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塩とレモンと 「へえ…ハイクオリティじゃん」

ばばさ菓子を少しずつ買うようになった私に対して、姉が「ねえ、それはおいしいと思って買ってるの?」と言ってきた。難しい。確かにおいしいとは思っている。今まで出会ってこなかったような味や食感だったり、懐かしさにウワッとなるようなお菓子に出会えるのはうれしいものだ。でも確かに、「これおいしい!おすすめ!」と誰にでも言えるものばかりとは限らないのがばばさ菓子だ。

スーパーの「一軍コーナー」、明治のチョコレートや森永のクッキー、カルビーや湖池屋のスナック菓子などの強靭な定番商品が陣取り、新商品がしのぎを削る棚に並ぶお菓子のほうがわかりやすくおいしいし、ハズレも少ない気がする。甘すぎたりパサパサしていたりして、「熱いお茶おくれ」ということもあまりない。でも私は今、けっこう明確に、渋いパッケージを眺めたり、パサパサした菓子を熱いお茶で流し込んだりするのが、イヤじゃない。むしろ、進んでしたい気がしている。

そんなことを思いながら、イオンのばばさ菓子コーナーでこんなものを買った。知人のSさんがSNSにばばさ菓子の写真をアップしていて、その片隅に写っていてちょっとこれいいじゃない、と思ったのだ。

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「半生菓子 塩とレモンミックス」。上半分だけ見たら普通のお菓子かな、と思うけれど下の透明窓部分から覗いているのは紛れもなくばばさ菓子だ。塩レモンというのはここ数年台頭してきた人気のフレーバーで、去年か一昨年くらいには米菓にも塩レモン味が進出してオッと思った記憶があるけれど、今はばばさ菓子の世界にも塩レモンが進出しているのか。

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ラインナップはこんな感じ。(段ボールの上に置いて撮ると映えないことがわかった。)「塩レモン」ではなく「塩とレモン」なのは塩勢とレモン勢の2つのカテゴリがあるからなのか。レモンのモナカなんて新鮮だし、小さな袋にムニュ…とした白いものが入っている「しお餅」の存在感なんか、すごく興味を惹かれる。「汐もなか」の、塩ではなく汐と表記するのも、ばばさ菓子ならではのエレガントさを感じて良い。

とはいえ冒頭に書いたようなこともあり、味はそこまで期待していなかった。しかし。なんかこのお菓子たちが、みょうに美味しかったのだ。感想は以下の通り。

A 汐もなか 口溶け良いもなか 中のあんこに塩味が効いていておいしい

B 最中ようかん アイシングが描く模様が美しい 充填されているようかんに塩がきいていておいしい かなり美味

C しお餅 ぎゅうひ 柔らかい ほのかな塩気で優しい味

D レモンもなか 口溶け良いもなかにレモン餡 酸味と香りが爽やか ちょっとぎゅうひ入りで芸が細かい

E レモンゼリー 姉に好評「けっこうレモンが強い、レモン味のドリンクみたい かなりいける これだけいっぱい入った袋菓子あったら欲しい」寒天ベースで、ネチッと感と歯切れの良さが両立してるゼリー

F レモンケーキ パサパサした乾いた食感、口の中の水分が容赦なく持って行かれる メインっぽい佇まいをしてるのにそれっぽくない味 懐かしさはある

G レモンパイ 地味さ際立つ、単なる透明な袋入り、でも油脂の少ないモシッとしたパイ生地、レモン餡にも塩が効いててうまい!なんだろう、うまい もっと食べたい

全体的にクオリティがかなり高く、おいしかった。しかも一見するといちばん華のない見た目の(トップ画像の中央にも描いてみているけれど、そこそこ頑張って描いてもなんだかわからない)レモンパイが意外や意外、おいしかったのだ。しかも、うまいばばさ菓子の特徴ともいえる、「何かわかりやすく突出しているわけではないけれど、おいしい」という言い表しづらい美味しさだ。

このようにルックは地味なメンバーを含むお菓子たちを、流行りのフレーバー括りでまとめている「塩とレモンミックス」はすごくよくできているばばさ菓子だと思う。レモンケーキのパサパサ具合は、「抜け感」のようなものと解釈するといいのかもしれない。

作っているのは、あのイケてるゼリー菓子「清流ミックス」を作っている長野県飯田市の「株式会社 戸田屋」。(「清流ミックス」については下記noteにあります)


そこまでばばさ菓子が大好きというわけではない姉と少しずつ食べたけれど、どれも「…おいしい」「普通においしい…いや、好んで食べるレベル」という高評価だった。この「…」の部分、「何かわかりやすく突出しているわけではないけれど、おいしい」ばばさ菓子のよさが表されている気がする。

なお、父と母にもわけたけれど、物凄い早さでなくなっていたので、たぶんリアルおばあさん/おじいさん世代からしてもおいしかったんだろうと思っている。





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