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私学にとっての3月10日

こんにちは。

今回の記事は私立学校における3月10日の意義についてです。
そう、3月10日とは東大・京大の合格発表日です。

進学実績をアピールポイントの1つとする私学にとって旧帝大、早慶、医学部、最近では海外大学などの合格者数はどれも重要になってきますが、そのなかでも東大・京大の合格者数は大きな意味をもつように感じます。
ここで言う大きな意味とは、東大・京大の合格者数が学校の知名度の向上と受験者数(入学者数)の確保に大きな影響を及ぼすということです。

各私学は毎年学校説明会を開催したり、各種イベントに出張するなどして広報活動をおこなうわけですが、出席する受験者と保護者にとって東大・京大合格者数はその私学を検討する上で非常に分かりやすい指標になります。皆さんも東大・京大合格者○人と聞けば、その私学のおおよその偏差値やレベルが想像できると思います。

自分の経験から言っても、東大・京大の合格者数と翌年の受験者数は相関関係があるように思います。前任校の東大合格者数は毎年一桁でしたが、二桁でた翌年の私学フェアなどのイベントでは他校の先生や参加した保護者から「今年は東大多かったですね」などと声をかけられ、実際その年の受験者数は大幅に増加しました。

上記のよう、進学実績に力を入れる私学にとって東大・京大の合格者数は学校の知名度と受験者数(入学者数)に大きな影響を及ぼす一方、その弊害もあるように思います。それは合格者数が必要以上に強調され、その私学の評価が一面的になることです。

以下はインターエデュの「東大・京大合格者ランキング」(2021)です。このように東大・京大の合格者数は毎年ランキング化され、合格者が増えれば「躍進」「健闘」、減れば「凋落」「停滞」などと評価されます。

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また週刊誌などでも以下のように合格者数のランキングが大きな見出しで誌面を飾り、そこでは部数を稼ぐための企画として合格者数が取り上げられています。

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前述したよう進学実績を評価するポイントは複数あり、東大・京大の合格者数に関しても卒業生徒数(母数)や他大学の合格者数との兼ね合いなども加味し、総合的に比較・検討されるべきですが、(そうしたデータを提示しているサイトもありますが)こうした週刊誌などでは数だけが強調され、結果的に合格者数が多い私学=良い学校、少ない私学=悪い学校といったよう、短絡的で一面的な評価が下されてしまう可能性があります。

私学である以上、知名度の向上と受験生(入学者)の確保は学校経営のためには必要不可欠であり、各種サイトや週刊誌等が東大・京大をはじめとする進学実績を取り上げられることは悪いことではないと思います。受験生・保護者にとっては受験校を検討する上で参考にもなるでしょう。ですが、その取り上げ方、切り取り方に関してはもう改善の余地があるのでは、と思いながら毎年3月10日を迎えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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