夫婦別姓に反対する自民党議員たちの本当の目的
2020年8月19日
#夫婦別姓
自民党議員が夫婦別姓に反対する言い訳としてよく使うのが「家族の絆が壊れる」と言うものですが、それはまやかしであり、本当の理由は別のところにあります。
今ある夫婦同姓を定めた家父長制は、日本を全体主義によってまとめ、統治しやすくするために、明治政府が明治31年に導入したものです。その基本的な思想は「個人は天皇と国を頂点とするピラミッドのような階層化された組織の一員であり、組織に忠誠を誓い、組織に貢献し、組織のルールや価値観に従うことが、個人に果たせられた義務である」というものです。家はピラミッドの底辺の1番小さな組織なのです。
この全体主義の思想が「個人は組織のために存在しているのではなく、普遍的恒久的な自由と人権を持つ個人そのものとして尊重される存在である」とする、民主主義の理念と真正面から衝突するものであることは言うまでもありません。
現代日本の統治機構、法律を含めた社会システムは、民主主義の理念によって構築されています。しかし日本のあらゆる組織において、終戦以前の古い全体主義の色あいを強く残しています。その理由は、民主主義は多くの人間の合意を必要とするのに対し、全体主義はその必要がないので、権力者が組織と組織の人間をコントロールするのに大変都合がよいからです。 国政の自民党議員たちは日本政府という行政機関の構成員でもあり、この国の最大の権力者集団です。政府に対する批判を封じ込め、自分たちの意のままに国と国民をコントロールするには、現在の全体主義的な社会システムは大変都合がよいのです。 自民党議員たちが夫婦別姓に反対する本当の目的は、夫婦同姓の家父長制を守り、この国の全体主義的な社会システムを維持するためなのです。