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弦交換:河野賢

メインギターが杉のラミレスに決まったので、松のギターをどうするか考えている。いま松のギターは河野、松井、西野と3本あって、どれも捨てがたい良さがある。でも僕はあまりギターをたくさん持ちたくない主義というか性格だ。
クラシックギターはライフワークではあるが、完全に趣味と割り切っている。今後コンクールに出るような野心も実力もないし、人前で弾くことすらほとんどないだろう。目標といえば、好きな曲とできれば自作曲を録音して6曲くらいのEPを作って、子どもたちが大人になった時に聴いてくれたらうれしい。それだけ。そんな僕なので、あまり弾かないギターが手元にあるともったいなく思えてしまう。
3本のうち西野はネックが折れたのを無理に直してもらったという経緯があり、これはなるべくなら手放したくない。なのでこれは店で弾く用に取っておく。家で弾く用は1本で十分なので、河野か松井のどちらかを手放すことになるだろう。実力が拮抗しているので、それなら高い方を売ってラミレスのローンの足しにするという手もあるが、奇しくも購入金額はほとんど同じ。

これから容赦ない選定作業に入る。まずは河野の弦交換。これは現在の桜井河野ではなくかなり古い河野賢だ。ちょうど1か月前に高音プロアルテブラックナイロン、低音プロアルテEJ48ブロンズ弦に交換して、そろそろ音に張りがなくなってきたところだった。
今回張った弦はオーガスチン黒。昔は安くて柔らかいという理由でよく使っていた。数年ぶりに使ってみたが、意外といい。プロアルテのような均一な工業製品という感じがなく、音に色気があって音楽的に響く。高音弦はサクサクと歯切れよく、低音弦も強さはないが素直によく伸びる。適度な摩擦感があって指掛かりがよく、ポルタメントやビブラートが掛けやすい。オーガスチン黒ってこんなによかったっけ? 改良されたのかもしれないな。
この河野はすごく弦を選ぶ楽器で、ブラックナイロンとブロンズの組み合わせを見つけるまでかなり苦労したのに、オーガスチン黒はダークホースだった。河野の良いところがぐんと引き立っている。昨日までは松井が優勢だったが、これはわからなくなってきた。松井の弦もそろそろ1か月たつので、近々オーガスチンの黒か赤に張り替えてみよう。

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