ニキビについてとことん知って治そう♬〜ホルモンと食事編
前回の続きです♪今回は以下の項目を解説していきます↓
4.皮膚は酸?アルカリ?
5.ホルモンとニキビ
6.必須の食事と栄養
7.腸内環境と食物アレルギー大丈夫?
4.皮膚は酸?アルカリ?〜酸性マントルとバリア機能
よく、化粧品は弱酸性か弱アルカリ性どっちが良いか?
の話を見かけますね。
・正常な皮膚のpHは女性が4.5-5.5、男性4.0-5.5とされている。5.0以下の酸性であれば保湿機能、バリア機能ともにより健康的と言われている。←酸アルカリバランスは0から14までありますが、皮膚はやや酸性よりですね♬
なぜpHが重要か?
ニキビ肌と皮膚pHの関係については多くの論文があります。例えば↓
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29104722/
皮膚のpHを弱酸性に保つことで
a.皮膚のバリア機能の維持:酸性マントルは細菌や真菌、ウイルス、汚染から守ってくれる←体内は血液体液(涙とか)全般的に基本弱アルカリ性ですが、皮膚の他に胃や女子のデリケートゾーンなど、雑菌から身を守る部分は酸性になってます♡(ؔᵒ̶̷ᵕؔᵒ̷̶)
ちなみに、人間は海から産まれてきたので羊水と海のpHは激似です♪
b.皮膚の善玉菌が住みやすい環境を作り健康な細菌叢の多様性を保つ
皮膚の善玉菌といえば表皮ブドウ球菌で、皮脂の中性脂肪を主に脂肪酸とグリセリンに加水分解して皮膚を弱酸性に保ち感染を防いでいます。皮膚がアルカリ性に傾くと嫌気性菌が増殖し感染炎症が起こりやすくなります。
c.上皮の角化はpHに依存している。pHが上がると角化が進み、上皮が過剰産生され毛包の角化異常に繋がる。⬅︎アルカリになると垢が増えやすくなる!
d.男性ホルモン、特にテストステロンは皮膚のバリア機能の改善を遅める。
e.エストロゲン(女性ホルモン)は皮膚のpHを酸性に傾けバリア機能を高める作用がある。⬅︎若い女性は最低限のスキンケアでも肌が綺麗なのは女ホルのおかげなんですね。
皮膚pHに影響を与える要素
・自分ではどうしようもないこと:人種、年齢、性別、遺伝。加齢と共にpHが上がる。
・どうにかできること:クレンザー、化粧品、汗、皮脂、食事、皮膚細菌叢
☑️界面活性剤を含むクレンザーはアルカリ性の傾向が強い⬅︎泡立ちが良く洗顔後ツッパるほど汚れが落ちてる感がするクレンザーは成分チェックをしてみましょう。
☑️汗のpHは約6.3。汗は美容液、なんて放置せず汗をかいたらすぐ拭き取りましょう!
☑️ビタミンAとMUFA (一価不飽和脂肪酸)は皮膚表面のpHを下げる傾向あり⬅︎ウナギと落花生の組み合わせ的な・・
☑️内服外用共にプロバイオティクスの使用は皮膚pHを弱酸性に整えてくれます
ニキビ肌には弱酸性化粧品を。ニキビでなくても弱酸性がおすすめ。汚れを落とそうと思って弱アルカリ性石鹸を使うとかえって逆効果!石鹸タイプは避けたほうが良いでしょう。
5.ホルモンとニキビ〜ニキビは遺伝する?
*ニキビに関係あるホルモンはずばり、
a.性ホルモン(男性・女性)
b.インスリン
c.IGF(インスリン様成長因子)
となります。
以下解説です♪
a.性ホルモン
・男性ホルモン(特にアンドロゲン):テストステロン、DHEA,DHTは皮脂腺の数と皮脂の分泌を増加する
・女性ホルモン(エストロゲン):皮脂腺の数と皮脂分泌を減少する
・思春期はホルモン調整が未熟でアンドロゲンが増加する時期でニキビが発動しやすい
・ピル:テストステロンの前駆体なのでニキビ悪化することあり(第1,2世代)
・生理不順:低体脂肪、低甲状腺ホルモン、性ホルモン低下
・無月経:痩せすぎやアスリート、ストレスにより低体脂肪となる
・副腎機能障害:ホルモン調整不良、ストレス、炎症、血糖調整不良、睡眠不足によりコルチゾールが増えると皮脂の分泌増加する
・クッシング症候群:コルチゾール、アンドロゲンの分泌増加
・副腎過形成:遺伝性病変 高アンドロゲン
・・痩せすぎや運動しすぎると生理が止まりニキビができる!なぜ?
イメージ図⬇︎
脂肪はホルモンの材料です。
特にコレステロールや中性脂肪が低い人はホルモンが作れず、ニキビだけでなく副腎疲労の原因になるので要注意!!
b.インスリン
糖尿病でおなじみのインスリン。糖尿病でなくても血糖値が上がることにより分泌されます。
高糖質や、血糖値を上げやすいグリセミンインデックス(GI値)
の高い食事でインスリンは増えます。また、筋肉不足などでも増えます。ここでは解説しきれないですが超重要です。
c.IGFインスリン様成長因子
こちらも高GI食で増加します。
あとこんな論文も見つけたのでご興味ある方読んでみてください。
http://www.jsbmg.jp/products/pdf/BG40-2/40-2-8.pdf
遺伝はするの?
・400組の双子を対象に行ったイギリスの大規模研究では、81%のニキビは遺伝性要因があるとされてます。
・遺伝により、皮脂産生増加、皮膚細胞の蓄積、皮膚のアンドロゲン受容体の数増加、アクネ菌に対する炎症反応の増加 などの特徴を受け継ぐことになります。
6.必須の食事と栄養
"チョコレートやナッツを食べすぎるとニキビできるよ!"
と、言われますが根拠は?
て思ったことありませんか?
*ニキビと食事が関係する理由⬇︎
・高グリセミック食:インスリン産生、IGF-1を増加し皮脂産生を刺激し皮膚に炎症を起こす
・過剰な乳製品:成長ホルモン、乳糖、IGF-1を含み皮脂過剰や炎症を引き起こす
・高脂肪食:炎症性経路を介して腸内細菌叢を変化させる←特に悪い油、酸化した油
・低食物繊維食:腸内細菌のエサとなるのでグラム陰性細菌の過剰成長を起こしLPS増加、腸の浸透性上昇、全身性炎症と酸化ストレス増加を引き起こす。
*避けるべき食物
・高グリセミック食:白小麦、精製糖、白米、甘味、焼き物、クラッカー、チップス、ポップコーン、キャンディなど
・加工食品、保存食、添加物、人工的物質
・乳製品:アレルギーがなければ甘味なしの発酵乳ならOK 。基本牛乳、牛のチーズ、ヨーグルト、アイスは避ける
・悪い油:植物油、コーン油、マーガリン、ショートニン、揚げ物、加熱された油
*摂るべき食物
・良い油:魚油、脂身の多い魚、フラックスシードオイル、オリーブオイル、アボカド、オリーブ、ナッツ、豆、牧草バター←ただし摂りすぎに注意
・高食物繊維:全粒粉、野菜果物、ナッツ、豆、ブラン←遅延型アレルギーがないものを選ぶ
・多種類の野菜:レインボーカラーの生と調理野菜を共に毎日毎食!
・低糖質フルーツ:ベリー、キウイ、アボカド、メロン、グレープフルーツなど
・保湿:33ml/Kgの飲水
・地中海食:適度のタンパク、良い油、野菜たっぷり
*プラス
・便と肝臓の解毒:定期的な解毒により腸と肝臓の機能をサポートする。⬅︎解毒ネタは別投稿にて公開予定♪最低限、便秘は絶対避けたい。
7.腸内環境と食物アレルギー大丈夫?
健康な肌、身体のためには良い腸内環境が必須です♪腸が炎症を起こしているとどんなに高い化粧品を使っても無駄になります。
*消化機能が低下する要因
・感染:腸内は悪玉菌、善玉菌、日和見菌の場所取り合戦。外からの細菌やウイルス感染が加わると腸内免疫が下がり、悪玉菌が増えやすい環境となります。抗生剤の投与が必要となることがあります。
・食物アレルギー:後述⬇︎
・グルテン感受性:セリアック病(日本人では1万人に1人位)ですがグルテンは腸内炎症を引き起こしやすい代表食材です。
・ディスバイオーシス・SIBO:腸内細菌叢のバランスが崩れて悪玉菌が増えすぎてる状態
・リーキーガット:炎症を起こすものすべてで生じる←腸に炎症が起こると、バリアが甘くなります。そうすると普段は体内に入れてはいけない毒素や異物などが入りやすくなってしまいます。
・過敏性腸症候群:感染や腸内細菌の乱れ、SIBO、アレルギー、グルテン過敏性に関連する。数年かけて発展し消化不良を起こす。
・慢性炎症性腸症候群:クローン、潰瘍性大腸炎など。
*食物アレルギーと感受性
・食物アレルギー検査:腸内炎症の原因を見つける。IgE、IgGを介した反応を血液検査でみる。←こちらは即時型、遅延型の2種類があります。即時型は保険で、遅延型アレルギーは自費で検査ができます。
・エリミネーションダイエット:最も反応の強いアレルゲンを3、4週間避け、それぞれ個別に再誘導する。⬅︎プロトコルは別投稿にて
・一般的アレルゲン:小麦、乳製品、大豆、卵、魚、ナッツ、ピーナッツはすべての食物アレルギーの90%を占める。
私の患者さん方には、1〜2週間の食事・便記録をつけてきてもらい、炎症を起こす食事の排除を一緒にするところからライフスタイルの見直しを始めています。
アレルギーは免疫システムを発動させる。そして炎症を起こし、全身が"アラート状態⚠️"となります。炎症を起こさないためには、まずは腸内環境。炎症を起こす食事、を試しにググってみてください。普段日常的に食べてるものがけっこうあるはず。
化粧品と食事、いかがでしょうか?
次はストレスとニキビです。
お読みいただきありがとうございました!
松宮
サポートして頂けると嬉しいです💓一人でも多くの方の健康とハッピーライフのためのお役に立てたらと思っております♫