ミモザ
髪を切った。
「大丈夫かな。似合ってるのかな。」
下着を買い替えた。
「あ、だめじゃん。」
おもったより締めつけが強くて
これじゃからだに跡がついちゃう。
高校の同級生だった彼。
きっと、お互い好きだった。
うまくいかないことはあるもので
私が一人のときは彼に彼女がいて、
彼が一人のときは私に彼がいた。
そう、今だってうまくいかない状況。
幸せそうに笑う二人の写真に、冷めた指でいいね。
何かDMを送れるきっかけはないかと
バカみたいに何度もアプリを開いた。
その甲斐あって毎日ゆるゆるとDMを続けることに成功し、甘いやりとりもできるようになった。
『久しぶりに会いたいね。』
これは、もう、そういうことでしょ。
『お待たせ、乗って。』
助手席に染みついた香りに責められるけど、
今日だけ、この場所にいさせて。
「めちゃくちゃ久しぶり!
会えるの楽しみにしてたよ♡」