No.14 わが青春(!?)の千年戦争アイギス
1. 出会いとはじまり
DMMの「千年戦争アイギス」が8周年を迎えた. 元々は「艦これ」がやりたくて7年前に作ったDMMアカウントで, 全く偶然にはじめた(「艦これ」の方はチュートリアルで躓いて5分で挫折して以来一度もやっていない). 私は基本ズボラな人間で大体は三日坊主で終わるのだが, そんな私でも何かがハマったらしく6年半の間飽きもせずに続けて, 他の長期の趣味, routineである水泳(28年)や日記(15年)と並ぶ, 今や殆ど「慣習」まで昇華したと言ってもよい. 逆にこれ以外のゲームは, コラボでボーナスがもらえたのではじめた「御城」以外は, 何もやっていない(やる気が起きない). 定食屋でも一度フラッと立ち寄った店に(仕事で異動するまでの間)何年も延々行き続けるという私の性格が, こんなところにも反映されているようで面白い.
私は基本無課金勢で, 最初のお徳用の育成パック(1万1400円)を2年目(3周年の時)くらいに購入して以降は課金をしなかったのだが, 流石に5年を過ぎたあたりから(特にコロナ禍もあって)タダでプレイするのが悪い気がしてきてしまって, とりあえず月3000円(石が60個付くちびチケ)は払うようになった. なので, 立ち位置としては(今や)古参の(最古参ではない)「ライト」よりはやや「ヘビー」よりのユーザーになるかと思う. プレイスタイルは, 無課金時代が長かったためだと思うが, 高難易度の魔神攻略戦を目標に, その為に厳重なリソース(ユニットや育成素材)管理を行うスタイルである. だから傍からは
「普段は毎日日記を付けるようにただ淡々と決まったroutineを日々行い, 2ヶ月おきくらいのイベントを楽しむ」
という, 一見何が面白いのか正直わからないかもしれない. しかし私の気質的には, そうであったからこそつかず離れず長続きしているとも言える. 逆に流行り廃りが激しいソシャゲ業界で長続きしているのも, 案外私みたいな層(そんなのがどれくらい厚いのかは知らないが)を離さないからかもしれない.
子供の頃は小1でゲームをはじめて小6で卒業してしまったので, 既にその期間よりも長く続けている計算になるわけで, かつて遊んだ往年の名作(DQ, FF, LAL, シレン, マリオ, カービィー, メトロイド, ロックマン, etc.)の数々をプレイした時間, その全てを足した時間よりも多くの時間をプレイしている(routineで2, 3分ボタンを押すだけの日も多いから厳密には違うかもしれないが)と思うと, 眩暈も覚える(しかし, まぁ後悔はそれほどしていない).
2. 古き良き時代
一番面白かったのははじめてから半年くらいの間(2015年の夏から2015年度末くらい)で, これがいわば私の「アイギス」の「青春時代」である. 元々「アイギス」にしても何にしても, この手のソシャゲは課金力に物を言わせた力押しをすると, すぐに攻略できてしまい(「縛りプレイ」でもしない限り)面白くなくなってしまう. そこが無課金かつ育成が大変だった時代(幸い既に「田園マラソン」は無く, 「委任出撃」はあったがそれでもユニットを覚醒させるどころか銀CCLv50に持っていくのも大変だった)だと必然的に縛りプレイになり, 色々考え工夫をした.
その頃はそうした需要もあり, 銀ユニ, 金ユニ(覚醒無し)縛りの攻略動画(きのさき, monme, 中トロ, et al.)も色々あって, 私もかなりお世話になったものである. そこで「差し込み」, 「バケツリレー」, 「空蝉」といった, 今となってはあまり使われることも無くなった数々の基本テクニックもそうやって学んだ. むしろ当時実装されたばかりだった「砂漠」や「東の国」のストーリーミッションでは必須だったとさえ思う.
中でも特に印象的だったのは,
1) 未CC下限Lv50のアサシンの差し込み,
2) 鉄 山賊手下B Lv40のメイジマミーの差し込み(私は考案者の名を取って「きのさき戦法」と呼んでいたが)
である.
1) はその名残の未CC下限Lv50(好感度50)のバラッドが(入手順でいうとビエラとエレインの次で)未だに倉庫番をしている. 当時ソルジャーのステータスが餓鬼やマミーといった雑魚敵に比して極めて脆弱で, 複数抱えるとスキル発動前にあっさり落ちてしまう大問題があった. これを回避するために, 低コストかつ50%回避(更に暗殺)できるアサシンを差し込んで(運ゲーで)ソルジャーのスキル点火までの時間を稼ぐという高等テクニックがあったのである. これは「砂漠」や「東の国」, 更には「魔法都市」まで大いに役に立ったテクニックで, イベユニのレシア(ワルキューレ)を入手するまではこのバラッドは前線を張っていた.
2)は, ダメージを受ければ受けるほど攻撃力が上がるメイジマミーを, 攻撃力が低くHPの高い鉄山賊手下Bで単騎受けし時間を稼ぎ, それ以外の敵ユニットを全て処理してメイジマミーのHPを1/4まで削ってから撤退させ, 集中砲火で落とすというものである. かなりピンポイントだが, 正に「目からウロコ」の, 「弱いユニットでも使いようはある」というアイギスを象徴するような戦術だった. 後に魔神フールフールが一番最初に実装されたおり(2016年3月)に, フールフール第一形態を攻撃速度が遅く攻撃力が低いメイジアーマーで足止めして時間を稼ぐ戦法があったが, これも「きのさき戦法」の一種だったと思う.
ちなみにこの思い出の鉄山賊手下Bは今はもういない. 一時期倉庫の圧迫が限界になった時期に泣く泣くリストラしてしまったからである. 一番最初に入手したソーマ, アリサ, キャリーからイーリス, ビエラにいたるまで律儀に全部取ってある私にしては珍しい不覚で, リソース管理が大変だった時代とはいえ, 今や常時100以上持っている白バケツや精霊1匹のために処分してしまったのは返す返すも残念(?)だったと思う.
他方, 私が独自に開発した戦法もあった. 特に当時の我が軍はアーマー(銀レアンが最硬)とアーチャー(ダニエラが最強)が貧弱だった. 何せ私は幸か不幸かキャリーさんの``最終''世代でバシラが入手できず, ベルニスも何故かタイミングが悪く長らく入手できなかったのだ. それゆえ「魔法都市」のゴーレムが受けられず, クリスタルも落とせなかった. そこで例の未CC下限Lv50のアサシンで受け, ペガサスライダー(イベユニでイザベルが入手できた)でクリスタルとゴーレムを同時に処理するという戦法を開発し(もちろん他にやっていた人もいたとは思うが, 私が調べた範囲では何故か当時この手の戦法を使っている人をみかけなかった), 「魔法都市」では大いに重宝した.
その頃から敵ユニットのステータスのインフレがはじまり, 段々銀ユニや金ユニ(未覚醒)のみでの攻略が難しくなっていた. 決定的だったのは(今や完全に``みんなのおもちゃ''と化した)アイアンゴーレムとミスリルゴーレムの登場で, 当時の私の手持ちではどうしようもなく4, 5か月は足踏みしていたのではないか.
ただこの時代はちょうど微妙なバランスが保たれていた時代でもあった. 真っ黒黒編成から金以下未覚醒, 銀以下, 銅以下, 鉄のみまで正に「より取り見取り」の百花繚乱. 真っ黒黒編成にしてもアイシャ(愛車?)15人攻略とか, 色々な意味で「狂気」としか思えないようなものがあったし, それ以外にも色々と「狂気」じみていたものが散見されて面白かった(個人的には15人同編成の「一神教」の宗教絵画的作品よりは, 総合芸術の方が好きだったが). またいわゆる銀のみでは攻略できないがゆえの競技「銀レアダッシュ」もかなり流行っていて面白かった. アイギス攻略動画の全盛期もこの頃, つまり2015年8月(「銀レアダッシュ」自体はもう少し前からあったと思う)から2016年2月くらいまでの半年くらいだったように思う(大討伐の度に討伐の記録を色々な人が色々なやり方で次々と更新していく様を見ているだけでも面白かったし, そこで開発された戦法は実際の攻略においても有効だった).
私個人も結局その2016年の2月にメトゥスの実装(骨トークン差し込み戦法, それまではガチャ産のアニエスしかできなかった), アーニャの復刻(アスカロン中はギリギリミスリルゴーレムを受けられる), 更にベースSPから出た奇跡のナタクのスキルリレーでようやく魔法都市を突破できた. そこがある意味でピークの時期で, 翌月に実装された魔神フールフールの登場で完全にphase shiftが起きて, ユニットのインフレの傾向が決定的になった. 実際それに呼応するように「銀レアダッシュ」もそれ以後はあまりみなくなり, 2017年にはあの頃のactiveな攻略勢そのものの姿を殆ど見かけなくなってしまったと思う.
こうして「どんなユニットでも使い方次第で攻略できる」という牧歌的(かつ一番ゲームとして楽しかった)時代は1年程で終わりを告げることになる.
3. ガチャを回すようになるまで
それから1, 2年ほどはただひたすらリソース管理に徹し, インフレしていく使えるイベユニ(特にレシアやヒバリ等の黒イベユニ)を揃え, その育成に徹することになる(今思えば何であんな「苦行」をダラダラ続けていたのか疑問に思う). 実際, その2016年の3周年記念で配られた黒選択チケットで手に入れたリンネを除き, 持っていたガチャ産の黒はアンジェリーネのみで(これはかの剣聖10yenがジークリンデを引くために12万円溶かしたのを見て不憫に思った衝動で回して手に入った副産物という曰く付き), その次にガチャ黒を手に入れるのは実に2017年の11月の4周年チケットを購入して, 余った石を回して手に入れたグレース, トワ, ソフィーまで待つことになる(ちなみにこの時の黒選択チケットで入手したのはシルヴィア様).
実際, この頃になると名声召喚等も実装により, 育成周りの環境がかなり改善され, 育成のために結晶を割る必要が無くなってきた. これはソシャゲ界隈の価値観の変革とも関連する話で, それまでの
「如何にプレイヤーを長い時間ゲームに縛るか」
という旧時代(据え置きゲーム)的なものから
「如何にプレイヤーにゲームを飽きさせず(辞めさせず)に続けさせるか」
という思想への転換に伴うものだったと思う. これにより結晶が必然的に余り溜まるようになり, 殆ど無課金の私でも結晶を貯めていけば季節ごとに1回くらいは10連ガチャができるようになり, コンスタントにガチャ産の黒が入荷されるようになった. するとまぁ皮肉なことに大体の場合は過剰戦力気味になり, 縛りプレイをするか, 結晶収集の「作業」と割り切るかとなる. 実際, この時は一番退屈で一時期「アイギス」から離れていたこともある.
4. 新たなる時代 --魔神Lv15以上と英傑の塔--
風向きが変わったように感じたのは3年前, 5周年記念で戻ってきて以後である. この頃はインフレもある意味一段落して, 昔は攻略する気さえ起きなかった魔神Lv15が, 私が「アイギス」をはじめたくらいのイベントの難しめの神級攻略くらいの感覚にまで落ちてきた. これにより, かつては銀や金で工夫して色々攻略できたのと同様の感覚を, 覚醒黒, 白で(工夫すれば色々な攻略ができるという何周かインフレした形で)実現できるようになってきた感じがして, 再び「アイギス」に戻ってきたのである.
緩やかなインフレはその後も継続していたが, 2年前の魔神Lv16と英傑の塔(及び英傑ユニット)の登場により, 賛否は有れど少なくとも私にとっては, うまいことゲームバランスは保たれていると思う. それ以後は魔神Lv16の攻略を主の目標に, リソース管理(定期的にガチャを回すための結晶管理)を毎日作業のようにこなし(委任チケット実装で正に作業になった), 2, 3ヶ月に1回来る魔神戦に備え, 英傑の塔(最近は統帥の塔)で縛りプレイを日々試行錯誤するというのがここ2年余りの楽しみ方である.
一日当たりの時間にすると, 普段は3分にも満たなず, 挑戦権が溜まった英傑or統帥の塔を週末にまとめて処理して, 大体30分. 2ヶ月に一度くらいの間隔に来る新規魔神やLv16で1, 2時間だから日常的には殆ど苦にならない. 不満点や改善点がないわけではないが, ここ一年あまりでまた色々と試みがなされていてそれに関しては概ね肯定的である.
そんなわけでまだまだ色々activeなようなので「とりあえず10年くらいまでは行ってくれるのではないか」と思っている. 恐らくソシャゲの中ではかなり長寿のタイトルの一つになること(もう既になっている?)は間違いないだろう. これから私の人生のどれほどの時間を食いつぶすのかはわからんが, 今の傾向が続いているうちはまだ付き合いは続きそうである.