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おもに七月堂書籍から詩の紹介をしていきます。
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2022年4月の記事一覧

時は過ぎ去る(ピエール・ルヴェルディ『ピエール・ルヴェルディ詩集』より)

 空の中で灯がともった一番星は、すでに小屋のガラス窓の上に映っている。あまりにも長い道を…

泥水が沁みてゆく真っ白な紙(浦 歌無子『光る背骨』より)

ほんのすこし輪郭らしきものが見えている まだまわりの岩肌とほとんど区別がつかない 波に洗わ…

わたしが疎明する夜に(うるし山千尋『ライトゲージ』収録)

おもむろに 円周率を唱えはじめた ひとり またひとり 居酒屋で ほろ酔いで 窓をあけると 室外…