パラダイス・クリエイト(3)

3. エネルギー

(1)原子力発電の問題点

経済問題と密接に関係しているのがエネルギー問題です。経済問題は富の配分問題だと指摘させていただきましたが、この富のメインは食料とエネルギーです。食料とエネルギーを支配すれば、世界を支配できるとよく言われますが、人間の生活が食料とエネルギーに依存していることを考えると、あながち極論ではないと思います。

エネルギー問題を検証するためには、まず原子力発電の問題に関して話をしなければなりません。現在、原子力発電は廃棄燃料の処理などの問題がありながらも、主要エネルギー源のひとつとして、推進されています。そして、原発推進派と呼ばれる人たちと、原発反対派と呼ばれる人たちが、平行線の議論を続けています。

しかし、私としてはもっと大切で切実な話があると思っています。それは、金属の経年劣化という話です。経年劣化とは、ゴムなどが古くなると弾力を失い脆くなるようなものであり、これは金属にもあります。そして核分裂で出る中性子は、この経年劣化を早める作用があることが知られています。つまり、中性子を浴びれば浴びる程、金属は脆くなるのです。それは、原子炉もそうですが、周囲の配管もそうです。

そして、この経年劣化の状況を調べるために原子炉には、サンプルの金属片が収納されています。そして、玄海原発でこの金属片を調べた時に、設計当初よりも早いスピードで劣化が進行していることが分かりました。2000年当時の話です。そして、その議論の様子もNHKのニュースで放映されましたが、その後、経年劣化の話はメディアから消えてしまいました。

福島原発の事故は津波による海水によって原発が事故を起こしたと思われていますが、私は津波ではなく地震が原因だったのではないかと考えています。なぜなら中性子で脆くなった原子炉や配管はガラスのように衝撃に対して脆くなっているからです。事故後、なぜ事故調査結果が公表されるのに時間がかかったのか。もちろん未曾有の事故であったこともあるのでしょうが、原因が津波か地震かでもめていたのではないでしょうか。原因が津波なら防波堤を高くすれば対応できます。しかし、原因が地震で、経年劣化した原子炉が問題なら廃炉以外の対応法はありません。古い原発は全部廃炉せざるを得なくなるのです。

ここにもうひとつ事態を混乱させた話があります。福島原発がマーク1と呼ばれる型の原発だったのです。このマーク1は、製造した米国のメーカーの元副社長が欠陥原子炉と言い切った原子炉であり、これは原発関連の科学者や技術者が認識していたのだと思います。そして、事故調査の結果、原因では津波でなく地震だと分かった時に、経年劣化ではなく、マーク1型が問題だったとしたのではないでしょうか。

これは私の推論に過ぎませんが、実は福島原発事故後、廃炉された原発を調べたら、古さの順ではなく、全てマーク1型が廃炉になっていました。この状況から考えて、あながち間違いではないと思っています。つまり、意図的かどうかは分かりませんが、事故の原因を誤って関係者が理解している可能性が高いのです。

私としては、原発反対派の意見だけでなく、原発推進派の意見も分かります。経済が失速するのも好ましくないでしょう。しかし、経年劣化でガラスのようにもろくなった原子炉とか配管をもった原発は、いつ地震のような衝撃で事故を起こすか分からないのです。エンジンが壊れかけたクルマを運転しているようなものであり、とても危険な状態です。

そこで私の提案としては、原発推進と原発反対の議論の前に、全ての原発の経年劣化の状況を調べ、公開して議論をしよう、というものです。原子炉には経年劣化を調べるための金属片が入っていると聞いています。それを取り出して、状況を精査したらいいだけの話です。原発推進派の人たちも、事故が起こることは歓迎しないでしょう。議論は、状況を確認してからで良いと私は思います。

(2)自然エネルギー

原子力発電がそうであるなら、今度は風力とか水力とか、太陽光発電の話があります。最近、太陽光パネルの材料が環境にダメージを与えるという話もありますが、比較論でいえば原子力発電よりもはるかにましでしょう。また、うがった見方をすると、原発推進派が自然エネルギーを妨害するために、そういう情報を意図的に流している可能性もあり、慎重にみるべきだと思います。ちなみに巨大な風車型の風力発電が空気の衝撃波を発生させてしまうのは事実であり、風力発電の形態は、もう少し変えた方が良いと思います。

自然エネルギーの議論になる時に、いつも言われるのは安定供給ができないという議論です。そこで、私として検討を提案したいのが揚水発電という技術です。揚水発電とは、ダムとかで余剰電力で水を上にあげて、必要な時に水力発電として使う技術です。巨大な電力をためることができる技術は現時点、これしかありません。

日本には、40ヶ所以上、総出力2,600万kWと世界最大規模の揚水発電施設があります。2014の経済産業省の調査では、2013年度の揚水発電所設備利用率が全国でわずか3%にしか達していないことが判明しました。米国やドイツの10%と比べるとかなり低いといわれます。

太陽光発電の設備容量は2016年12月末で約4300万kW(キロワット)といわれます。揚水発電をフル稼働させれば、理論上はその半分以上の容量を蓄電することができる訳です。自然エネルギーが不安定という説は崩れるでしょう。ちなみに、2016年12月末の時点で運転可能な原子力発電の設備容量は約4150万kWであることからしても、揚水発電の容量がいかに大きいか分かると思います。ダムの是非の話は別において、せっかくあるのであれば、使わない手はありません。現在の自然エネルギーでも、十分に日本の電力をまかなうことは可能だと思います。

(3)オフグリッド

現在、大きな発電所を作り、各家庭に供給するのが一般的なモデルとなっていますが、各家庭とか、村や町程度の規模で自分たちの電力をまかなおうというのが、オフグリッドの考え方です。高性能のスーパーコンピューターで計算するのではなく、多くのパソコンをつないで、スーパーコンピューター以上の性能を出させるのと同じかも知れません。

オフグリッドで問題になるのは、どうやって発電するかという話です。太陽光発電がもっともポピュラーですが、効率があまり良いとはいえません。水力と風力でいえば、水力の方が効率は良いが、場所が限定されるといえるでしょう。質量が重い方がエネルギーはあります。空気より水の方が効率はいいはずです。

発電する話とともにネックになるのは蓄電技術です。最近は、小型のバッテリーや、家庭サイズの蓄電池も出て来て種類は増えてきましたが、いかんせんまだ高価です。たとえば、家庭サイズの揚力発電的なものがあると、良いのかも知れません。

重りをつけた発電機で証明をする機械をテレビでみたことがあります。アフリカの無電地帯で使っている装置らしいのですが、手で重りをあげて、それが落ちるエネルギーを電力に変える訳です。こんな簡単な蓄電システムでも良いのかも知れません。

(4)フリーエネルギー

フリーエネルギーというと胡散臭いとかインチキとかいうイメージを持たれている人も多いかもしれません。しかし、現在我々が理解していない新しいエネルギーの可能性があるとしたら、それは世界を変える大きな原動力になるでしょう。

ということで、フリーエネルギーに関していくつかみていきたいと思います。まずはテスラ・コイルというものです。これはフリーエネルギーの話では、かならずと言って出てくるものです。ちなみに、ニコラス・テスラという人は、エジソンとならぶ現代の電気文明の父みたいな人で、エジソンが直流発電機を発明したのに対して、ニコラス・テスラは交流発電機を発明しました。そして、現在の発電機のほとんどは交流発電機であり、事実上、現代文明はニコラス・テスラの発明によって成り立っていると言っても過言ではありません。

このニコラス・テスラが発明した高圧発電機が、テスラ・コイルと呼ばれているものです。一部の人が、これをフリーエネルギー装置として紹介していますが、テスラ自体はそんなことはひとことも言っていません。逆に「エネルギー保存の法則」は、物理の基本法則であるといったぐらいです。では、このテスラ・コイルは何の機会なのでしょうか。

これは大気中の静電気や電離層を利用して遠距離と交信するためにテスラが創ったものだと私は理解しています。実は、大気と大地の間には巨大な電気が溜まっています。それが流れるのが雷という現象です。テスラはこれを利用して通信を考えたのだけれど、もっと簡単にいえば、大気にある雷のエネルギーを取り出す機械とも言えます。

ということで、無から有を作り出すフリーエネルギーとはいえないと思いますが、大気と大地の間に蓄積された電気エネルギーを取り出す装置と考えれば、現実的に実現可能な装置であり、かつ実現の可能性が高い装置であると私は考えています。

あと、有名なものに井出治氏が発見した第三起電力というものがあります。米国の物理学会に論文を提出して、認められたものと言われています。これに類する話も多いのですが、私の考えでは、電磁力の使い方にポイントがあると思っています。テスラ・コイルとは、似て非なるものだと思っています。

物理学には「エネルギー保存の法則」という法則があります。もし全く反対方向に電磁力をかけて相殺したらどうなるのでしょうか。同じ質量の玉を同じ速度でぶつけると、玉は止まりますが、運動エネルギーは音とか熱とかに変化します。電磁力は何かのエネルギーに変わるのではないでしょうか。逆にいうと、その何かのエネルギーを使って新たに電磁力を発生させることができるのかもしれません。

詳細は割愛しますが、第三起電力も含めて、そういう話ではないかと私は思っています。さらにいえば、超古代文明の話で出てくるアトランティスのエネルギーの記述なども、このエネルギーを想像させます。ただ、取り出し方がコイルとかではなく、水晶とかを使っているのが異なっている点です。

あと、個人的に超知覚的に受け取ったメッセージでは、「水(海水)と空気と雷(電気)があれば簡単にエネルギーを起こすことは可能。水の中で雷を起こせばいい。」だそうです。現時点では原理が良く分からないのですが、これもエネルギーの可能性のひとつだと思っています。


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