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化粧品に精油が使用される理由

精油(エッセンシャルオイル)にはいろいろな種類があり、香りから得られる効果で体の不調を治療するアロマセラピーに使用されたり、精油の肌へのはたらきに着目し化粧品の成分として使用されたりしています。目的に応じて使用される精油が選ばれています。

精油は、200から16000もの集合体でできていて、その1つ1つが異なる働きをすると言われています。精油は天然成分である上に1種類の精油が多用途で多機能なことから、化粧品の成分として使用されています。マルチ機能の精油を組み合わせることで、精油同士の相乗効果も加わり、加齢による肌や体の複雑な変化のケアに向いているのでしょう。

例えばラベンダーは、花や葉、茎から精油が取れ、デトックス、抗菌、免疫力アップなどの目的で使用されています。また、ローマンカモミールは、抗アレルギー、抗炎症、代謝促進などの効果でよく知られ、化粧品だけでなくハーブティとしても用いられています。

精油の分子は化合物のようなもので、いくつかの種類に分けることができます。

・ウィルスやバクテリアが住みにくい環境を作り出します。
ティ―ツリーやベルガモット、ユーカリなどあります。
・DNAのミスプログラミングを治し、正常に戻します。ほとんどの精油にはこのはたらきがあり、よく知られているものでは、グレープフルーツ、フランキンセンス、パイン(松)、ペパーミント、アンジェリカなどあります。
・細胞に酸素を運び、細胞内に異常があれば、それを消失させるはたらきがあります。代表的な植物は、シダーウッド、パチバー、サンダルウッド、ジンジャー、ミルラー、ブラックペッパーなどがあります。

このように精油はいくつかのグループに分けられていますが、基本的にはそれぞれが異なる方法でありながら、我々の体を本来あるべきようにバランスを取り、復元すると言われています。

そして、化粧品に精油が使用される一番の理由は精油の特性にあります。精油は脂溶性なので、肌で吸収されやすく、約3秒で肌に吸収されます。その後、血流に乗り約20分間体内に存在し続けることが可能と言われています。口から摂取すると、胃を通るので胃酸などで分解され吸収が妨げられてしまいますが、肌はそれが無いので吸収が良いとされています。

精油は原材料となる植物の約50倍の濃度になるため、細胞へ運ぶ酸素量が増え、また脂溶性なので細胞膜を通りぬけ、細胞へ精油の成分を直接運ぶことができると言われています。

そもそも肌は物質を吸収するのかと言う疑問が湧いてきますが、物質の大きさにもよりますが、ニコチンパッチは肌からニコチンが吸収され、血中にニコチンが吸収される仕組みを利用しています。同様に精油の成分も肌に塗布されて経皮吸収されると言うことです。

精油の製造方法の1つに水蒸気蒸留法と言う技術がありますが、これは10世紀後半から11世紀にかけて中東で植物から精油を取り出す方法として確立されました。このことから精油の利用が中東からヨーロッパに広まったと言われています。

シファドバイの創設者ラミーズ博士は、精油の始まりとも言われる中東で、古来人々が愛用してきた植物成分を特別配合したスキンケアブランドを立ち上げました。精油発祥の地の人々の知恵が詰まったエッセンシャルオイルの活用方法として、それを化粧品に使用することはとても自然なことだったに違いありません。