選手に言及しない選択はありません。
ブダペスト世界選手権8位入賞、ダイヤモンドリーグブリュッセル大会で14:29.18の日本新記録などの実績。
日本新記録は2022年までと比較して20秒以上の更新ですから驚かされます。
そしてとにかくタフ。
女子1500mで書いたスピード磨きが夏の大一番で発揮されれば…待ち遠しいです。
他の選手では、ブダペスト世界選手権など国際大会に多く出場した山本有真選手は、今年に経験がどう活かされるかが楽しみです。

女子10000m

ブダペスト世界選手権7位入賞の廣中璃梨佳選手中心なのは疑うべくもありませんが、5/3の日本選手権10000m欠場が発表されました。夏の大一番にその年のピークを上手く合わせる印象ですが、年々怪我の程度が重くなっているように思われるのは気掛かりです。
オレゴン・ブダペスト世界選手権代表の五島莉乃選手、成長度合いに目を見張る小海遥選手、昨年の日本選手権で自己ベストを出した高島由香選手にも注目です。
日本選手権出場選手がもっと増えますようにという思いはあります。
最後に、長距離種目随一のポテンシャルを誇るであろう選手の復活も気を長くして待ちます。

女子3000mSC

昨年の日本選手権を制したのは吉村玲美選手。
パリ五輪は勿論大きな目標でしょうね。
兵庫リレーカーニバルで吉村選手などを制した齋藤みう選手は、今年どこまで記録を伸ばすのか予想できません。
また、山中柚乃選手が復帰すれば、有力となることは間違いありません。

女子100mH

昨年の日本選手権は寺田明日香選手が接戦を制しました。
ブダペスト世界選手権は青木益未選手、田中佑美選手と合わせてフルエントリーでしたが、揃って予選敗退。
今年は大丈夫だと思いたいです。
日本記録保持者の福部真子選手の強化は、今年は功を奏するでしょうか。
昨年の新たな12秒台突入は田中佑美選手、清山ちさと選手、大松由季選手と3名を数え、続く選手が出てもおかしくはない状況です。
林美希選手は高校で敵なし、室内60mHの勢いを持ち込めれば伸びそうですね。
また、高校新記録候補が松田晏奈選手、谷中天架選手、木梨光菜選手と少なくとも3名いるのも興味深いところ。

女子400mH

山本亜美選手の強さは国内では随一でしょう。
昨年はブダペスト世界選手権を初め、多くの国際舞台を踏みました。
特に日本選手権で強さを発揮します。全体的に上げて、日本選手権で55秒台ということになれば面白いですね。
山本選手と同じ高校を卒業し、昨年高校新記録を樹立した瀧野未来選手は靱帯損傷との報。軽症であることを願うや切であります。

女子走高跳

髙橋渚選手は昨年の日本選手権を制するなど安定感抜群、どの試合でも1m80までは跳ぶと思わせるものがあります。
2月の日本選手権室内で1m86、ニュージーランドの大会で1m87の自己新記録をマークしました。
1m90は来年以降と根拠なく思っていますが、よい方向にひっくり返していただくのは歓迎します。
他の選手ですと津田シェリアイ選手が怪我無く試合を積み重ねられれば、1m80台後半の期待も膨らみます。

女子棒高跳

諸田実咲選手が昨年のアジア大会で4m48の日本選手権を樹立。
今年も好調そうで、2月の日本選手権室内で4m35、3月の台湾の大会で4m36の室内日本新記録を樹立。
4m50を超えてくると面白さが増してきます。
インターハイは制したものの、高校記録に届きそうで届かなかった柳川美空選手の更なる飛躍にも期待します。

女子走幅跳

秦澄美鈴選手が昨年のアジア選手権で6m97とパリ五輪の参加標準記録も突破する日本新記録を樹立。
再現は容易でないことは間違いなく、近い記録を重ねることが重要と考えます。
パリ五輪の切符をつかむ可能性は高いですが、ぜひ夏の舞台三度目の正直で決勝進出をと思います。
2番手は高良彩花選手が有力ではあるものの、竹内真弥選手や木村美海選手も脅かす力があり、インターハイを制した恒石望乃選手もひょっとすると、と思わせます。

女子三段跳

森本麻里子選手が14m16の日本新記録を跳んだのは、昨年の日本選手権で特に印象に残る瞬間でした。
昨年ほどの勢いは今のところ見られませんが、海外試合の出場も積極的で、その経験が生きればと思います。
髙島真織子選手は森本選手とともにブダペスト世界選手権代表。
二番手の印象が強いですが、振り切る日がいつになるか楽しみです。
船田茜理選手も日本選手権のメダルは可能性が大きい選手ですね。

女子砲丸投

世界からの距離が大きく、きっかけをつかみたいこの種目。
円盤投と2種目に取り組む郡選手や、尾山和華選手などに期待です。
個人的には奥山琴未選手に今年こそ日本選手権入賞を果たしていただきたいです。

女子円盤投

齋藤真希選手が好調で、兵庫リレーカーニバルでは56m17の大会新記録。60mスローを見てみたいものです。
日本記録保持者の郡菜々佳選手も忘れてはなりません。

女子ハンマー投

マッカーサージョイアイリス選手の日本国籍選択により、熱さを増すこの種目
3月の大会で日本記録を70m51と大台に乗せました。
大器である村上来花選手(なぜダイヤモンドアスリートに選出されなかったのか、未だに不思議に思っています)との切磋琢磨による、レベルのさらなる向上を見てみたいです。

女子やり投

北口榛花選手は昨年のブダペスト世界陸上競技選手権金メダル、ダイヤモンドリーグ年間チャンピオンなど、文字通り輝かしい成績を残し、アスリート・オブ・ザ・イヤーに選出。
パリ五輪内定も決めていますが、気持ちの浮つきは感じられません。
本日のダイヤモンドリーグ蘇州大会が今季初戦。
昨年の初戦となった織田記念で64m50をマークし、ブダペスト世界陸上競技選手権の内定を得ましたが、さすがにそこまでの飛距離を求めるのは酷でしょうか。
欲を出せば限りありませんが、62~63m台を期待。順位は後からついてきます。
シーズン中の順位や期待は欲を出したくなります。金メダル&69m台なんて実現したら言うことなしです。
世界の最前線で勝負する北口選手が目立ちますが、他にも要注目の選手は存在します。
斉藤真理菜選手は日本選手権で北口選手等を制して優勝。ブダペスト世界陸上競技選手権こそ予選敗退でしたが、今年は自己新記録などが見られると期待しています。
ブダペスト世界陸上競技選手権代表の上田百寧選手、佐藤友佳選手、長麻尋選手などがしのぎを削ります。
60m超えが当たり前となると、見る方もさらに力が入ります。


今年はフィールド種目の国内トップ選手の移籍が相次いだ印象です。
成績不振が原因とは考えられず、円満移籍かつサポート拡充であればよいなと思います。
また、くれぐれも怪我の少ない一年であることと、うっかりを含めた規定違反がないことを願います。


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