オキシトシンスイミング
オランジェラート
不揃いに
永遠
青を
汚すことなく
乖離
薄いオゾンジェラートは
剥離
スプーンの
流線に
掬われる
首筋通る
冷たい憧れ
とんててとん
とんててとんと
雨がふりそう
とんててとん と
雨が ふりそうな 春の やらかい 冷たい 雨が 泣きそうな 笑いそうな 眠たそうな 春が
コルトレーン
夜を走ると、瞬くリズムは、並ぶ、フラスコの氷水、点滅する、窓ガラスに、反射する、脈拍が、実在を蹴って、スクリーンに、表彰する、コルトレーン、滑走する、裸体は、剥けていく、たましいに、滲んでいく、吐息と、目合ひ、ここかしこ、ここかしこ、空洞の音階を、奏でているのを、見送っていった
オノツバサ詩集『オキシトシンスイミング』収録
発行:七月堂
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