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10-1 この違和感はなんなんですか?

 元々は「見えない世界」に関することが大好きで、占いも好きだった私。中学生のある日、突然蓋をしてしまったものの、やっぱり好きなものは好きで、胎内記憶の話をきっかけに「見えない世界を、占いを、信じてもいい」と自分に許可できてからは、どばーっと堰を切ったように占いにのめり込んでいった。しかも、時は産後鬱の真っ最中。私は占いに頼る気満々だった。

 しかし、「占いに頼る」と言っても、問題への切り口はいくらでもある。今でこそ、「鬱になった原因は自分にあった」と分かっているが、当時は暗闇の中で何も分からず、「こんなに苦しくなったのは、娘が生まれてから。娘と一緒にいると、苦しい。だから、原因も娘にあるはずだ」と思ってしまった。なので、占いの鑑定を依頼する時にも、娘のことばかり聞いていた。

 ただ、言い訳のようになってしまうが、娘に原因が全くなかったわけではない。いや、生まれたばかりの娘に、「あなたが改善しなさい」という問題点など何もない。そういう「原因」はなかったのだが、「娘と私の相性」にちょっと「難」のようなものがあったのだ。

 娘と私は全くタイプの違う人間である。それは占い抜きにしても、日常生活でも感じる。洋服一つとっても好みが全く違い、私は「アトピーなんだから、肌に優しい物を」とせっせと自然素材で、かつ、時には染料にもこだわって服を選んだ。肌触りは最高で、大人の私が着たいくらいの品質のものを、大枚はたいて買ったこともある。ところが、娘が着たがるものは、化学繊維がバリバリに使われた、ふりっふりの洋服ばかりだった(現在は大人びてきたため、フリフリなものは着ない)。「『子供は本物が分かります。子供にこそ質の良い自然素材の下着や服を』って本に書いてあるのに、うちの子は子供なのに全く本物がわかっとらんやないかーい!」と、私は激怒していた(何もそこで怒らんでも良かったと今は思う)。

 まあ、娘は体が子供でも、中身は既に自分の意思をしっかり持った一人の人間だったという話なのだが、とにかく意志が固く、自分が決めたことは例え親に怒鳴られても変えようとせず(少し大きくなってからは、「今は親の言うことを聞いておいたほうが身のためだ」という技術を覚えてきて、折れることも増えたが←娘の方が大人だ)、私と娘は「右から行くか、左から行くか」というほんの些細なことにさえ、衝突しまくっていた。

 本当に、不思議なほどに衝突が多かった。そして、その度に私はイライラした。私にとって「なぜそちらを選ぶかな!?」というものばかり、娘が選ぶからだ。言い出すタイミングも、「なんで今言うかな!?」という時ばかりだった。とにかく、娘と一緒にいると、1分1秒が違和感だらけでイライラした。

 子育て経験者であれば、「子供なんて、そんなものですよ」と言われるだろう。私も、育児相談室でそう言われ続けたし、自分も「そんなものだ。母親みんな、これに耐えているんだ」と思った。でも、それにしても、「この耐えがたい違和感は、この子だから感じるものではないだろうか」という気がしてならなかった。

 それは、第二子の息子が生まれてから確信に変わった。娘に感じる違和感、イライラは、「子供と母親」という一般的な問題ではなく、「娘と私」だから感じる、特殊なものだったのだ。

 息子には、娘の時に感じたような、不自然なまでの違和感、イライラがなかった。「第二子だから、余裕があるんだよ」とも言われるが、私はそれだけではない、やはり、一人の人間同士としての相性の問題を感じる。ちなみに、息子に全くイライラしないわけではない。忙しく出かける時に、「う〇ち、でたー!」と言われれば、やっぱり「あー、もう!」とイライラはする。でも、それは「母親が子供に感じる一般的なイライラ」だろうなと思えるレベルだ。


 「子供に母親がイライラするのは当たり前ですよ」と一般論で片づけず、「娘と私だからこその相性の問題」を早くから指摘してくれたのが、占いの「西洋占星術」だった(後に知った「算命学」でも、やはり同じ指摘を受けたが)。

 娘と私は、「タイプが全く違う」という問題だけでなく、様々な「難」があった。一番最初にメール鑑定してもらった、都内の某占いのお店(以下、T店)在籍ではない占い師さんには、「一緒にいると相当キツイですね」と表現された。

 まず、一緒にいると、やたらと忙しくバタバタ動く羽目になり、疲れる。家の中では(私が娘に)感情的にイライラさせられやすい。健康に問題が出やすい…などなど。

 もちろん、良いこともたくさん書いてあった。大きくなったら、「親子」というより、仲良しの友人や姉妹のような関係になり、良い話し相手になる。一緒に仕事をすると、よく稼げる…などなど。

 この本を書くのに、鑑定結果を見直していたら、「娘さんとのトラブルが、仕事に繋がる」ようなことも書かれていた。これは、今、まさにそうなっている。私も友人をたまに鑑定することがあるが、同じように子供との相性にトラブルを抱えている人からの相談が多いし、何より、この本自体が「娘とのトラブルをネタにした仕事」だ。

 まあ、そんな感じで、今、冷静な頭で考えれば、「付き合っていくのには、一工夫必要な相性」と考えられるのだが、当時はそれを「不幸」と捉えてしまった。「こんな子供が生まれてしまって、私は不幸だし、娘もこんな母親を選んでしまって、話が違っただろう」と勝手に解釈してしまったのだ。

このネガティブな思い込みを、「物事に幸せも不幸せもない。ただ、それを感じる人の心があるだけ」とポジティブに変換させてくれたのが、占いのお店T店だった。

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