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NHK「100カメ」を見て、ZOZOの裏側を見たらなんだか情が移った話

NHKのドキュメンタリー番組、『100カメ』を見た。
特定の場所に100台のカメラを設置して定点観測するという番組。

今回は、前半がファッションECのZOZOのデザイン部で、後半がyoutuberのはじめしゃちょーの会社に密着。どちらも面白かったんだけど、個人的にはZOZOの密着が業務的に身近なせいもあって、”ながら見”するつもりが、ついついじっくり見入ってしまった。

ZOZOは、正直わたしの中ではサービスとしてピークを過ぎていたのだけど、数年前までは頻繁に購入していたし、結構な額を貢いでいた。
また、利用したことがない人でも知っている、会社の取り組み自体も話題に事欠かないし、ご存知の通り社長も有名人。

思いがけず面白かったと感じたので、その理由を整理してみました。

→面白かったポイント①
「いじり具合(遊び心)がいい感じ」


スタッフ同士は全員ニックネームで呼び合うんだそう。自分がそうされたいかは置いといて、ZOZOの社風的には合ってる。

その流れで、スタッフ同士の会話の中で、前澤社長のことを『MZ(エムズィー)』と呼んでいるシーンがあった。それを反映して、番組内のテロップ(サムネイル画像のとこ)でも前澤社長のことを『MZ』と表記していてウケた。NHKのその遊び心ナイス。

番組構成的にも、端々で見かけるNHKらしからぬ、というか、地上派らしからぬ柔軟さが目についた。時々面白いよね、NHK。『おやすみ日本 眠いいね』とかもゆるゆるでいいもんなー。


面白かったポイント②
「会社の転換点を結構そのまま見せちゃってる」

ZOZOといえばZOZOスーツ騒動がまだ記憶に新しい。初期のリリース時にポチったけどものすごく遅延するわ仕様も変わるわで、いらなくなったけどキャンセルできないしで、届いた直後速攻で捨てたので試してないけど。

その一連のZOZOスーツ絡みで始まったPBアイテム。これが初動が悪いとか、写真の見せ方を即変更する状況を、結構生々しくカットせず放送している。

PBブランドがリリースした当日の部分も予告動画で長めに上がってました。
https://www.youtube.com/watch?v=b09lQvMwcDE


スタッフ会議の場面では、社長の一声で会社の方針がガラッと変わって呆然とする社員の表情もあったり…。

スタッフへ上司からの「会社の方針はどんどん変わるから、いちいち動揺してたらやってけないよ」という言葉があったけれど、これに現れてるのは、ここまで巨大化してるのにベンチャー気質をまったく失ってないってこと。

まあ、ついていくスタッフは大変そうだ。でも、“時代を変えている”、”時代を作っている”という実感はビシビシにあるんだろうなと思う。

かなりの投資もしてるけど、結果が出なければとっとと手放す。
このジャッジの速さが、ここまで成長する企業に押し上げた要因だろうしな。さすがの采配と言う感じ。

CM3本連続している動画が上がってました。雰囲気伝わるかと。
https://www.youtube.com/watch?v=SJ2ihc3Psbw



面白かったポイント③
「小綺麗に整えない、生っぽくて開けっぴろげ感」

NHK側の演出なのか、ZOZOの企業特性なのか、どっちもなのか、超あっけらかん。そのまま、って感じがよかった。

いわゆる「会社の裏側見せます」「密着」的なドキュメンタリーはこれまでもたくさんあったのだけど、ドキュメンタリーって言っても演出が多めで、ここは見せる、見せない、というのが明確にあるわけで。やはり企業のイメージをコントロールをするために広報担当ががっつり入って「ここはNGです」「あの部分は全部カットで」という指示が必ずあるんだけど。

かつて自分が雑誌の取材で訪問した会社は、ほぼ日や無印良品という、割と新しい空気の企業でもそれなりにコントロールがあった。

今回のZOZOも当然カットするとかここは出せないという部分もあったはず。例えば上記のPBのニットの初動が悪い、というシーンで具体的な数字は伏せていた。出していい情報とそうでない部分は絶妙にコントロールされているのだろうけど、それでも結構開けっぴろげだな、という印象。

まあ日頃からネットをざわつかせてるから?

ビジネスばかりでなく、人間模様もオープンだった。
告知動画で女子トークが上がってました。恋バナ(しかも社内恋愛)とか、女同士の攻防なんかも。ちなみにZOZOは社内恋愛が多いらしい。
https://www.youtube.com/watch?v=TJy5F4xS12I


①〜③の印象を与えることが、どういう効果を産むか

NHKなので特定の企業のプロモーションではない。という前提だけど、いやこれ結局のところ、ZOZOのプロモーションでしかないよね。

兼ねてからZOZOのヘビーユーザーだったわたし。このところめっきりアプリを立ち上げることもなかったけど、今回の放送を見て久しぶりに覗いてみようかな、と言う気持ちになっている。そう、まんまと。

個人的にこの番組に興味が大きかったのは同業(デザイン業)というせいもあったけど、至るところに散りばめられてるベンチャー感、スピード感は見ていて刺激になった。フリーランスでソロ活動ばかりなので、あの”わちゃわちゃ感”は、正直ちょっと羨ましくもなった。

ECサイトゆえの、売れ行き動向に即対応するだとか、社長プレゼンに向けて考え尽くして手を尽くすところだとか、毎日追われて気が休まらないけれど、そういうヒリヒリするような時間をチームでクリアしていくことって、充実感あるんだよな。


しかも苦労している様を見ているので、ZOZOのサイトを見たら「今も彼らは頑張ってるんだろうな」って思うし、なんなら応援したくなっている自分に気づくのです。

数秒数分でも、そこで頑張っている人の顔を見てしまったことで、もう他人ごとじゃないような感情を、少なからず抱いているっていう事実。

これはすごい発見だった。
「中の人」ってよく言うけど、中の人の人格が外に見えてくるほどに企業って強くなれるのでは。

もしもサポートいただけましたら、私もまた他のどなたかをサポートしてサポートの数珠つなぎをしていく所存です!!