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Märchen von Flammen(II)

前回「宵闇の唄」

火刑の魔女

イントロ

鐘の音
謎のドイツ語

ハープとピアノ?はらはらと落ちるようなメロディ
地下で蠢く何か

うぉ メルさんめっちゃ語ってくれるじゃん

貴方なんかジャブジャブしながらこっち来たでしょ
小銭?鍵の束?鎖か?チャリンチャリンもしている

でも宵闇の唄の最後みたいな
歩幅の狭いエリーゼさんの足音がない

ということは抱えて歩いてあげてるんだ
水の中だから

流石お井戸紳士

「それで唄っていただきましょう」の前口上じゃん
屍揮者 兼 屍会者 ではないか

可愛らしい笛
突然のメルヘン感

幽かな記憶

幽かな記憶の 糸を手繰るように
仄昏い森へ 足を踏み入れた

幼い記憶の 途を辿るように
入り組んだ森の 奥へと進んだ

おおおシンプル イントロとの落差
イントロが絵本の表紙みたいだな

ピアノと鳥の鳴き声

幽かな記憶→幼い記憶
ハープが増えてより具体的になっている


🏞️🌲🏠

なんだこれは!なんだこの歌詞カードは!

やってるな Revo


今までの記号レベルを遥かに超えて
絵文字レベルを超えて
ゴリゴリに絵ではないか
それはそう読むのか え?絵?

いや待てよ
挿絵か!絵本の挿絵なのか!

樅木を左?左?左に行ってるかこれ?
右くないか?

お化け樅木 あたりのブーーンSEは何なんだ
プロペラ機とか芝刈り機の
エンジン音に聴こえる  
なんだこれは そんな時代にあったかな
擬態語系の効果音かな 全くわからない

超高速で本を捲っているのかな


小さな私

小さな私を拾ってくれたのは
大きな街にある修道院だった
けれど 激しく吹き荒れた改革の嵐と
新教徒達の手によって 嗚呼 無惨にも破壊された

吹き荒れるとSEも吹き荒れる

うぉ あぉぁぉぁぉ改革と新教徒!
なんかスペインぽい情熱的で迸るようなギター

人生は数奇なもの

人生は数奇のもの
運命は判らないから ひとつの終わりは
新しい始まりと信じて 勇気を持って
積年の疑問を 解く為に 故郷を探す 旅を始めた

「判らないから」を「数奇なものー」
レベルに伸ばし切らないですぐ「ひとつの」に入る


「判らないからー」と
ここぞとばかりに伸ばして
数奇なもののテンションで歌い上げたくなる
ど素人志田的に


「ひとつの終わり」の前でしっかり切って
ゆったりめのブレスを入れたくなってしまう

「人生は数奇なもの」ここで切って
ギターのメロディを挟む

「ひとつの終わり」になだれ込む
浮ついた感じ 新鮮で良い



あっ、、、お姉さん
死、、、死んだ あっ、、、、ぁぁぁぁ

なんでこのアルバムには
悲鳴が上手い人ばっかり出てくるんだ

このお姉さん
耳触りが良くて絹のようなお声が歌劇っぽいから
お芝居お上手なのは納得できるが
志田はまだ 音楽家なのに叫ぶのがお上手なのが
全く解せない

志田的に叫びが上手い人は
「あんた大丈夫か」と思わせる

随一に上手い人は
普段から感情が読み取れないタイプなんだけども
おそらく違うし

本域で叫ぶって本当に難しい
号泣とか断末魔とか狂った笑いか咆哮とか
激情をぶつける という行為はエネルギーが要るし
練習したら出来る というわけではない

こう、、、、激情以外の恥ずかしさとか
躊躇とか雑味が入ると 成り立たない

雑味を入れてなくても
特に激情系はちょっとしたことで
観測性羞恥を与えやすいというか
ちょっとでもリスナーが雑味を想像した時点で
残念感が出てしまう

のに
本業でお芝居してないのに
叫ぶのが上手い人が多すぎる


ど素人志田は学生時代
「許してくれ」というセリフだけで
3時間 演出に扱かれたことがある


懺悔を嗤う逆十字

改宗したけれど時は既に遅く、
一人の食い扶持さえもう侭ならなかった。
懺悔を嗤う逆十字。祈りは届かない。
赦しも得られぬまま、罪だけが増えてゆく……。

改宗してイエスズ、、、逆十字
絶対服従レベルのより強い信仰を捧げたけど
だめだった、、のかな
ん?その逆十字じゃないのか、、、悪魔信仰的な?

祈りも赦しも罪も
志田には想像がつかないほど
重い言葉なのかもしれない


可哀想な兄妹

森に置き去りにされた 可哀想な兄妹
捨てられた子の 悲しい気持ちは 痛いほど解るわ

ああ 鳥達を操り パン屑の道標を消し
真雪のように 真っ白な鳥に 歌わせて誘った

うぉ、、、突然温度のないお声になってしまわれた
可哀想 気持ちがわかると言っておられるけど
お声はあんまり同情してない気がする
他人事というか 復讐に使う というだけある

「パン屑が食べられている」が志田は結構好き

ここで動物とお友達スキルが発揮されているのか

ヘンゼルとグレーテルではないか!

屋根は焼き菓子

「屋根は焼き菓子。窓は白砂糖。
お菓子の美味しい家を、栫えてあげようかねぇ!」

扉から出てきた老婆に対する子供達の
怖い魔女の家かもしれないドキドキ感とか
幼くもら立ち向かおうとする精神や緊張感とか
でもお腹空いてるし お兄ちゃんだし
みたいな思考がぐるぐるしている

あんまり関係ないけど
志田的に原色の渦巻きキャンディが
目の前で回転しているみたいな
渦巻き錯視みたいなメロディで 面白い


これが突然
お婆様と夢のようなお菓子の家を前に解けて
可愛らしいメロディになるのも また面白い


ささやかな夢

嗚呼 遠慮はいらないよ
子供に腹一杯食べさせるのが 私のささやかな夢だった
嗚呼 金貸しだった夫は 生きては帰らなかったけど
幾許かの遺産を託けてくれていた……

養えなくなって  仕方がなかったとはいえ
幼かったお姉さんの主観では捨てられているし
帰ってきたお姉さんを実子だと気づかずに
殺してしまっているし

正気になったのか と聞かれると

贖罪か?ささやかな夢?が正気なのかは
お姉さん的にも志田的にも微妙なライン

金貸し、、、ユダヤ系のお父上かな
それで改宗、、、なのか?

老婆の好意

老婆の好意に 無償の行為に
甘えた兄妹は 食べ続けた
少女はある日 丸々太った
少年を見て 怖くなった

「嗚呼、老婆は魔女で、
二人を食べちゃう心算なんだわ!」

殺られる前に 殺らなきゃ ヤ・バ・イ!
背中を ドン! と 蹴飛ばせ!

好意、、、なのね
哀れんでとか 腹を空かせた子供を
助けてあげようという厚意というよりか
好きでやったのね

好きで、、、なのね
罪滅ぼしとかでもない


この断末魔
待てよ お婆様 MIKIお姉さんではないか

あっわぁ 興奮してきた 全然気づかなかった
うわぁ こういう裏切り?裏切られてはないか
驚き!そう!驚き!いいですね
MIKIお姉さん そういうところが志田大好きだわ

え?、、、同じ方がやってるっていうのは
どういうこと 兼ね役、、、?
火刑された魔女はお姉さん担当なのかな

本当に魔女で食べるつもりではなかっただろうけど
所業は魔女的かもしれないし
でも兄妹を助けたのは事実だし

人間が人間の尺度で
罪を量って裁くということ自体に
摂理さんはブチギレないかな

間接的にイドが裁いてるからいいのか

火炙り、、、
お姉さんも兄弟も結構エグいことなさるな

お子様たちピュア故なのか
魔女を断罪するのは火刑なのか


おい!トム!
「うひょぉー!こいつはついてるぜ」って言ったな
え?え?



おい Revo やってんな

おしえて!エリーゼさん


お言葉を有難く頂戴し
ヒシヒシと噛み締めていきましょう

森に住む孤独な老婆は全て魔女なんだそうだよ
子供なんて嘘つきで図々しくて私は大嫌い

おおおおお
この時期は
森に住む孤独な老婆を魔女としていたのか
時間と共に民衆の憎しみや恐怖が
魔女の定義を曖昧にさせて
メルツ君のお母様の頃には
孤独な老婆ではなかったのに 魔女にされていたのか

エリーゼさんは、、、、お子様が、、、お嫌い
お子様はお人形好きよ
喋るお人形はちょっとしんどいけど

子供が好きなお人形は
漏れなく子供のことが好きだろうという
それ自体が志田のエゴでしたね  

エリーゼさんはメルツ君とベトちゃんのことを
どう思うのでしょう

メルさん危ねぇ
幼さの残るイドメルさんだった
どう思われているんでしょう


いや! きっとエリーゼさんも
メルさんなら何でもプライスレス






Flammen 鉄槌の炎を

え?


え?

おまえか?お前なのか?お前らなのか?


志田が一番許さないお前らなのか、、、、
メルツ君を井戸に投げ込んだのは

めるづくんをがえぜ!

メルさん?覚えてない?
メルさんの眉間ピクピクしたりしてない?

してないな


ああぁぁあぁぁぁああ

トムショックから立ち直れない


さらっと時系列がメルツ君の死より前で
メルさんがお仕事していたという
メルさん井戸の中で浮いてるし時空も飛べるのか

メルさんが兄妹を復讐に使って魔女を火刑にした後
メルツ君のお母様も同じ手によって火刑になるとは
井戸の水では消せないのかその炎

過去に戻るこの復讐がメルさんにできるなら
メルツ君が井戸に落ちるのを阻止する力も
お母様を火刑から退ける力も
やろうと思えばメルさんにはあるではないか
でもそんなことしたらメルさんはいない、、、

なんと皮肉な、、、

メルさんの手で間接的にメルツ君を井戸に
落としたみたいになってしまうではないか
それが復讐なのか?
え、、、、志田はもう何もわからない

イドめ!メルさんで遊ぶんじゃありません!
結構ピュアでナイーブなんだぞ メルさんは!


魔女を火刑にするのは
存在が自分を脅かすかもしれないからとか
病は魔女のせいだからとか
そういう「恐れ」が
憎悪に変わってしまったというのも理解はできるし
異端を探して
不幸の原因をなすり付けた というのもありそう

魔女は「怖い」はずなのに
いない方がいいと思っているはずなのに
トムの「ツイている」発言は
お父上の遺産を手に入れたから、、、

トムたちは魔女を断罪しようとかではなく
市民の憎悪を利用して
その資産を横取りするという
稼ぎのために魔女を狩っていた のか
懸賞金制度みたいにそもそも儲かるのか、、、


志田の魔女の知識も
魔女狩り知識はゼロに等しいが
おそらく 魔女の断罪は火刑 と決まっているっぽいし
時代と共に
誰かを魔女にする理由なんて多分なんでもよくなる
悲惨な時代にその苦しみの責任を
弱者に押し付けたかったのかもしれないし
魔女を狩る理由は断罪したいからだけではない

というのを
そういう時代だったから仕方ない で
片付けられないのが良い
歴史だけを学んでいたら至れない
物語に歴史が混ざることの苦しさというか良さ
ではあるが

メルツ君が亡くなった意味が益々解せない
いや
意味とか求めなくても良い、、、けども

志田の語彙力が、、、
メルさぁん、、、ブチギレてもいいんだぜ

取り敢えず強く生きてくれよな、、、、


死んでいる、、ああああん






イド

因果の範囲が狭いというか 濃いというか
偶然では起こり得ない因果 偶然誤差ではない
系統誤差というかバイアスがかかっている
何かの力を感じざるを得ない

志田はイドイドでは
【イド】を人間の衝動が創りあげた
不幸をばら撒いて人に寄生する井戸妖怪
くらいに思っていて
志田の中で【イド】はイドに触れた人間に寄生して
井戸に落とすハリガネムシみたいなイメージで
どちらかと言うと生物だった

メルツ君のお母様とベトちゃんの因果は偶然で
流石に【イド】には運命の糸をどうにかする力は
ないだろうと思っていたが

こうなってくるとイドって
もっと生物ならざる存在かもしれない


もっと高次な存在


余談 援護射撃

メルツ君の最期の月夜


志田はトムショックで気が狂いそうなので

今回もゴリゴリ夢のない調べ物で
誰かの援護射撃ができれば僥倖

「見上げれば丸い夜空 揺らめく蒼い月夜」

そもそもこれが
メルツ君が見上げた月とは限らないが
これを井戸に落とされたメルツ君が
井戸に沈みながら見上げた最期の月として
そのファンタジーに何処まで現実性があるか
野暮だが検証してみよう


新教徒による宗教改革
「トム」がメルツ君を落とした男かもしれない
という最新情報を手に入れた

この情報とイドイドを元に
メルツ君が最期に見た月はいつか 調べてみよう

まず調べるところによると
ドイツの宗教改革は1517年

お姉さんが実家にたどり着いたのは
翌年1518年くらいとしましょう
ここら辺は跡で補正されるので当たりを付ける程度で大丈夫

そして5年後1523年くらいに
ヘンゼルとグレーテルが復讐を遂げるとします

この時のトムとハンスを10歳前後として
メルツ君を突き落としたのは30歳前後とする

ここら辺は後に暦で修正されるので曖昧でも無問題

つまりメルツ君が最後に見た月は1543年前後


これだけでもただの希望的観測に過ぎないのだが



仮定した様にメルツ君の見た最後の月が
井戸の水面にゆらめく蒼い月だとすれば
かなり絞られる

これが落ちる直前に水面に映る月を見たのか
井戸の水中から月を見たのかは謎だが

死んでしまうほど井戸は深そう

井戸の中から見上げても
丸く切り取られた視界に月が入る ということは
かなり高い位置に月が昇っていた ということ

深い井戸であればあるほど
井戸の底から見える空は狭くなり
地面と垂直方向 真上の空しか見えなくなります

短いトイレットペーパーの芯を覗くより
長いラップの芯を覗いた方が
視野が狭くなるのと同じです

そう考ると
月がメルツ君に落とす影は無い 程に短く
真上から照らすような高い位置に
月があったことがわかる
水の屈折とかはもう全無視

つまり
①1543年前後
②月が一番高く昇る時期と月の形
③ドイツで月が一番高く昇る時間

これで井戸に落ちたメルツ君の状況
だけでなく時間も粗方妄想できそうだ

②月が一番高く昇る時期

これは2022年の資料だが
基本的にその周期は変わらないし
北半球であれば同じ日に見える月の形は同じ

月の形と南中高度 *1

この図のように
月の形と最大南中高度には関係がある らしい

月が一日の中で最も高い位置にくることを
月の南中 といい
その高さを南中高度 といい
計算上ドイツでは最も高くて地表から61°(日本では78°らしい)

そして月が南中するのは
夜とは限らない
明け方だったり 昼で見えなかったり
子供が出歩くのは親が絶対許さない
ど深夜だったりする

ということで 二つの説を立てよう


秋説


光と闇の童話に忠実 季語的に?雰囲気的に?「秋」
というのも志田の推測だが

「宵闇」というのは
中秋の名月 十五夜(陰暦15日の夕方に出る月)を過ぎたあたりの
月が出るまでの薄暗い時間を指すらしい ので
メルツ君が苔藻を踏み鳴らしていた時間を宵闇
として 亡くなった または意識を失った時間
つまり生前最期に空を見上げた時間を
勝手に月の南中時刻としよう

条件をまとめると
①1543年前後
(年代の算出が雑だったので1535~1550年まで)
②中秋の名月を過ぎている(新月から数えて15日目の月)
③秋分の日に近い(9月22日or23日から10日以内)
④下弦の月
⑤ドイツ某所で月の南中時刻が 宵闇の刻-夜間
(夜行性のメルツ君でも許されるような
17:00ー22:00 あたりに南中したと仮定しよう)

それでは調べてみましょう!

まず①~④までの条件に合う日を
ピックアップします

1537年9月26日
1540年9月23日
1542年10月2日
1545年9月28日
1548年9月25日
1550年10月3日


次は⑤南中時刻を調べます、、、が
秋で南中高度が高いということは
南中時刻は早朝になる、、、予感
⑤ドイツ某所で月の南中時刻が 宵闇の刻-夜間に
合致しない、、、、


1537年9月26日6:12: 03
1540年9月23日5:47:56
1542年10月2日6: 8:30
1545年9月28日6:21:58
1548年9月25日6:33:51
1550年10月3日5:41:27


どの日も早朝ですね、、、、
メルツ君が最期に見たのは月夜なので
ちょっと画が合わないかもしれない

では③秋分の日にちょっと近い(9月22日or23日から10~20日後)
に条件を変更する
これでも南中高度はあまり変わらず
下弦の月の高さは十分保たれているが
これもまた早朝だったので割愛する、、、、


秋に井戸の底から
月を眺めるなら早朝、、、、

これは下弦の月という仮説が覆される
結果となってしまった

ドイツだと月が最も高くても61°と
日本より低いので
秋に井戸の底から月を眺めるには
限りなく下弦の月である可能性が高い

もしくは志田が想定するような深さの
致死性の井戸ではなく
かなり井戸の口径が大きいか
水面が高い可能性が示唆される

殺傷能力を上げるために
に井戸より高い場所から
メルツ君を投げたとすれば

志田は許せない
トムもRevoも

「月夜」を無視して
検証通りに早朝に最期の月を見たのであれば
まず 即死ではないだろう
宵闇の刻付近で井戸に落とされてから
かなりの時間井戸の中で意識を保っていたと言える

夜が明けようとする早朝まで
狭くて冷たい井戸の中で凍えながら
あるいは致命的な怪我を抱えながら
エリーゼとふたり
来ることのないお母様の助けを
待っていたのかもしれない
そしてお母様が捕らわれて意識を失っていなければ
メルツ君を救護できていた可能性もある

そして夜明けと共に
メルツ君は井戸の底に沈んでいったかもしれない



我ながら泣きそうである



満月説(おまけ)

志田が井戸と満月でドーナツにしたいだけ
満月なら北半球共通で冬至の日
冬至の日は大体12月 21か22日
秋説と同様に検証していこう

1536年1月9日 12月28日
1539年1月6日 12月26日
1542年1月2日 12月22日
1544年12月29日
1547年1月6日 12月26日
1550年1月3日 12月25日

どの日付も南中高度が深夜0時代なので
ドーナツのように丸い月夜が完成する


もはや宵闇の刻ではないし
日没後に井戸に落とされてから
かなり時間が空くので
これもまた即死ではない、、、、


かなしい


考察


かわいいメルツ君にこんな仕打ちは許せないと
悲しみに暮れそうだが

朗報がある

検証からみて
井戸の水面に映る月を見上げた という描写は
実際の月齢や南中高度などは関係ない
限りなく純粋ファンタジーであろう

きっとメルツ君は
井戸に落ちてからしばらく
意識があったというような
苦しみを受けていないはずである

我らが貴公子が人道的であると信じよう!


月の形で日付が特定されることが
バレているかの様なファンタジー保持力

志田が今ある知識だけで頑張ると
月夜 など諸々の季語的に秋になってしまうし
メルツ は3月という意味らしいので
謎は深まるばかり

満月説なら
「クリスマス付近に亡くなっているかもしれない」
という皮肉な可能性も残すファンタジー、、、

面白いところが
井戸が深ければ深いほど危険で
メルツ君は物理的に冬に至るし

井戸が深ければ深いほど 月は高く昇ったといえるし
メルツ君の死期も天文学的に冬に至る

そもそもメルツ君は
井戸より高いところから落ちていて
井戸が深くなくても痛そう

でも井戸が深ければそれなりに
櫓を組んで滑車をつけたりするはず
でも メルツ君がホールインワンの邪魔になるので
櫓がないくらい水面が高いか
櫓も朽ちるほど古い井戸か、、、、

これはファンタジーのままの方で良かった
援護射撃ならず

文学的で悲しくも美しい
見上げれば丸い夜空 揺らめく蒼い月夜

そもそもこれが
メルツ君が見上げた最期の月とは限らない
メルさんが何かを想って見上げた月かもしれない
井戸が地表に対して垂直に彫られているとも
限らない、、、、

丸い夜空に月があるという描写がある限り
こねくり回せるので
お時間がありましたら是非に


と、、、ファンタジーを無視して調べてみましたが

やっぱり野暮でした

絶妙に特定させず ファンタジーを保つ
Revoさんの匙加減 恐ろしや

全く関係ないが
調べ物中に小耳に挟んだ話

太陽が顔を出す前
水平線下6-12度にあるような
海と空の境界に水平線が引かれる頃を航海薄明

水平線下6度から日の出まで
太陽の産声が聞こえ始め
ランプを消しても道を辿れるような頃を市民薄明

そして日が落ちて
暗闇の天幕が完成し
天の川のせせらぎが聞こえ始める
水平線が天に溶けた頃を天文薄明 と呼ぶらしい

というのに志田は物語を感じました


何処ぞの海の男はマジでなんだったんでしょう
航海薄明を覗む男イドさん、、、、出て来い!


次回
Märchen von…「黒き女将の宿」



ベルリンにおける月の南中時間検索


月の形検索

図*1


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