峯澤典子×古屋朋 対談『てばなし』刊行記念 vol.4
水の色。
峯:戻っていくということが、詩集の大きなテーマというか、芯なのかなと感じたんです。
「深すぎた青」の中でも、語り手は海に浮かんでいるのですが、「ぼくに付随する色彩が 生きる理由が/安らかに青へと還っていく」「ぼくらの故郷へ向かっていく」という……。手放したものが、自分を超えた大きいものに吸い込まれていく。
ここでは「青」という色の中や、「故郷へ向かっていく」。直接「てばなす」とは書かれていないんですけど、戻っていくという意志がここには含まれている気がするんです