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わかりづらい場所にお店を出すということ

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せこさんの店は二階にあって、
店の扉はいつも閉まっている。

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うちの店は一階だけどちょっと奥まったところにあるから店の扉はいつも開けている。

わかりづらいところに出店したという共通点。
同じビルのCLOTH&CLOTHINGのオーナーであるせこさんに真意をきいてみた。

ディズニーランドは、周りの景色が見えないようにできている。夢の国なのに、関係ないお店の看板やらなんやら色々見えてしまうと急に現実に引き戻されてしまうから。そんな空間をつくりたいと。

私は学生の頃、ディズニーランドでアルバイトをしていたから、ディズニーの運営側がそのことに関して命をかけていることをよーくしっている。
だからディズニーランドを例にだして話すせこさんにお店や来店してくれる人たちにに対する真剣さをひしひしと感じた。

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お店の扉を開けてると、色んな雑音が一気に入り込んでくる。外感がダイレクトに押し寄せる。
せっかく来てもらったからには、丁寧に相手と話したい、話すことに集中したい。だから扉を閉めて、スペシャルな空間を作りたいと。

アプローチの仕方は真逆だけど
やりたいことは一緒だ。

私たち自身が、
ちょっと奥まったところにある、
だからこそ店主とゆっくり会話ができる店
が好きだから私たちもそんな店にしたかった。
少し奥まった場所に店を構えることで、興味がある人にしか店を認識できないようにしていたんだと後から気づいた。外と内が共存する、どこからどこまでが店なのかわからない感じにしたくて、私たちはいつも扉を開けている。

共通点は、ゆっくり見てもらって、
話をすることで楽しい時間も含めてお買い物をして欲しいということ。

洋服を選ぶって、とても贅沢で豊かな時間だと思うから。

自分が本当はどうしたいのかをわかってる人間は少ない。普段は健在意識の中で生きてるのを
潜在意識まで潜り込んでいくには
誰かと話をすることが手っ取り早い。
相手の(私たちの)言うことを鵜呑みにする必要はなくて、対話をすることで

それは好き それは嫌

という感情が見えてくる。
こんな服着たらどう思われるだろうとか
こんなのどこに着ていくんだろうとか
そういう表面的な誰かの意見じゃなくて、
「私は」これが好きで着ている という感覚。

うちの店に来たからには、
その人が素の自分に還る時間になればいいと思っている。きっとそうやって選んだ服や雑貨たちは、ただのモノではなくその人の財産になるから。

せこさんとは、
同じビルに同時期に店を出した同士、
きっとこれから何年もずっと
お店をオープンさせたとたんにコロナが起きて大変だったよねーとか言いながら一緒に歩んでいける仲間。
そんな仲間が近くにいることは本当に幸せだ。

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↑カメラを向けると恥ずかしがるせこさん

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