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定時15時!!!日本一定時が早い私学

こんにちは。
今回の記事は日本一定時が早い私学についてです。

公立と私立では労働時間(就業時間)に関する取扱いが異なっているにもかかわらず、公立の基準に合わせて運営している私学がほとんどです。そんな中、非常に興味深い私学を見つけました。東京都の早稲田中学校・高等学校です。

以下は早稲田中高の教員募集要項です。就業時間をご覧ください。

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就業時間 8:00~15:00(平日)!!!


これまでたくさんの募集要項を見てきましたが、定時15時はさすがに見たことがありません。おそらく日本で一番定時が早い学校ではないでしょうか。15時で帰ることは可能なのか?クラブは?などの疑問が湧いてきたので、今回は日本一定時が早い(であろう)早稲田中高の就業時間について考察していきたいと思います。

土曜の就業時間は8:00~12:30の4時間30分(休憩なし)のため、1週間の労働時間は34時間30分(休憩時間除く)となりますが、週1日の研究日があるため、学校行事等で出勤することがなければ実質週28時間30分になります。公立の場合、一般的に1日7時間45分、週38時間45分のため(公立学校職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例第3条)、週当たり約10時間もの差が生じることになります。

教職員の労働時間は学校法人が定める就業規則によって規律されますが、現行法に対応しているだけでなく、就業規則上の始業時間・終業時間の規定が実務と適合している必要もあります。つまり、早稲田中高の場合、終業時間の15時に実務上退勤できるかどうかが問題になってきます。

そこで、実際に15時退勤(定時退勤)が可能かどうかを早稲田中高のHPなどを参考に考察していきます。HPの「1日の流れ」をみてみると6時間目が14:00~14:50となっています。そして、6時間目のあとは学年によって朝のSHRを補うための「終礼」があるようです。そのため終礼がなければ15時に退勤することは理論上可能と言えます。

ただ、放課後は15:20~17:30までクラブ活動のため、顧問として部活動の指導がある場合、15時退勤は難しくなります。とは言え、HPをみるとどのクラブも活動は週4日以内と定められており、多くのクラブが自主活動を原則としています。

例えば、サッカー部では各部員に係が割り振られ、部員全員によるクラブの運営がおこなわれており、テニス部では上級生が中学1年生の指導をしているようです。また、バドミントン部のページには「本校バドミントン部OB(卒業生)の一部については、コーチ登録を経て現役部員の指導に当たることも可能になっています。」という記載があり、OBによる指導がおこなわれているクラブもあるようです。

他にも口コミサイトではこんなコメントも見られました。

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コメントの真偽は分かりませんし、クラブにもよるとは思いますが、クラブがあっても比較的帰りやすい環境にあるのではないでしょうか。

個人的には15時に帰れるのかということより、15時以降の労働時間の扱いの方が気になりました。労働基準法で禁止されている労働時間は、1日8時間・週40時間以上(これを超える場合は36協定を締結する必要がある)なので、15時を超えたとしても直ちに残業代が発生するわけではなく、多くの私学がそうしているよう、あらかじめ一定額の残業代(調整給)が給料に含まれていると考えられます。ただ、固定残業代が何時間分の残業を含んでいるのかといった細かい就業(給与)規則や8~15時という就業時間がどこまで機能・浸透しているのか、といったとこまでは内部の人間でないので分かりません。

学校における働き方改革の議論が進む中、学校法人が就業規則を規定する私学においては、労使が協力し、働き方改革へと繋がるような就業規則を構築していく必要があります。就業時間に関しても、ただ短ければよいというわけではありませんが、今回取り上げた早稲田中高の就業時間はこうした問題を考えるうえで興味深い事例といえるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。









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