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ChatGPTで指示待ち人間から指示出し人間へ|SHIFTのブログリレーDAY19

ーこの春、頑張るあなたを応援したい!ー

こんにちは!SHIFTの公式note「SHIFTグループ技術ブログ」編集部です。
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今自分たちがもっているノウハウや経験を、書いてつないで、頑張るあなたに届けたい!そんな、“おせっかい心”から生まれた企画です。

・GW明けから勝負本番!良いスタートダッシュを切りたい!
・新人扱いしてもらえる今のうち!やっておくべきことは?
・みんなが優秀に見える・・・これから大丈夫かなあ。

そんなさまざまな気持ちに、社会人の仲間として、ときには少し先輩として、SHIFTの公式ブロガーたちが全力であなたに伴走します。
少しでも、今を頑張る方の前へ進む力になれますように。
みなさまにご一読いただければ幸いです!《開催期間:5/1-25》

▶DAY19 本日はこちらの記事!
『ChatGPTで指示待ち人間から指示出し人間へ』

◀◀◀DAY18
PostmanでのAjvによるJSONスキーマ検証(Schema validation)



● (忙しい人向け) この記事の概要

▢  ChatGPTで仕事の多くが、知識不要で自動化できるようになった。
▢  これまで作業者だった人は、指示を出す側にランクアップする。
▢  今後はより「正確に人やものを動かす」スキルが求められる…はず!

はじめに

はじめまして、SHIFTの立野です。
こちらの記事ではChatGPTを通じてプランナーとしての環境変化を感じたのでまとめたいと思います。
 
なお、本記事を読む人の多くは「ChatGPTってなに?」という状態ではないという前提で記載しているのでChatGPTに関する説明は大幅に省略していきたいと思います。

執筆者プロフィール:立野 健人
2020年にSHIFTに入社。
入社前はコンシューマータイトルのデバッグからプランナーへ転向。
アプリゲームの開発から運営を経験し、現在はソーシャルゲームの運営サポートに従事。

● (それでも) ChatGPTってなに?

ChatGPTとは「チャットで何でも答えてくれるサービス」です。
私自身も業務の延長線からプライベートでも大いに使わせてもらっています。 

チャットというと、病院の診断Q&AやExcelのイルカなどでも回答を引き出すようなものはありましたが、「ChatGPT」はそれよりも更にすごい回答を出すことができます。 

なにが「すごい」かといえば「回答の正確さ」ではなく、
追加質問ができるのと回答バリエーションが豊富な点がすごい点です。 

自分:Aについて教えてください
ChatGPT:Aとは〇〇のことです。
自分:〇〇とはなんですか?
ChatGPT:〇〇とは▲▲を~~するものです。
自分:わかりにくいので、もっと簡単に。5才児でもわかるように。
ChatGPT:〇〇はね、▲▲をい~~っぱい、~~するものだよ。 

と、追加質問で掘り下げができるのと、回答をチューニングすることができます。これにより、初回の回答精度が低くかったとしても最終的に質問者の知りたい結論にたどり着きます。 

では、こういった機能をもつChatGPTがゲーム業界でどういった環境変化をもたらすか。それを次に説明させていただきます。

● ゲーム業界におけるChatGPTの活用

ChatGPTを活用してどこどこが便利になったよ!すごいね!
という話もしたいのですが、今回はもう少し話を広げたいと思っています。 

まず、私はゲーム業界における「プランナー」というイチです。
プランナー業務をざっくりまとめると以下になります。

1)パラメータやデータの作成
2)デザイナーやプログラマーへの指示書作成
3)新規システムや施策の仕様書作成
4)進捗管理
5)デバッグ 

これらをChatGPT使えば全部解決、というわけにはいかないです。
ChatGPTはあくまで「チャット形式で答えを教えてくれる」のであって、
何もかも肩代わりしてくれる秘書ツールではありません。 

けれど、実際に使ってみて大幅な作業の短縮はできました。 

データの作成をする場合には、ChatGPTに指定ルールなどを依頼すれば初稿データを作ってくれます。イチから設計するのと、できばえのものを調整するのとでは楽さが全然違います。 

指示書や仕様書の作成に関しても、ある程度のフォーマットやテキストを整えることで
ChatGPT側でベースを生成 → 人間側で調整 →完成
という、作業ルーティンに落とし込むことができます。

進捗管理については、スケジュールやタスク管理ツールを出力して
「期限切れ」「期限近いもの」を出力するツールをChatGPTで作ることができます。そして、それらを別のチャットツールなどで担当者に連絡するようなツールもChatGPTで作れます。 

また、ChatGPT自身ではデバッグができないですがデータの不整合を見つけ出すようなExcelのVBAマクロや、GoogleスプレッドシートのGASなどを生成できます。

このように「ChatGPT自身ではなにも解決できない」ですが、「ChatGPTに教えられたことを実践すること」で便利なツールやシステムを作ることができます。 そして、それらが誰にでもできてしまう点がすごいと感じています。 

私自身、ExcelのVBAマクロのコードを見るだけで頭がこんがりがりますし、
Excel関数なども複雑なものはさっぱりわかりません。 

そんな知識のない状態でも「自動化ツール」を自分で作り上げられてしまいます。ChatGPTの優れている点がここにあると思っています。

● ChatGPTがもたらす変化

これまで「人間でしかできない」と作業の多くが、
ChatGPTにより知識なく自動化ツールを作り上げることができるようになりました。 

その結果、今後ゲーム業界はどうなっていくでしょうか?
私は【ゲーム業界人のランクアップ】が発生すると考えています。 

ゲーム業界の人的構造としては
プロデューサー>ディレクター>チームリーダー>作業者
といったボトムダウン形態が取られています。
作業者になるほど割かれる人数が多く、プロデューサー側になるほど人数が減っていきます。

 これまでは多くが作業者に人が動員されていましたが、ChatGPTにより「誰にでも自動化ツールができる」という状況下が浸透すれば手を動かして一生懸命データを作る人がぐっと少なくなります。
もう残業しなくてよくなります。嬉しいですね。 

では、ゲーム開発にかかわる総人数が減るのかといえばそうでもなく、自動化ツールを導入しても、生成するデータ量は代わりありません。
洗濯機を開発しても、洗濯物の数は変わってないのです。 

洗濯機に洗濯物を入れてスイッチを押す係は依然として必要になります。
そして、洗濯終了して汚れが落ちているかをチェックする人員が必要になります。それはゲーム会社では「リーダー」と呼ばれるポジションで成果物の担保が求められます。 

人は減ってもチェックする総数は変わらない。
なので、結果的にこれまで「作業者」のポジションにいた人は「リーダー」側のほうへチェンジします。リーダーにいた人は、増えたリーダーを管理する必要があるので「ディレクター」へチェンジ。
以降のポジションも同様でポジションがランクアップしていきます。 

そのため、今までの環境では作業者ポジションに人数が必要だったので「指示を正しく実行できる」という作業者が多く割かれていました。 

しかし今後は、「指示を正しく出して、生成物を調整できる」というリーダー資質が求められます。指示待ち人間だった人も、指示を出す側の『指示出し人間』への転換が求められます。 

● 指示出し人間で求められることは?

意思決定を行う側の人間が増員される一方で、実際に作業をする人は機械やツールに肩代わりされるとあいまいな指示やどっちつかずの答えは非常に危険です。これまでは人間特有の察する能力でもって「よしなに」やっていたことも通用しなくなります。 

そのうえ、船頭多くして船山に登る、ではないですが指示出し人間が増えることで迷うケースも多くなると思います。 

そうなると求められるのが、
「何が大事か」「どういう手段で実行するか」「それはいつまでか」といったメインとなる要素を作業者層に正しく伝えるスキルが求められます。

コミュニケーション能力、などといったあいまいな表現ではなく「迷わない指示を出せる人間」がますます増員され求められていく認識です。

● 最後に:ゲーム業界のこれから

長々とゲーム業界に携わっていく人間のポジションチェンジについて語ってきましたが、さらに広く見てゲーム業界としてはChatGPTの進化でどうなっていくでしょうか。 

私個人としては、インディーズと企業との垣根があいまいになっていくと考えます。 

現在でも個人で作成された高品質なゲームはいくつもありますが、企業で開発されたAAAタイトルのゲームのほうが優れているように見えてしまいます。 

けれど、ChatGPTを始めとするAIの台頭により「専門スキルがなくても開発できる」という状況がさらに広まっていくことでますます個人やチームで作られたゲームは企業製のものと区別つかなくなるものが多くなるでしょう。 

そうなったとき、私達がわざわざゲーム会社に属してゲーム開発をする意味はあるのでしょうか? 

私はあると思っています。
ゲーム会社に入ってゲーム開発にはゲーム以外の知識が得られるからです。 

ユーザー動向や、課金状況、スケジュール管理から、プロモーション、ゲームのターゲット。好きなものを作るのではなく、ゲーム業界のどこに刺ささる作品となるのか。そういった発見などは企業に属して得られるケースも多いと考えているからです。 

これからもインディーズ業界からすぐれたアイデアや、思い切ったシステムのゲームなどが出ると思います。
そして、企業製のゲームからは洗練されたゲームや、新しい市場を作り出すようなゲームも出てくると思います。 

ゲーム製品のできの垣根があいまいになっても、自身の経験がゲーム制作に生かされることは間違いなく、その経験をどこで積むことを自分が求めていくかで選択肢は変わっていくと思います。 

● 注意

ChatGPTに社外秘のソースコードをアップしてしまったケースもあるようです。業務で使う際には事前に許可を取ったうえで、情報漏洩などが起きないように注意しましょう……。
https://gigazine.net/news/20230410-samsung-chatgpt-security-leak/


明日のSHIFTのブログリレーは
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