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【日記】ゲーセンでコミュニティを築いた話

最近、高校生の頃にホームにしてたゲーセンが廃業した。
ホームにしてたゲーセンって言うのは、まあしょっちゅう通ってたゲームセンターってことなんだけど、これがなくなるっていうのが自分にとって思った以上に寂しいことだと気づいた。

ここ15年くらいでじわじわとゲーセンの需要が減っていった。
ビデオゲームは家庭用でラグなく遊べるようになってきて、タイトルによってはゲーセンより家庭用のほうが先に配信されることも増えてきた。
プリクラもスマホの無料アプリで十分盛れるし、気軽に撮れる。
メダルゲームはもうスマホゲームに勝てない。
ゲーセンが廃れていくのは仕方がないことだ。

自分はゲーセンが大好きで、好きが高じて6年くらいアルバイトをしてたこともある。
そのとき社員の道も提示されたけど、廃れることがわかっている業種に希望を感じなくて辞めてしまった。

そんな感じで、ゲーセンという場所に半ば諦めのような感情を抱いていたわけだけど、いざ通ってたゲーセンが潰れるとなると、急に感慨深くなってしまい、文章に起こしたいなと思ってしまった。

ゲーセンで広がったコミュニティ

今回潰れてしまったゲーセンこそが、初めてコミュニティを感じた場所だった。
そこは元々、放課後に友人と行ってたゲーセンで、週3くらいのペースで通っていた。
何度も足を運んでると「なんか、この人いつもいるな」って人が何人か目につくようになってきた。
その「よく見る人たち」は年齢も性別もバラバラなんだけど、よく休憩スペースで談笑したりしてて、なんか楽しそうに見えた。一体どういう集まりなんだろう?と興味を持った。

そのうち自分はただの怠惰で高校を辞め、ゲーセンの近くでバイトを始めた。バイトが終わればゲーセンに寄って帰る、ゲームのための生活。
多分見る人から見たらクズオブクズなんだけど、それまで制限されてた時間やお金の制約が一気になくなりゲームにすべてを投下できるようになった自分は、その環境をとにかく満喫してた。

ただ、学校を辞めたことで高校の友人とは少し疎遠になってしまう。
(自分が週6で通ってて、友人は変わらず週3で通ってるって感じだったので、疎遠っていうと違うかもしれないけど)
まあとにかく毎日でもゲームの話がしたかった自分はゲーセンで友達を作ろうと考えた。

もちろん例の「よく見る人たち」の輪に入りたいな、と最初に思い付いた。
でも、いきなり「どうも!よく会いますね!!」なんて話しかけるほど鉄の心臓は持ってなかったし、今みたいにTwitterもなければmixiすらない時代。
どうしたらいいんだろ??と考えた結果、当時全盛だった個人ブログを切り口にすることにした。
特定のゲーム名と地域名、ゲーセンの名前とかで検索して「よく見る人たち」の誰かのブログにたどり着いた。当時は仲いい友達とは相互リンクが主流だったので、何となく趣味が合いそうな女の子のブログに、あたかも偶然辿り着いたかのような体でコメントした。「絵上手いですね!僕もそのゲーセンよく通ってるんです。よかったら今度一緒にゲームしましょう!」とかそんな感じだったと思う。(ユリ×ポエのイラストが可愛かった)
今考えると結構ヤバイやつかもしれない。
あとで聞いたら実際警戒されていたけど、何だかんだでコメントした翌週くらいには実際に会うことになって、仲良くなれた。

そっからはその人がみんなに紹介してくれて、そのグループではまだ若かった自分はとても可愛がってもらえた。ゲーセンに行けば誰か知り合いがいる状態になった。
常連みんなが友達で、カラオケ行ったりご飯行ったり、コミュニティでひたすら遊んでた。ゲーセンに通う人は高確率で家庭環境に問題があったので、悩み相談を受けたりもした。
名前も連絡先も知らない人がほとんどだったけど、むしろそれが丁度いい距離感だった。あと最初にブログにコメントした女の子は彼女になった。
そんな感じでめちゃくちゃ謳歌していた。

でも結局そのコミュニティは2年くらいで雲散霧消した。
2年も経つとゲームに飽きる人もいるし、進学したり就職したりで環境変わって通うのが難しくなったりする。

実際自分もゲームに飽きて、バイト先も変わっていたので通わなくなっていた。多分みんなそんな感じ。大多数が特に理由もなく、何となく行かなくなって、自然消滅した。

あれから16年。
名前も連絡先も知らないので今誰がどこで何してるのか、全然知らない。
稀にそのゲーセンに足を運んだときは、誰かに会わないかな?と思ったりもした。当たり前だけど、誰にも会わない。
そんなときはゲームをして、休憩スペースに座ったりして、当時を懐かしんだ。

でも寂しいことに、先日そのゲーセンは潰れてしまった。
それで、ああ…いろいろあったなあ…と思って文章にしてしまいたくなったのです。
こんな素晴らしい機会を与えてくれたゲーセンには感謝の思いしかない。
本当にクソお世話になりました…

その後

このゲーセンコミュニティに属して、コミュニティはいつか終わることを学んだ。

最初のコミュニティが終焉を迎えた後、また別のゲーセンでコミュニティを作ったり、今はアナログに身を移してボードゲームや人狼ゲームのコミュニティに属したりしている。

そして、このコミュニティもいつか終わるのだと考える。

「終わる」というと少々突き放した言い方になってしまうので補足しておくと、ボードゲームや人狼自体はずっと続くコンテンツだと思うし、コミュニティ自体は残り続けると思う。
だけどきっと、10年もすれば中身は随分と入れ替わってるだろうし、消息がわからない人もそれなりに増えると思う。寂しいけど悪いことじゃない。
むしろ、たまたま噛み合っているから繋がりがあるだけで、今のほうが奇跡的だとも思う。

今属しているコミュニティに対して「終わって欲しくない」とも思いながら「終わってしまってもまた次のコミュニティが現れる」とも思う。
流れには逆らわないけど、執着がないわけでもない。

感謝しつつ、とにかく今を楽しみたい。

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