人から教わるばばさ菓子 ー吉原殿中ー
嬉しい情報
ばばさ菓子研究をしてると言っているけれど、ものすごくマイペースでやっているし、普段リサーチをする場所は近所のスーパーやバイト帰りに立ち寄る店など狭い行動範囲内に限られているので、少ない情報の中でやっている状況だ。でも、たまにばばさ菓子研究ノートを読んだ方から、私の近所では見ないようなばばさ菓子の情報をいただくことがある。
2021年の8月、twitterで漫画家のdolllyさんに茨城県水戸市のお菓子「吉原殿中」というを教えていただいた。
dolllyさんは愛らしいキャラクターと「……なんなのォッ?!」という謎がクセになる面白い漫画を描く漫画家さんだ。
dolllyさんの漫画ブログ
dolllyさんの漫画「ふわげちゃんたち」。可愛くて面白くて少し怖いhttps://omocoro.jp/tag/%e3%81%b5%e3%82%8f%e3%81%92%e3%81%a1%e3%82%83%e3%82%93%e3%81%9f%e3%8
「吉原殿中」を調べてみると、見た目は前回の「五家宝」の時に調べた、ハイエンドなほうの生成りの五家宝に似た、円筒形にまとめたあられにきな粉がまぶしてある、きな粉好きの血が騒ぐ見た目をしている。
「吉原殿中」、絶対好きなやつ、と思いながらも月日がめっちゃ流れ、教えていただいた2021年の翌年の2022年5月にようやく取り寄せてみた。それをさらに1年経った2023年5月の今こうして当時のメモをもとにまとめたりしている。こんな大人もいるので、皆さん自分でやろうと決めたことが予定通りにできなかった時などにあまり落ち込まないでほしい。
ここで痛恨、dolllyさんがお薦めしてくださった「あさ川」でなく、「亀じるし」の吉原殿中を取り寄せてしまっていたのだ。私はいつもこうだ……!
しかしここでは私のそんなウッカリもそのままお届けしようと思う。こんな感じでやっております。
THIS IS 吉原殿中
亀じるしの吉原殿中は、かっこいいいでたちで届いた。
食べてみると、驚いたのはその食感!
小さなあられが飴で繋がっているんだけど、その繋がりが前回食べた庶民的なタイプの五家宝よりも柔らかで、手でつまんでいるところが崩れてしまうほどだ。これは私が周りに巻いてあったオブラートをとってしまったからで、オブラートごと食べれば崩れやきな粉のとびちりが防げる。
口に入れるとあられのつぶつぶがほどけるようで、私にとってはかなりの新食感。その上で飴の優しい甘さと香ばしいきな粉という食べ慣れた安心の味がするのが新鮮な体験だった。これはとてもおいしい!あたたかいお茶と一緒に味わいたい。
しかし、見れば見るほどこれは生成りの五家宝とかなり似ているのではないか……?
実際、吉原殿中と殿中と五家宝が似ているというのは普通に言われていることで、両方とも小さな粒のあられを水飴などを主体とした糖蜜でまとめ、きな粉を纏わせたお菓子なので構成要素はほとんど同じ。大きく違うのはサイズで、吉原殿中の方がひとまわりくらい大きいようだ。
wikiの「五家宝」の項目を読むとかなり詳細な記事になっていて、水戸藩の第9代藩主徳川斉昭の御殿女中だった吉原という人が吉原殿中を作り、それを元ネタとして五家宝が作られたという説があるそう。もちろんこれで決まり!という説ではなく諸説ある。
私としてはなぜ五家宝だけ緑と生成りのタイプがあるのか、吉原殿中にはそれがないのか気になるところだ。
そして吉原殿中がこれだけおいしいのだから、それに似た生成りの五家宝もおいしいはずなので、取り寄せてみたいと思う。
おまけ(銀紙菓子)
地方都市の、けっこう歴史がある、地元の歴史的事物や風土、特産品をモチーフにしたお土産菓子を作っているようなお菓子屋さんに、「アルミホイルでパウンドケーキの生地を包んで焼いて、アルミホイルの包みごと売られている菓子」が売られていることがある。そしてそういうお菓子は大抵おいしい。写真の山形県酒田市 酒田菓匠 菊池の銘菓「酒田むすめ」もそのひとつ。山形を旅行した時に買ってきた。
姉と私はこの手の菓子が好きで、山形のガイドブックに「酒田むすめ」が載っているのを見つけて「これアルミホイル包み焼き菓子っぽくね」とアタリをつけて買ってみた。写真はコーヒー味で、中には少しミルクの入ったコーヒー風味の白餡が入っていておいしい。(他には小倉と焼き芋味がある)
姉はこれを「銀紙菓子」と言っていて何それ、その言い方かわいいですねと言ったら「どうかな、銀紙ってお年寄りの言い方じゃない?若い人わかんなくない?」と言っていた 確かにそうかも。
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