見出し画像

言の森

言の葉が
くちびるや
ゆびさきから
一枚いちまい
現れる

その
小さな
言の葉は
もともと
遠く
こころから
やってきたもの
だから
きっと
人のこころには
言の葉の茂る
言の木があり
言の森があるのだろう

その森で
深く根の張った
しなやかな
木を育てていこう
その森で
緑まぶしい
かろやかな
葉を育てていこう

もしかすると
僕にとって
森を潤す雨は
しずかに
本を読むことかもしれない
もしかすると
僕にとって
森を照らす太陽は
あなたと
生きていることかもしれない




西尾勝彦詩集
『歩きながらはじまること』七月堂刊


七月堂HP通販はこちら

七月堂古書部オンラインショップはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?