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JaSST'23 Tohoku に参加してきました|イベント参加レポート


はじめに

こんにちは!株式会社SHIFT QAエンジニアの梶原です。

2023年5月26日(金)に開催された、JaSST'23 Tohoku に参加してきました!

今回はJaSST'23 Tohokuについての参加レポートです! セッションの中で、特に印象に残った基調講演と、東北名物のワークショップについて、感じたこと、学んだことを記していこうと思います。
是非最後までご覧ください!

▶前回執筆した記事はこちら!『アウトプットするための第一歩はLT大会がおすすめ!』

今回参加したイベント

JaSST'23 Tohoku

今回のJaSST'23 Tohokuのテーマは 「アジャイルとテストと私たち~明日「アジャイル」と言われたときに困らないためのヒント~」 ということで、アジャイルに関するセッションが多かった印象です!

また、今年はオフラインとオンラインのハイブリッド開催でした。
私自身はオンラインで参加しましたが、ZoomやDiscordなどで現地の雰囲気も感じることができ、ハイブリットのメリットを感じました。
そしてJaSST東北名物(?)と噂のワークショップもあり、とても有意義な時間でした!

当日の各講演資料やレポートも掲載されているので、気になる方は是非、上のリンクからご覧ください!

参加のきっかけ

「JaSST」にはJaSST'23 Tokyoで初参加しました!
各地域で開催されていること自体は知っていたのですが、それぞれの開催地域で特色があることを知る機会がありました。
その中でも、東北は体験型のワークショップがあり、JaSSTの中でも特に面白い! との話を聞き、今回JaSST'23 Tohokuに参加することになりました。

JaSSTとは?

JaSSTとは、日本各地で開催されるソフトウェアテストのシンポジウムです。
現在では、北海道、東北、新潟、東京、東海、北陸、関西、四国、九州と、全国で開催され、日本国内最大のソフトウェアテストのシンポジウムとして知られています。
ソフトウェアテスト分野の研究発表、実践事例だけでなく、ツールの適用事例やノウハウ、ソフトウェア品質マネジメント関連のトピックなど、幅広い情報が得られる場で、さまざまな参加者が集まることから、コミュニケーションの場にもなっています。

公式サイトはこちら

■「アジャイルテスター視点で、ユーザーストーリーマッピングを活用した効果的なプロダクト開発」

川口 恭伸 氏(YesNoBut/アギレルゴコンサルティング)

講演の概要、資料はこちら

今回のセッションでは、ユーザーストーリーマッピングを活用していくことでどういった効果が期待できるのか、また作成していくために何がポイントとなってくるのかについて解説いただきました。

1.ユーザーストーリーマッピングとは何なのか?

「ユーザストーリーマッピング」とは、Jeff Patton氏が提案する計画手法の一つで、ユーザーの視点で機能を洗い出しながら、ラベルやインデックスカードなどに記録して並べ替えていく、ワークショップ形式の手法です。 ユーザーのストーリーに沿って必要な項目を洗い出すことで、チーム間で認識齟齬をなくし、共通認識を作ることができます。

作成の流れとしては以下となります。

1.ペルソナを設定し、行動・感情を洗い出す。
ペルソナとして設定したユーザーの大まかな行動、詳細な行動、そのときの感情などを洗い出し、ラベルを付けていきます。

出典:20230526JaSST-Tohoku_アジャイルテスター視点で、ユーザーストーリーマッピングを活用した効果的なプロダクト開発.pdf p41

2.時系列に並べる。
ラベルを時系列順に並べて、整理します。その中で、粒度の大きいものは詳細化し、サブカテゴリとして残しておきます。

3.リリースまでに必要なライン(優先順位・MVP)を決める。
作成したユーザーストーリーマップを確認しながら、リリースまでに「最低限必要なものはなにか」という視点でラインを決めます。 また、POやスポンサーも一緒に作業を行い、リリースのための優先度をつけていきます。

4.過不足がないかを確認する。
再度ユーザーストーリーと照らし合わせて、価値が提供できるか、検証していきます。

出典:20230526JaSST-Tohoku_アジャイルテスター視点で、ユーザーストーリーマッピングを活用した効果的なプロダクト開発.pdf p42

2.なぜユーザーストーリーマッピングを使用するのか

個人的にわかりやすかったのはこちらのスライドです。

出典:20230526JaSST-Tohoku_アジャイルテスター視点で、ユーザーストーリーマッピングを活用した効果的なプロダクト開発.pdf p17

全員の意見が一致している!とそれぞれが思っていても、実際はまったく別のものを想像している可能性がある、という話です。

実際、こういった経験をされたことがある方は多いのではないでしょうか?
私自身もチーム内で話し合い、認識を合わせたはずのものを、いざアウトプットしてみたら認識がずれていた!なんて経験、あります...

左上の図は会話で意見を一致させた(と思っている)ケースです。 しかし、実際に書き出してみると3人とも想像していたイメージが違ったため、ボードを使用した話し合いを得て、イメージをより具体的にしています。

頭になかにあるイメージを可視化 させることで認識を合わせ、具体的なイメージを持つことで、同じ目標に向かって動くことができるということですね。

また上記に関連し、セッションの中でこういった話がありました。

“どのようなソフトウェアを作るかについての議論に何度も参加して、その議論を説明するためのドキュメントを書いた場合、そこにいたほかの誰かと理解を共有することができるかもしれない。 しかし、あなたたちの共通理解は、ドキュメントに含まれていない細部をたくさん含んでいる。議論の場にいなかったほかの読み手は、あなたたちと同じだけの理解に達することができない。彼女がわかったと言ったとしても信じてはいけない。

例えば、上の図の中にいないメンバーが右下で一致した図だけを見ても、なぜその形になったのか、その過程を詳細に知ることはできません。 つまりは場を共有して「体験した人」と、文字として「記録を読んだだけの人」では理解度が違うということです。

ユーザーストーリーマッピングでは、一緒に作り上げるという 「体験」 をすることで、より記憶に残りやすく、参加している全員が共有知識を得られることができるという点において、優れていることに気づきました。
伝言ゲームはどう共通理解を得るのかが非常に難しくなってくると思います。
そのため、「体験」という行為が大切なのだと改めて思いました!

■ ワークショップ

ワークショップ資料はこちら

1.ワークショップの概要

今回のワークショップでは、ウォーミングアップとして「朝起きてから家をでるまで何をするか?」というお題でMVP(価値を提供できる最小限のプロダクト)のイメージを掴んだ後に、アジャイル開発(乗換案内システム)の要件選定というお題でユーザーストーリーマッピングを体験するものでした。
川口さんの基調講演でユーザーストーリーマッピングについての話があったので、聞いたものをすぐに体験できるのはありがたいですね...!
ちなみにですが、このワークショップだけで2時間という大ボリュームの内容でした!! さすが東北名物...!!

2.感想

何度か各チームの成果物を見る時間があったのですが、「リリースに最小限な機能」という前提があったので、大きなズレはなかったものの、削るにしてもどこを選択するのかというところで違いが表れていたのが印象的でした!
また、基調講演でも「体験」することの大切さというものがありましたが、それを身をもって体験できるワークとなっていたと思います。

自分の入っているプロジェクトでは会議に参加した人は「議事録」を書くようにして、参加できなかった人はそれを読む、という取り組みを行っていたのですが、どうしても議事録を書いた人と読む人の認識や理解度に差が出てしまう状態が発生していました。

今回、このワークショップで、各チーム同じ条件のお題について作業しましたが、その場に自分がいなかったチームの成果物を見た際に、その結果に至った理由だったり、検討段階で出た意見だったりという 「見えない成果物」までは理解することができない のだと、改めて理解することができました。

実際は作業工数だったり、どうしても「優先順位」は存在すると思うので、取捨選択をしながら、どこまで認識の水準を合わせていくのか、模索しながら、自分のプロジェクトに合ったやり方を見つけていこうと思います!

まとめ

今回、JaSST'23 Tohokuに参加してみて、初めてのハイブリッド開催を体験しましたが、オフラインとオンラインどちらでも楽しめるように工夫されていてありがたかったです!
私はオフラインで参加しましたが、Discordやmiro,Zoomなど様々なツールを使用し、現地の様子を感じることができたのも面白かったですし、チャットでの質問にも受け付けていただくなど、不便な箇所は特になく、むしろ遠くからでも参加できるメリットの方が大きいように感じました。

何より、基調講演で知ったことを、すぐにワークで体験できるといった流れが、個人的にはとても良かったです。
以前参加したJaSST'23 Tokyoよりも規模感は小さめですが、その分、参加者同士のコミュニケーションがとりやすく、和気あいあいとした雰囲気が印象的でした! 来年も開催となった際は是非参加したいです!
実行委員、参加者のみなさま、ありがとうございました!!

今回学んだことをこれからの日々で実践して改善し、チームに適しているやり方を見つけていこうと思います!

また、JaSSTは社外の方とコミュニケーションが取れる貴重な場だと思います。
今後は北海道、新潟と続くみたいですので、まだJaSSTに一度も参加したことのない方は是非、参加してみてください!
私もいつか全てのJaSSTを制覇してそれぞれの特色が述べられるようになりたいです!


執筆者プロフィール:梶原
2022年11月にSHIFTに第二新卒として入社。
現在は、駆け出しのQAエンジニアとして日々奮闘中。
最近はグミと韓国料理にハマっています。

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PHOTO:Unsplashål nik

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