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風船
あの色が欲しいな。
あ、でも先にとられちゃった。
家で浮かべて遊ぶんだろうな。
いいな。
わたしは何色を選ぼうかな。
好きな色ランキング上位の色にしようか、
それとも、好きでもなんでもない色だけど、
最後の一個の風船にしようか
一個しかないものを選んだら、
特別な気持ちになれるかな。
んーでもこれを選んだら
この色を欲しかったひとが羨ましく思うのかな。
考えるのがめんどくさくなって
いちばんたくさん残っていた色を選んだ。
気分はまぁ、普通。
あっ。
色とりどりの風船を持ったお兄さんとすれ違った。
並べられていくたくさんの風船。
思わずこぼれる苦笑い。
なにこの気持ち。
地面をぼーっと眺めながら歩く。
「あ!風船だ!いいな!」
「これ…いる?」
「いる!!いいの!!?」
まぶしい。
風が心地良い。
秋がきたんだ。